しばらくブログの更新が滞ってしまいましたが、実は3ヶ月ほどかけて世界一周してきました。
オミクロン株の流行やロシアによるウクライナ侵攻など不穏な情勢はありつつも、ワクチンや治療薬のおかげで予想通り世界的には国境解放の方向に舵が切られた時期の旅行となり、各地で快適な滞在ができました。
出国前の5月にはいろいろ書類の準備が必要でしたが、6月、7月と各国のコロナ規制は一気に緩和へと進み、ワクチン接種証明さえあれば入国前のPCR検査が必要な国もほとんどなくなっているというのが2022年8月の世界情勢です。(現時点で世界最大のコロナ感染爆発国の日本が、入国前72時間以内のPCR検査を義務付けているというなんともチグハグな状況。。)
さて、今回の世界一周旅行では、有効期限の少ないANAのマイルが20万マイルほどあったため、それを使ってスターアライアンスのファーストクラスの世界一周航空券を利用しました。
この記事では世界一周旅券の予約方法についての備忘を兼ねた記録を綴ってみようと思います。少しコツがいる部分もあるので世界一周に挑戦してみようという方の参考になるかと思います。
目次
そもそも世界一周航空券とは
スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームの3つのアライアンス(複数の航空会社の連盟)が提供している、太平洋と大西洋を横断して地球を一周することができるタイプの航空券になります。
アライアンスごとにルールが微妙に異なりますが、最低必要日数、降機回数・降機しなければならない大陸数などの諸条件に従って、カスタムメイドされた世界一周のルートを作ることができます。
発券の際の価格設定は移動マイル数をベースに、ルートの中で利用する最高の座席クラス(エコノミー < ビジネス < ファースト)の値段設定での支払いが求められます。ただし、その値段は通常料金で東京都ニューヨークを往復するよりも安い破格の値段で発券することができるというのが大きな魅力です。
大量のマイルを獲得することができるため上級会員資格に必要なポイントを高効率に取得することができますし、逆に溜まったマイルを使って発券することも可能という柔軟さがあるのも優れたところです。
ルート作成にあたって、アライアンスに加盟する航空会社の便をいろいろ利用することができるため、飛行機好きにとっては好みの路線でいろんな機材を試せるのも魅力のひとつかもしれませんね。
スターアライアンスの世界一周周遊券の予約手順
今回はANAのマイルを利用する発券ということで、ANAが加盟するスターアライアンスの手続きを解説します。といっても昔と比べてかなり世界一周のルート作成ツールの使い勝手が向上しているので、サイトでルートを作ってから予約するだけ、と簡単です。
とはいえいくつか注意すべきポイントがあるので、解説していきます。
ルート作成から予約の流れ(ANAマイルで予約する場合)
まずは専用サイトにアクセスします。「新しい旅を始める」ボタンを選ぶとルート作成を開始できます。途中でルートを保存しておくこともでき、保存したルートを呼び出して再編集することも可能です。
出発地、発券する飛行機のクラス、出発日を選んでルートの作成開始です。
出発地はTokyo、Osakaなどとローマ字入力するか、空港コード(羽田・成田を含む東京はTYO、羽田はHND、成田はNRTなどの3文字のコード)を入力すると選択肢が表示されます。
この画面で行き先を決めていきます。順番に次の目的地と日付を選択していくと、旅程と合計のマイル数が加算されていきます。
【日程選択に若干癖があるので注意】この画面では、着陸地を選ぶ際に日程を選択させられますが、その地に向けた出発日や到着日ではなく、次の目的地への出発日を選ばなければなりません。これが直感的ではなく、間違えるとルート設計がよくわからなくなってしまうので注意してください。
*いきなり複雑なルートを組む前に、システムのコツを掴むために、最初はシンプルに3拠点くらい経由の簡単なルートで一通りの動作を確認してみることをおすすめします。
なお、空路の設定がないルートもこの画面では選べてしまうのですが、次の航空機選択画面で設定がありませんと表示されて、結局、この画面に戻ってルートを作り直すことになるため、空路設定があるかどうかをGoogleフライトなどの航空券検索サイトを使って確認しながら進めるのがおすすめです。
途中、陸路で移動をしたい場合もあると思いますが、もちろん可能です(たとえば、フランクフルトに着陸し、電車で移動してミュンヘンから出発したいというような場合)。陸路選択の際も日程を選ばされますが、ここで選ぶ日付は適当で大丈夫です。
