ドバイと並ぶアラブ首長国の代表都市アブダビ。ドバイに負けじと観光立国を目指して凄まじい建築ラッシュが続いており、世界中の名だたる5つ星ホテルが進出しているのですが、どうやら供給過剰らしく驚くほどリーズナブルなお値段で滞在できてしまいます。
それほど大きくはないとはいえ、フェラーリワールドやワーナーブラザーズワールドなどのヤスアイランドエリアと、SEX AND THE CITIでも使われたエミレーツ・パレスのあるコーニッシュビーチエリア、2017年にできたばかりのルーブルアブダビや絶賛建築中のグッゲンハイムアブダビなどのサーディヤットエリアなど、見所はいくつかのエリアに分かれており、タクシー移動が基本になるので、それぞれの目的に合わせて近場のホテルを選ぶのが良さそうです。
アブダビ観光の中でも外せないのがシェイク・ザイードモスクでしょうか。イスラム教徒以外が入ることのできる最大のモスクということで、旅行ガイドなど探すとまずここに行き当たります。ということで、今回はそんなシェイク・ザイードモスクからタクシー最低料金(12 AED)で行けてしまうリッツ・カールトン アブダビです。前回のベルリンのリッツ・カールトンもリーズナブルでしたが、ここはさらに安く、1万円代から部屋がありました。
ホテルへはアブダビ空港からはおよそ60AEDほどでした。が、空港でタクシーを探していたら190と3倍の値段をふっかけてきた輩がいましたので気をつけましょう。空港外には正規の黒いタクシーが並んでおり、ちゃんとメーターも付いています。基本的に向こうから近づいてくる人を信用しませぬように。
あとガイドブックなどにはチップを渡さなきゃいけないように書いていますが嘘です。サービスに満足したか不要な小銭を処分したいならともかく、基本的にメーター通りの支払いで問題ないです。悪い運転手を増やさないように対価は正当に払うようにしましょう。
目次
ザ リッツ カールトン アブダビ
エグゼクティブスイートの部屋
部屋は本館から離れた先の独立したヴィラでした。バギーに乗せられてゴトゴトと。結構距離がありました。
玄関です。普通に家みたいですね。下駄箱もでかいです。
玄関を抜けるとリビングルーム。左手にダイニングキッチン。十分すぎる広さですね。レンジはありましたが調理器具は置いてなかったと思います。ガスコンロなどもないですし、まあここで料理を試みる人はいないでしょう。
ダイニングも2人なら十分なスペース。使いませんでしたけど。。
壁にかかっていた絵はベネチアのサンマルコ大聖堂でした。カナルサイドのビラはベネチアンビレッジと名付けられており、そのイメージとの統一感ですかね。
冷蔵庫は空っぽ。ドリンクなどはオーダーしてくれということでした。
インスタントエスプレッソマシーンはilly製でした。これ、時々見かけますが個人的にかなり好みです。ネスプレッソももちろん悪くないですが、こちらの方が味わい深い気がします。
リビングの別アングルから。右の廊下奥左側がベッドルームで、右がバスルームです。今となってはあのくらいのテレビは小さく見えますね。ホテルからの案内などもここに映し出されるようです。
こちらはベッドルーム。ベルリンのと比べるとこちらはそこまでふかふかではなかった気がします。他にもアブダビではいくつかのホテルに泊まりましたがどこもやや固めだった印象です。サンプルが少ないでなんとも言えないですが、ひょっとすると固めが好まれるお国柄なのかもしれません。
もちろん収納も広々です。
バスルームにはもちろんバスタブがあり、奥にはトイレとシャワールーム。水量も文句なしです。アメニティはザ・リッツ・カールトン御用達のAspreyです。
バスルームのトイレ。ビデ付き。広いです。
こちらは入り口横のトイレ。こちらは洗浄シャワー付き。
リビングの外には庭先ダイニングもあります。
日光浴も楽しめますが、こちらの部屋からの眺望はちょっとイマイチでした。南国ヴィラ風ですね。沖縄と言われても信じてしまいそう。
