ハロン湾観光はツアーで行くべきだった話

昨冬、長年行きたいと思っていたベトナムの世界遺産ハロン湾観光にようやく行ってきました。

由来を学ぶのが楽しい遺跡や建築巡りはともかく、自然環境はツアーやガイドなしで気ままに回りたいというのが個人的な趣向でして、ハロン湾もツアー的なものを避けて行ってみることを試みたので、その結果どうだったかというのをまとめてみます。

ググってもツアー以外の情報はほぼ皆無。そしてどのツアーも船上BBQだのバナナボートだの、一人旅では全然参加したいと思えないアクティビティがセットという状態なので、一部のニッチ層には有用な情報になるかもしれません。が、結論は主題の通り、「ツアー利用が正解」ですので、あまり期待せずにお読みください。。

そして事前の期待値が高かったこともあり、ハロン湾そのものがちょっと期待はずれというか、個人的にはたとえばノルウェーのフィヨルドとか、ドロミテやアルプスあたりの山岳風景とか、チンクエテッレのバラエティ豊かな沿岸風景とかとか、これまで見てきた超絶景と比べると数段見劣りする印象もあり、訪問の面倒さと比べて満足度はかなり低く終わってしまったのは否めません。。

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ハノイの人に話を聞くと、日本ではハロン湾よりもマイナーなニンビンの方がおすすめということで、実際、写真なんかを見ても確かにそっちに行けば良かったという後悔もちょっと残っているのですが、ハロン湾云々以前に、そもそもベトナム観光自体、あまり人にはおすすめできない体験がたくさんあったので、個人的にはベトナムはもうちょっと経済発展するまでは再訪しなくていいかなというのが正直な感想です。

ということで、そのあたりも併せてレポートしておこうと思います。

個人でハロン湾をめぐる方法

まず、ハロン湾観光はその性質上、船がないと観光することができません。そして、世界遺産に登録されていることもあり、湾上に散在する島嶼にアクセスするルートも全て決められており、個人でチャーターして気ままにめぐるということはできないようです。

従って、ツアーを避ける場合、フェリー乗り場まで直接行って、ツアー客用で余った船をチャーターした上で、いくつか設定されているルートから選択して行って帰ってくるということになります。そのため、ツアーと比べると割高になってしまうというのが結論です。

ともあれ、ここではそのハロン湾周遊フェリーの玄関口までのアクセス方法について解説していきます。

ハロン湾へのアクセス

日本からハロン湾に行くには、ベトナムの首都ハノイを経由することになるでしょう。日本-ハノイ間は直行便が就航しており、東京からだとおよそ7時間程度でアクセスできると思います。ハロン湾は、ハノイの中心街から高速利用でおよそ3時間程度の距離で、ハノイのホテルから早朝出発で夕方帰着というツアーが多く組まれていると思います。

ハノイからハイフォン(リムジンバス)

ハノイから直接ハロン湾に向かっても良いのですが、その場合、早朝出発を余儀無くされるため、僕はよりハロン湾に近い都市、ハイフォンで2泊することにしました。※ハイフォンには比較的新しい超高層のシェラトンがあり、そこそこ快適に過ごせたのでまたレポートしたいと思います。

ハノイからハイフォンへの道のりは、鉄道、高速バス、リムジンバス、タクシーがありますが、ツアーでも利用されるリムジンバスが快適だという情報があったので、そちらを利用しました。料金は250000ドン(約1500円)でした。

予約せずに行きましたが、問題なく次の便に乗れました。30分毎に便があるという情報を見ましたが、僕が利用したタイミングでは1時間に1本で運用しているようでした。支払いは現金のみなので、両替はお忘れなく。

Googleマップの位置が微妙にずれていたので、近くで人に聞いた方がいいかもしれません。上の写真のHUANG LONG BUSという赤字の建物です。奥に待合室があるので、少し早めに行っても問題ないです。

高速をかなりのスピードで走って1時間半の道のりでした。びゅんびゅん車を抜かしていくので、外を見ていると事故りそうで結構怖かったですが、椅子の乗り心地は快適でした。乗車時にはペットボトルの水とおしぼりが提供されます。ハロン湾ツアーでも似たようなリムジンバスが多用されているようで、道程で似たようなバスをよく見かけましたね。

ハイフォンの方の乗り場は鉄道駅の前の道沿いにあり、比較的わかりやすい場所にありました。

こちらは建屋の中にバスが乗り付けます。なお、席指定なので、案内の場所に座りましょう。後ろの席(若干安い)を予約していた欧州人が空いていた前の席に座ろうとして怒られていました。

ハイフォンの駅舎はコロニアル風のかわいらしい建物でした。狭い構内の待合室は電車待ちの乗客でいっぱい。ホームへの入り口は電車が来るまでシャッターが降りているようでした。

