発展著しいマレーシアの首都クアラルンプールには、世界トップクラスの超高層ビルが複数建っています。熱帯雨林が広がる中、高層ビルが林立する都市の姿は日本で見る景色とは少し趣が違います。訪れるたびにどんどん姿が変わっていく様子にはすごくエネルギーを感じます。
当記事では、そのクアラルンプールのランドマークとなる4大タワーとその周辺めぐりについて書いてみようと思います。
目次
4大ランドマーク
タワー名 | 高さ | 階数 | 開業 |
ペトロナスツインタワー | 452m | 88階 | 1998年 |
クアラルンプールタワー | 421m | 1996年 | |
エクスチェンジ106 | 454m | 95階 | 2019年 |
ムルデカ118 | 679m | 118階 | 2024年 |
なお、25年4月現在、展望台に登ることができるのはペトロナスツインタワーとクアラルンプールタワーの2本なのでご注意ください。
ペトロナスツインタワー |Petronas Twin Tower

言わずと知れたクアラルンプールを象徴するツインタワーです。高級ホテルやモール、水族館などが周辺を囲うKLCC公園の前にそびえたつ特徴的な外観の88階建ての超高層ビルです。公園内では噴水ショーが毎日行われ、日が沈みライトアップされた姿は幻想的です。クアラルンプール観光で誰もが訪れる場所の一つですね。
伊勢丹も入るスリアKLCCという超巨大モールに隣接しています。ツインタワーのベストショットポジションはKLCC水族館の入るコンベンションセンターの中央部から公園に出たあたりだと思います。噴水前あたりだと広角レンズでもタワーの全景を画角に入れるのはちょっと難しいですかね。

ツインタワーには時間予約で15分おきにグループに分かれて登ることができます。チケット売り場はタワーの地下の入り口付近にありますが、ネット予約もできます。タワーをつなぐ橋の部分での撮影タイム10分、その後、先端部の展望台というルートです。上層部には上の写真のようにジオラマやアトラクションなどがあります。
窓の外には他の3大タワーも見ることができる絶景を楽しめますが、スコールが通り過ぎるときには周辺が真っ白で何も見えなくなってしまうので、雨が降りがちな夕方は避けて朝のうちに訪問するのがおすすめですね。
クアラルンプールタワー(ムナラKL)

こちらもクアラルンプールを象徴するデザインのタワーですね。96年から建つもっとも古いこの超高層タワーの展望台にも登ることができます。
小高い丘の上に建っており、徒歩でアクセスする場合、ぐるっと迂回する坂道のスロープを歩くことになるためちょっと大変です。

後述するHop Onバスの乗り場は丘の上にあります。展望台はオープンエアーなのできれいに周辺の写真が撮れます。
エクスチェンジ106

こちらはオフィスビルなので中に入ることはできませんが、ペトロナスツインタワーを超える高さの超高層ビルは、ビルが林立する地域でもやはり頭一つ抜きんでています。

ビル自体には入ることはできませんが、巨大な高級モールが隣接して運営されています。飲食店も大量に入っているのでショッピング含めてそれなりに楽しめると思います。屋上庭園などもありました。
あえてここを目的に行くような場所ではない気もしますが、クアラルンプール最大の繁華街ブキッビンタン周辺から徒歩で15分程度の距離感なので、そのあたりで遊ぶついでに訪れてみるとよいかと思います。
ムルデカ118

ドバイのブルジュ・ハリファに次ぐ、世界2位、高さ678.9メートルの超高層タワーですが、25年4月現在ではまだその展望台はオープンしていません。25年中にオープン予定となっていますが、予定は何度も延期されているので期待せずに待ちましょう。
少し高台に建ち、周辺に高層建築がないため、クアラルンプールの市内各地からその外観を見ることができます。チャイナタウンの入り口あたりから見ると迫力満点の写真が撮れると思います。カットが入ったようなデザイン(ダイアグリッド構造のファセット・カット形状と言うそうです)なので、近くで見ると傾いているように見えるのも面白いと思います。
パークハイアットが高層階でまもなく開業予定ですね。
市内巡りの乗り降り自由バス(Hop On Hop Offバス)
クアラルンプールの市内移動は鉄道がそこそこ発展しているのと、Grabタクシーが安くて便利なので基本的にそれで充分だと思います。が、世界中の都市で運行しているHop On Hop Offバスがやはり運行しているので簡単にレビューしておきます。

クアラルンプールでは、4大ランドマークを含む市内中心部を回るルートと、やや外れた王宮やバードパークなどを巡るルートの2系統の運行があります。24時間、48時間などの時間制のチケットで決まった乗り場から自由に乗り降りすることができます。いずれのルートも1時間半~2時間程度の道のりです。クアラルンプール市内の観光名所は網羅しているので、手軽に巡るなら結構おすすめです。

