中世の面影を残す町ブルージュ観光

ベルギーの首都ブリュッセルから高速鉄道でおよそ1時間。中世の街並みを残す観光地ブルージュです。僕はブリュッセル泊での日帰り旅行でしたが、意外と見所がたくさんあるので、きっと街中に宿泊するのが正解だと思いました。ヨーロッパは色々と回ってきましたが、その中でも1、2を争う満足度だったと記憶しています。

中央駅から市街中心部へ

こちらがブルージュ駅です。駅前広場は結構広く、どちらに向かえばいいか迷いますが、この駅舎正面向かいの道を渡り左方面の道をそのまままっすぐ向かうと中心街にたどり着けます。まあ、電車から降りて観光客の流れができると思うのでその流れに乗ればまず大丈夫でしょう。

少し歩けばすぐにレンガ造りのこんな街並みが目に入ってきます。中世の街に迷い込んだ雰囲気で気分が上がります。

貸し自転車があるようで、時折自転車の集団が横切っていきます。一眼レフで写真を取っていると積極的に写りにくる人が結構いますが、この時もお兄さんが手を振って通り過ぎていきました。

少し歩いてたどり着いた広場では少年楽団の演奏会が開かれていました。衣装も揃えて本格的です。

さらに先では蚤の市が開催されていました。骨董品など掘り出し物が見つかりそうです。

中世の時代、かつて繁栄した街だけあって、想像していた以上に大きいです。あちこちにランドマーク的な塔がそびえていていますが、細い商店街からニョキッと見える世界遺産の鐘楼を目印に歩きます。

そしてたどり着くのがマルクト広場という広場。アイキャッチの写真のように観光馬車が行き交います。そして366段もの階段を登り、鐘楼の上から街並みを見下ろすこともできます。元気な方はぜひ挑戦してみてください。

鐘楼の正面にはこの写真のような可愛らしい建物の前にカフェがオープンしていて、ここからじっくりのんびり眺めることも可能です。こういう広場に来るとヨーロッパだなという感じがします。

水上ボート

なんと言ってもこの街の見所はこの運河でしょう。同じく水上の街ベネチアとはまたちょっと違った田舎風味を感じられます。街中のいろんな所にある乗り場からボートに乗ってぐるっと水上を周回できます。どこから乗っても同じ場所を巡るので空いている場所を見つけたらそこから乗ってしまうのが正解です。

そこそこスピードがでるので目まぐるしく景色が変わっていきます。川沿いの古びた民家が迫ってきます。

白鳥の群れも見かけました。

橋の下はなかなかスリリング。かつて関税を取るためにわざと1船ずつしか通れなくしてあったのだとか。

細めの水路をぐんぐん進み、広い水場をぐるっと周回してまた戻るという一周の旅。遊覧時間は30分と程よい長さなのでぜひ乗ってみてください。

必見、ARENTSHUIS美術館


事前情報なくふらっと見つけたこの美術館、何とフランク・ブラングウィンの常設展示をやっているではありませんか。世間的な地名度は低いですが、この人は僕にとって片手指に収まるベストオブベストの画家の一人です。

ブラングウィンは上野の国立西洋美術館の元となった松方コレクションに大いに寄与した人物で、ちょうどイラストレーションの黄金期にも重なる19世紀末から20世紀前半にイギリスで活躍し、非常に多くの作品を残したものの、戦時に焼失してその名声もろとも忘れ去られた作家となってしまいました。

しかしその作品の一部は日本の松方コレクションに残されており2010年に記念展示会が行われていました。実はこのブラングウィン、ここブルージュの生まれだったということで、ブルージュを描いたリトグラフなども多くこちらの美術館に収容されています。筆致の思い切りのよさと強烈なカラーの美しさが実に気持ちの良い作品がたくさんあります。

そういえば今月(19年6月)から開催される国立西洋美術館の松方コレクション展でもブラングウィン作品が展示されないか楽しみにしています。

なお、この地には他にも数多くの美術館があり、それだけでなく街中にオブジェが飾っていたりとアート鑑賞目的に訪れても十分楽しめると思いました。

ミケランジェロの聖母像

ブルージュ観光では外せないミケランジェロの聖母像は聖母教会の中にあり、鑑賞するには時間指定のチケットを事前に購入しておく必要があります。こちらの教会は何度も改修を重ねられてきたということでいろんな様式がモザイク的に折り重なっていて建築的にも面白みがあります。120mある尖塔は煉瓦造りとしては世界でも最大級ということです。

こちらが聖母像です。残念なことに防護シールドに囲われているばかりか、祭壇近くには行くことはできずかなり遠目から見ることになります。

肉眼だとうーん、ちょっと厳しい。。

お土産はチョコレートレーン

ベルギーといえば、ビールかチョコレート。となればお土産はチョコレート一択。もちろんゴディバやピエールマルコリーニ、レオニダスもいいですが、一味違うチョコレート土産を買うなら、こちらのローカルのお店に入ってみましょう。

いろんなタイプのチョコレートが並びます。店内のオブジェやら制作風景などフォトジェニックな場所もあるので、単にお土産選びだけでなく滞在を楽しめるかと思います。

さて、中世の面影を色濃く残すブルージュですが、冒頭にも書いた通りブリュッセルからの1日観光も十分に可能ですが、見所満載なのでぜひ泊まりで訪れたい街です。中世の街並みばかりか自然も豊富だったりするので、いつかまたのんびりゆっくり滞在したいと思っています。