設定したルート・日程で選択できる航空機が表示されるので、この中から利用したいフライトを選択します。ノンストップまたは途中降機という表示がありますが、これは目的地までの乗り継ぎ(トランジット)回数です。乗り継ぎが多いと必要なマイル数が増えてしまう上に時間がかかるし、いちいち降機しないといけないので、飛行機フリークでない限りはなるべくノンストップのフライトを選ぶのがおすすめです。
注意したいのは、ここで表示されている航空機はあくまでもルート設定があるものが表示されているに過ぎないことです。予約が空いているかどうかは、この後、電話で確認しなければわかりません。あくまでも希望するルート設定が可能かどうかだけを確認しているということですね。
航空券の予約はおよそ1年前から始まるため、ルートが決まったらなるべく早い時期に予約しておくことをおすすめします。※2022年4月の時点で半年先まで主要なビジネスクラス以上のルートはほぼ満席状態でした
ルート選択を終えたら、ANAの「国際線予約」の番号に電話しましょう。プラチナクラス以上、またはSFCメンバーであれば数分以内の待ち時間でつながりますが、一般の方は繋がるまでの待ち時間が1時間というのはザラなので覚悟しましょう。。
そして、この航空券予約は電話がつながってからが本番です。単純なルート設定だった僕の場合でも予約完了まで1時間くらいは通話していましたので。
無事、席が確保できそうであれば、その場で予約完了できます。予約完了すると、Webサイトやアプリの予約画面にも予約便が表示されます。
これで一旦、電話は終了ですが、その後、諸税等を担当部署にて計算され、翌日に電話で支払い料金を伝えられます。その場で承諾するか、そこからさらに1日ほどの有効期限内に確定すれば発券完了です。
発券完了後に座席を選択することができるようになります。
予約が完了すれば、あとは出発するのみです。
世界一周の料金
シンプルにアジア、ヨーロッパ、北米を結ぶ2万マイル弱くらいのルート設計で、エコノミー30万円、ビジネス60万円、ファースト120万円くらい +諸税くらいのイメージです。
ちなみに僕は、18001-20000マイルのファーストクラスで発券しましたが、消費マイル数は180000マイルで、諸税で約9万円がかかりました(当時、まだドル円が120円台でした)。昨今の円安と燃料価格高騰で、現在はさらに高くなっていることが予測されます。
注意事項
上述の通り、予約の際には電話での問い合わせが必須になります。電話が繋がるまで、そして繋がってからもかなりの時間がかかるので「ナビダイヤル」の番号にはかけないように注意ください。1分当たり20円もかかってしまいます。03から始まる通常の電話番号であればずっと安く通話できる(スマホの契約によっては無料通話も可能ですよね)ので、ご注意ください。
変更やキャンセルは可能?
電話で発券した時点で諸税が課金されます。ここから出発前まではキャンセル可能ですが、キャンセルの場合、3000マイルが差し引かれるとのことでした。
また、ルート変更は不可能ですが、同じ航空会社の便で同じルートであれば変更は可能です。ファーストクラスで発券したけれども、一部のルートに空きがなかったためビジネスクラスで予約したというような場合に、問い合わせて空きがあればファーストへの変更が可能です。ただし、キャンセル待ちはできないため、運良く空きがでるかどうか根気強く何度も問い合わせする必要があります。
ちなみに僕の場合は、ファーストクラスで発券したものの、ファーストクラスが空いていたのは1ルートのみという残念な結果でした。それどころか半年先まで事前にルート設計した旅程はビジネスクラスすら空きがほとんどなく、電話先でいくつかのパターンで再検索してもらうことになりました。
なんとかエコノミーを避けてビジネスクラスばかりの旅程を組めたので、ファーストの空きが出るまで旅行開始後に何度も問い合わせてみましたが、毎度空きはないという回答。そして途中でそもそもファーストクラスの設定がないフライトだったことが発覚し、無駄足を踏まされていたことがわかりました。。そういったところもちゃんと調べてくれる担当者に当たるかどうかは時の運ですね。(ちなみにフライトコードが分かればキャビンの情報はネットで調べられるので、自分で確認することも可能です。)
渡航方法
実際の航空券の利用は、通常の予約時と全く同じです。予約が完了してさえいれば空港でパスポートを渡せば諸々のチェックイン手続きを進めてもらえますので安心してください。
なお、コロナ禍での各国のワクチン証明書等のチェックについては入国審査時ではなく、このチェックイン手続き時に航空会社が代行しているため、チェックインカウンターに向かうタイミングで必要な書類をしっかり揃えておきましょう。
それでは、よいフライトを。