2階建てのバスで2階にはオープンエアーの席もあります。陽射しが強いと結構暑いですが風があるので気持ちいいですね。観光地の説明はバスのスタッフが英語でアナウンスしていました。夜にはライトアップを巡るルートもありますが、夕方頃は雨が降る確率が高いのでなるべく午前中の10時、11時頃スタートの便でなるべく観光客が少ないタイミングに乗って回るのがよいと思います。
チケット売り場と2系統のスタートとゴールの乗り場はブキッビンタンのスンガイ・ワン・プラザというモールの前にあります。下記リンク先のKlookのチケットが現地で買うよりもお得なので、購入する前にチェックしてみてください。マレーシア国籍とそれ以外で値段が違うので間違えないようにご注意を。
Klook.comクアラルンプール市内の観光スポット
Hop On Hop Offバスの停留所があるタワー以外のスポットをさくっと紹介しておきます。バスを利用しなくても、メトロやモノレール、Grabなどでも手軽に行き来できるので気になるところに行ってみてください。
ムルデカ広場

マレーシアの独立時、イギリス国旗が降ろされてマレーシアの国旗が掲揚されたという独立を象徴する場所だそうですが、まあただのだだっ広い広場です。広場に隣接するスルタン・アブドゥル・サマドビル(上の写真)の外観が見事(ですが、25年4月時点では改修工事が行われていました)で、観光バスが止まっては記念写真を撮っていく人の姿をよく見ます。I Love KLのオブジェもこのそばにありますね。以前、広場に隣接していた美術館は廃館になったようで、24年の滞在時には取り壊されていました。
マスジッド・ネガラ

独特な外観のクアラルンプール駅そばにある巨大なモスク。18角形の青い傘型ドームは、マレーシアの13州とイスラム教の五行を象徴しているそうで、他のモスクとは違った独特なデザインです。入り口で靴を脱いで内部を見学することができます。清掃が行き届いた内部も美しいですが、ここの広場を挟んでKLタワーやムルデカ118などを望む景色も見ごたえがあります。礼拝時間は入れないので訪問時間は注意しましょう。
マスジッド・ジャメ

1909年に建てられた市内最古のモスク。いつもタイミングが合わず、中に入れたことはないのですが、クラン川の対岸からの外観が見事です。ムルデカ広場の散策と合わせて立ち寄るといいと思います。
チャイナタウン・鬼仔巷

雑多なショップが入るアーケード街と周辺にはローカルな飲食店がたくさん並びます。狭苦しいところにパチモンショップが並ぶ雰囲気は東南アジア特有の雰囲気。鬼仔巷周辺は壁の落書き、もといグラフィティアートがあちこちに描かれている観光スポットですね。この辺はカフェなどがたくさんあります。
リトル・インディア

KLセントラルの近くにあるインド人街。道脇にインド物産の出店が並び、インド音楽を爆音で流す店なんかもあって、独特な雰囲気です。通りを歩くとインド系の人の姿が目立ち、観光地というよりも普通に生活の場というか、ローカルマーケットという感じがします。
セントラル・マーケット

ちょっとレトロな建物の中のショッピングモールです。まあ、市内にはあちこちに巨大モールがあるのであえて行かなくてもいい気もしますが、チェーン店ばかりのモールと比べると、個人商店が並ぶ雰囲気は楽しげではあります。ムルデカ広場とチャイナタウンの中間あたりにあり、晴れていればその間を歩くついでに立ち寄ってもいいかもしれません。
マレーシア・国立博物館

マレー半島の考古学的な遺物や歴史の展示がある2階建ての博物館です。それほど広くありませんが、展示物は多いのでじっくり見ていくと結構楽しめました。メトロのMuzium Negara駅直結ですが、KLセントラル駅からも徒歩で濡れずにアクセス可能です。
マレーシア・イスラム美術館

イスラム美術や建築・装飾品や武具など多様な物品の展示があります。かなり広い美術館で見ごたえがありました。マスジッド・ネガラから徒歩圏内なので合わせて巡るといいと思います。
国立美術館


他の施設とは離れた市内北部にナショナルアートギャラリーがあります。内部のスロープ構造はバンコクのナショナルギャラリーと似た構造ですね。展示室がそこそこあり、ローカルアーティストの企画展などが行われています。このあたりから遠景で見えるペトロナスツインタワーや高層ビルの姿は結構いい景色でした。美術館前の道路上の歩道橋まで足を延ばしてみてください。
国立繊維博物館

ムルデカ広場のすぐそばにあるこぢんまりした博物館です。マレー様式の織物の歴史とか、デザイン様式の展示など2階建ての建物の中に展示されています。