玄関を出たところ。1軒1軒の間にこのように芝生スペースがあり広々しています。砂漠広がる中東の国とは思えない雰囲気ですね。九官鳥らしき鳥が結構飛び回っています。
こちらのヴィラサイドの一番奥手にはこのようなプールがあります。本館側にも大きなプールがありますが、まあまあ距離があるので近場で歩いて行けるのはありがたい。
ホテルの敷地探索
さて、ヴィラから抜け出して本館に向かうとこの通りシェイク・ザイードモスクががっつり見えます。左手の門はリッツ・カールトンの入り口です。ものすごく近く見えますが歩くと20分くらいの距離感でした。遮るものが一切ないので日中のトライはオススメできません。安いので素直にタクシーを使いましょう。
この写真右手には軍事施設があり、撮影禁止と書かれていたのでご注意を。ちょっと見慣れないデザインなのでついカメラを向けてしまいそうですが怒られるかもしれません。
部屋からは歩くと10分ほどでしたでしょうか。ホテルのメインロビーです。この建屋にも部屋があり、さらに別サイドにもビレッジが広がっているということで相当な数の客室がありそうです。の割りにはフロントは結構空いていたのでやはり供給過剰というのは噂通りなのでしょう。
さて、フロントを抜けるとその先に大階段があります。階段を下りて左手には朝食ビュッフェ会場があります。下の扉の先、外に出ると大きなプール、そしてさらに先には運河に面した砂浜があります。
朝食ビュッフェはこちら。席は中か外か選べます。
味はともかく食事の種類は豊富でした。オムレツ焼き色濃い目です。まあ、卵を生食しない国だとしょうがないですが、やっぱりふわふわの方が良いです。
プールサイドからホテル本館を見た所ですが、見ての通り巨大です。
プールの一部には大きな日よけがかけられています。海外では珍しく監視員がいるので子連れでも安心ですね。
プライベートビーチがこの通り。海ではなく運河とのことですが。海水かどうかは確かめてないのでわかりません。多分しょっぱいと思いますが。。ホテルのヴィラエリアは、僕が泊まったモスクサイドだけでなく、こちらの運河サイドのベネチアンビレッジというエリアにもあります。
リッツからモスクへの徒歩ルート
さて、ここからはシェイク・ザイード・モスクの写真を並べ立てていこうと思います。ちなみにこちらのモスクの名前の由来であるシェイク・ザイードというのはアブダビの前首長であり建国の父、そしてUAEの前大統領でもある方で、この地域を一大石油開発都市圏に育て上げた立役者であると言われております。そのためか街中至る所にこの方の肖像写真を見かけますし、ザイードという名を冠した場所もあちこちにあります。
シェイク・ザイード・グランド・モスクもその一つ。と言いますかザイードさん自らが眠る場所でもあるようです。2007年に竣工ということでまだ真新しく歴史を感じるにはまだまだ早いという感じですが、それでも世界最大の絨毯に世界最大のスワロフスキのシャンデリアとおなじみアラブの世界一自慢が見られます。
せっかくなのでリッツからの徒歩ルートをご案内しておきましょう。ただ、上にも書きましたがタクシーで行くのがオススメです。1メーターで行けます。2、3分です。
中東の暑さをなめてはいけません。ガイドなど見ると徒歩15分なんて書いてありますが、車道を渡れる場所は見たところ一箇所しかなく(Googleマップでは分からない!)、さらに初めてだと入り口がどこか分からずきっと迷いますので、どうしても歩いて行きたいという奇特な方はこちらの記事をご参照ください。
こちらはリッツ・カールトンの正門です。これ、上の写真でもわかる通りホテル側から見るとモスクの門かなと思うくらいデザインが調和しております。こういうデザインのこだわりはいいですね。さて、この写真はホテル側に向いていますが、その左側の、写真ご法度の軍事施設の方に向かってください。つまり、「正門を抜けたら右手の道を進む」です。まっすぐ行ってしまうと車道に阻まれて途方に暮れることになります。