ハイフォンからハロン湾(Grab)

ハロン湾をめぐるフェリー乗り場は、連絡橋でつながった出島の先にあります。ここにハロン湾巡りの船舶がやってきます。出島にはホテルや飲食店もあるようでした。

ハイフォン市内のシェラトンから、ハロン湾のフェリー乗り場まではGrabで500,000ドンほどの料金でした。空いている時間帯だともうちょっと安い料金が提示されるかと思います。

ちなみに東南アジア諸国ではGrabという配車サービスが圧倒的に安くて安全で便利です(つい最近日本でも解禁されたライドシェアというサービスですね)。一度利用するともうタクシーを利用しようとは思えないくらい便利なので、出国前にアプリを入れて登録まで済ませておくことを強くおすすめします。

余談ですが、帰りにGrabで配車するとすぐに反応したのが駐車場に停まっていたタクシー運転手だったのですが、高速料金込みだから(高速なんてありません)とか言って、Grabをキャンセルさせて現金払いで乗せようとしてきたので要注意です。この手のトラブルはベトナムでは頻繁にありましたが、当然、まともな運転手が来るまで配車ガチャの引き直しするのが正解です。配車の際、プレート番号もしっかり確認しましょう。わけもわからず乗せようとしてくる白タクもいっぱいいます。。

ハロン湾のフェリー調達

ここからはフェリーに乗るまでの事の顛末を時系列に書いていきますが、長いので結論を先に書いておくと、船会社のスタッフが声をかけてくるので、その話を聞いて個人チャーターか定期便かを選んで乗ればOKです。

さて、Grabタクシーは駐車場の入り口に到着します。駐車料金だかで7000ドンと追加料金を言われ現金を手渡しましたが、駐車場の外で降ろされたので地味にボラれたのかもしれません。

車から降りると、さっそく声をかけてくるおじさんが現れます。観光地で向こうから声をかけてくるのは全部詐欺という鉄則を思い出しつつ、しつこく何か言いながらついてくるのをガン無視しながら観光バスが並ぶ奥のメインの建物へ。

建屋の中に入ると、おじさんから引き継いで次は何やら機材を抱えたスタッフ風のおばさんと、スーツ姿の怪しい第二のおじさんの二人組がフェリーがどうたらと言ってやってきます。追い払っても延々とついてくるのを無視しながら、ひとまず公式な券売所を探して施設内をぐるっと見て回りましたが、まったくどれが公式なのかが分かりません。。。

フェリーのチケットを売っているらしいさびれたカウンターが2つありましたが、自販機は壊れているし、スタッフもやる気なさげにカウンターに座っているけれども、英語の説明書きもほとんどないのでまるで情報が得られません。

国が管理しているという感じではなく、複数の会社がそれぞれに運営している様子なのを理解した上で、いつまでもしつこくついてくるおばさんに根負けしてひとまず話だけ聞いてみることに。

商魂逞しい業者の第二のおじさんから、上の写真中央部分のカウンターで説明を受けます。(写真ではおばさんが他の観光客に説明をしています)

船のルートは3時間コースと5時間コースの2パターンがあるとのことでした。洞窟といくつかの名所を見るルートで、違いは中に入れる洞窟の数の違いくらいでした。バナナボートとかBBQとか余計なアトラクションがついていないのは個人的には好印象です。洞窟にそんなに違いがあるようには思えなかったし、帰りが遅くなるのも嫌だったので3時間コースを選びます。

で、肝心のお値段は、ボートを貸切した場合は2,500,000ドン(16000円くらい)。一方、定時出発便を利用すると90,000ドンとのことでした。桁が違いますが、定期便は40人くらいの乗合いで、13時まで待たないと行けないけど、貸切にすれば10分で出発できるとのこと(当時、11時頃でした)。

あまりの値段の違いに一瞬悩みましたが、時間も節約できるし二万円弱で貸切ボートなら悪くないかと思い、貸切ボートを選びました。

支払いはクレジット利用の場合、2,730,000とかなり手数料を取られましたが、カウンターの隣にある貴金属店のクレジットマシーンで支払うことに。正直、その倍くらいの値段を提示されるかなと思っていたので案外安くすんだ気分でしたが、よく考えたら値段交渉の余地は全然あったとは思います。

ともあれ、支払い後、まだ内心では詐欺を疑いつつもおっさんの指示に従ってカフェのそばのベンチで待つことに。コーヒー飲む?としきりにカフェで待たせようとするおっさんはせわしなく電話しながらどこかに消える。おい、大丈夫か。。。

待つこと15分超。(もちろん期待はしてませんが、約束の10分はとっくに過ぎています)

唐突にまた別のおばさんが登場して、チケットを渡されて船乗り場へ。全く英語は通じないので閉口しましたが、チケットは本物っぽかったのでついていきます。上の写真のゲートでチケットを見せて乗船エリアに入ります。事前にネットで調べた口コミではプラスチック類の持ち込み禁止で荷物チェックがあると聞いていましたが、何のチェックもありませんでした。

やたらと商店が並ぶ船乗り場の奥に進むと、今度はまた別の女性にバトンタッチしてまた待たされることになります。当然、英語は通じないのですが、とにかくここで座っていれば良いと身振り手振りで説明?されて、さらに待たされること20分くらい。

あー、これチャーターと言っておいて他の客と乗合にさせられるパターンだなと思っていたら、ようやく目の前にチケットに印字された番号の船がやってくるのが見えました。とりあえず船に乗ることはできそうで、その点はやっと安心できました。

船が岸につながれると、また今度は別の女性から乗船を促されます。どれだけ無駄にスタッフがいるんだと、途上国あるあるが半ば面白くなってきながら、とりあえず乗船して待つことに。

誰もいない船で待つことさらに10分ほど。すでに1時間近くたってるのでさすがに腹が立ってきましたが、何の説明もないままに船で待たされていると、またまた別の女性が登場。。

いつ出発するの?と当然英語は通じないのでGoogle翻訳でやりとりすると、5分後とのこと。まあ、絶対うそだと思いながらも、行くことはできそうだと思っていたら、ようやく本当に5分後に二人の操船スタッフとガイドらしき先ほどの最後のおばさんが乗り込んでついに出発。

という感じでした。まあ、つまりとりあえず商魂逞しいスタッフと交渉すれば船に乗れます。おっさんが電話していたのはおそらく船を手配していたのでしょう。

ツアーはどれも昼には出発するような設定だったので、現地到着が遅くなると乗船できない可能性もあるかなと思っていましたが、帰港後も多数の船が常時行き来していたので、おそらくよほど遅い時間でなければ、現地調達は問題なくできそうです。

ちなみに、ハイフォンのシェラトンでツアーを聞いたところ、リムジン送迎、食事、アクティビティ付きで2,900,000ドンの提示料金だったので、料金的には完敗でしたね。そもそもハノイ発で数千円のツアーがいくらでも見つかりますから、わざわざ無理してハイフォンまで行く必要もありません。ということで、現地調達はおすすめできないというのが結論でした。

では、ここからフェリーの乗船レポートを書いていきます。

ハロン湾の遊覧船ルートと見どころ

ハロン湾は、前述のとおりいくつか周遊のルートがあり、ツアーを選択すれば、日帰りの数時間のコースから、大規模な客船で数泊するものまでいろいろ選択肢があるようです。ただ、景色は移り変わっていくものの、基本的に島嶼が浮かぶ中を進むばかりのルートなので、数日過ごすとなると絶対飽きるだろうというのが所感ですね。

ハロン湾観光の見どころ

波のない海

前評判通り、静かで波の少ない海でした。海の印象はベネチアの海に近い色味でしたが、船が思い思いに行き交うベネチアと比べると波の静かさが際立ちます。無数に進む船はどれも同じようなルートを進んでいくのに加えて、フェリー乗り場のあたりでは工業地区も遠景に見えたりするので、どこかテーマパークのアトラクションっぽさも感じました。

この地域の12月の気候は最高気温が20度を切るくらいで、想定していたよりもずっと寒かったです。特に小雨が降りそうな曇り空だったので、薄い上着を羽織っていても船外にずっといるのは結構厳しい感じでした。船上で過ごすならやはりハイシーズンの夏場がよいのかもしれません。

どんどん移り変わっていく島々の景色もいいですが、行き交ういろんな船を見比べるのも楽しいです。まあ、一人でチャーターしてる船は他になさそうでしたね。

ティエンクン鍾乳洞

静かな海原を進み、すぐに複数の船が停泊している島に到着します。写真に写るのは帰りの客待ちの船ですが、ルートの入り口はこの写真の右手の方にあり、そこで船を下ろされて鍾乳洞の洞窟を巡ります。

40分のルートだと説明されましたが、休憩しながら歩いてもそんなにかからないと思うので、のんびり進めばいいと思います。結構上り下りが激しいので、夏場は結構きついかもしれません。その点では、冬場はちょうどよい気候でした。

少し階段を登った洞窟の案内のあたりにトイレなどもありました。こちらの鍾乳洞のティエンクン(天宮)というのは天国の山を意味するそうで、ハロン湾でもっとも有名なものだとのこと。

確かに見応えのある鍾乳洞です。全体にライトアップされていました。事前にネットで見た写真では色とりどりなライトで照らされていましたが、僕が言った時には全体に白いライトが灯っていました。洞窟内部を下って登る10分程度の道のりですが、場所によっていろんな表情を見せる岩の様子が案外面白いです。結構な広さがあるものの、大規模ツアーが重なると混みそうではありました。ツアーと時間をずらして入洞できる個人チャーターはこの絶景を独占できるというメリットはありそうです。

一方通行のルートの途中には売店がいくつかありました。

船の停泊所はめちゃくちゃわかりづらいのですが、この道の先です。時間的にもう一山あるのかなと思って危うく船のいない島の先の方に進んでしまうところでしたが、洞窟を出た後、道を下った先のお土産屋があるところから少しスタート側の海岸がゴール地点です。船を間違えないように番号はチェックしておきましょう。チケットにも船番号が書いていると思います。

有名な岩山

鍾乳洞の先を進んでまもなく、振り返ったところに見える、犬が座っているような形の岩。

その先、前方に徐々に迫ってくるのがベトナム紙幣にも印刷されている香炉島。船の行手を阻むように立ちそびえる印象的な岩です。この岩が見えてくるあたりの景色が一番見応えがあった印象なので、船の前方に陣取って眺めるのがいいと思います。

そしてハロン湾の目玉となる奇岩、闘鶏岩です。闘鶏と言われればそう見えなくもない双子の岩礁。

どの船も岩の前に少し停泊していくので、渋滞ができるのがなんともシュールな光景です。この停泊している船に向かって物売りの船が乗り付けて飲み物など売っている様子も伺えました。ただ、ぼったくり料金で有名なこの物売り船も、閑散期だからか、1、2艘見かけただけでした。

遊覧船の評価

3時間コースということでしたが、正味、鍾乳洞の探検を含む乗船時間は2時間ほどでした。(待ち時間含めると3時間でしたね。。)値段と労力に見合うかというと、正直、微妙でした。船の乗り心地は快適でしたし、景色の見応えもあるので家族や友人と船を貸切してわいわいしながら行ってみるのはありかもしれませんが、それでも他にもっといい選択肢はいくらでもありますね。

何より、周遊の後半で、船内でお土産を売りつけようとしてくるのに辟易しました。小雨がパラついてきたので外から船内に戻ると、座った席の前に次から次へとおもちゃとか装飾品とかのお土産品を並べてきます。

「わたしは給料をもらっていません。助けてください」とスマホの翻訳画面を見せてきたり、あの手この手でガラクタを売りつけようとしてきます。せっかく雄大な景色を満喫していたいのに、ひたすら邪魔をしてきます。にこにこしてあしらっていると永遠に構ってくるので、いい加減腹が立って強い口調で断ると、そこからは塩対応。。。外に出ると、そこには座るなとか言ってくる始末。(さっきまでずっとそこに座っていたんだが…)

と、結果、めちゃくちゃ最悪な気分で下船しました。

ハロン湾訪問に向けた滞在先選び

ハノイ市内に泊まりましょう。ホテルでピックアップしてくれるツアーを利用するのが良いと思います。片道3時間くらいの道のりですが、リムジンバスのツアーであれば、乗り心地は悪くないのでそれほど苦ではないだろうと思います。

もし、ハノイではなく現地で直接遊覧船に乗るなら、ハイフォンではなくフェリー乗り場付近のホテルに泊まるのもありかもしれません。

まとめ

結論、独行でのハロン湾観光は僕の基準ではおすすめできるものではありませんでした。

ベトナムでは、ハロン湾に限らずそこかしこでぼったくりに遭いましたし、空港のレストランですらお釣りをごまかしてくるスタッフがいました。交通事情もめちゃくちゃで、とりわけクラクションの運用は、めちゃくちゃな中国やインドネシアよりも更にひどくて、どこもかしこもクラクションが鳴っていない瞬間がないという状況がとかくストレスフルです。歩道のない道を大量の車やバイクが行き交う中横切るのも、慣れていないと結構勇気がいります(案外、すぐに慣れますが)。そしてハノイ市内は空気の悪さもあいまって、なんとも息苦しい日々でした。

ネクストチャイナの流れで発展著しい国なので、10年もすればまた全然違う姿になっているのだろうとは思いますが、まだまだ命の価値が低いと感じる世界線です。高級ホテルなどちゃんと教育が行き届いているところの居心地は決して悪くはなかったのですが、いかんせん観光する中では、そうではない場所を避けて動くことは難しいので、もっといろいろ行ってみたい気はしているものの、再訪するのはずっと先でいいかなとも思います。

その意味でも、ハロン湾をはじめ観光地巡りは、ホテルからツアーを利用して行くのがよさそうです。

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