右の道を進めばわずか3分ほどでWahat Al Karamaという記念碑のある広場に着きますが、こちらは必ず訪れましょう。この記事のアイキャッチにも使っているこのような水面に映るモスクの真正面の写真が撮れます。モスクの敷地に入るともはや巨大すぎて超広角レンズでないと画角に収まりませんが、ここなら携帯でも大丈夫。多分、ここは夕暮れ時が最高だと思いますが、この時はちょうど正午ごろでした。方角的に、ラマダンとかとある季節にはあの中央を太陽が通るように計算されていたりするような気もしますね。
施設はこのような外観です。広い駐車場の奥にある唯一の建物なのできっと一目でわかるでしょう。ここからモスクまでシャトルバスも出ているようでした。
注意書きには色々禁止事項が書かれていますが、写真はOK。アラビア語バージョンの方が随分腐食しているので、多分英語版の方は割と最近追加されたのでしょう。
なお、広場内部はこのようになっています。モスクを映すためだけに薄く張っている水がよいと思います。ちょうど左の段差の矢印になっている先にモスクが見えます。奥の黒いやつがモニュメントですね。
さて、映え写真撮影会を堪能したら、モスクに向けて再出発です。この歩道橋がすぐ目に入るはずなので、しのごの言わずに渡りましょう。これ以外にルートはありません。結構長いです。
長い歩道を渡り終えると、真横がもうモスクの敷地です。ここまでくればあとは入り口に向かうだけ。万が一間違えても一周すればたどり着けます。相当歩くでしょうが。。。歩道を渡ったら、左です。
この超目立つ青色の道、陸上競技場のタータンのようでした。ゴム製で弾力あり、ジョギングロードですね。誰が走るのか知りませんが。。100mおきにこのように距離表示があるので、なんか頑張って進める気がします。
なお、歩道橋に一番近い表示が2400mで、入り口付近一番近くがこの2700mだったのでざっと歩道から入り口まで500m強ってとこですかね。もし2300mを見たら逆走しているので引き返してください。
こちらが入り口です。やはりリッツの門に近いものを感じますが、こっちの方が凝ってますね。なお、このままモスク本体に向かいたくなりますが、入り口は実はこの写真の左側に写っているガラスのサボテンみたいなところなのでご注意を。
モスク内探索
このサボテンドーム、2つあるんですが正門(?)から入って左手側が入り口です。人が出入りしている流れについて行けば大丈夫だと思いますが。タクシーを使えばここの前で下ろしてくれるので、人がいなくてもタクシーが止まっているのを目印に来れば間違えないでしょう。
ドームから地下に。ルーブルのピラミッド下を思い出しますね。それほど大きくはないですが。
さあ、いよいよと思いきや。実はまだまだモスク本体からは距離があります。この通りだだっぴろい商店街が続き、まんまとお土産を買わせようという商魂逞しいデザインです。よくできています。これを炎天下を凌げる地下に作っているところがいいですね。でも多くの店舗はComing Soonになっていました。
ガラガラ商店街を抜けると個人情報を入力させられてQRコードが発券されます。これがないと大シャンデリアとか見られないので失くさないようにしましょう。セキュリティチェックを受けましたが、拝観料的なものは取られなかったと思います。なお、大きな荷物はクロークに預けないと行けないのと、ドレスコードありますので、特に露出の多い女性は羽織ものを借りて入ることになります。
さて、ゲートを抜けてもまだまだ先は長い。5分くらい歩きますかね。まあ、歩く歩道がありますし冷房もかかっているので大変さはありませんが、やや高低差がありました。人を乗せてカートが定期的に走っているようでした。
再び地上に出るとモスクのすぐそばです。それにしてもデカいです。圧倒される。ただ、やはり最近できた施設なので、例えばイスタンブールのアヤソフィアやブルーモスクで感じられる歴史の重みみたいなものは感じられません。むしろ現代建築の一つという感じ。
本堂といえばいいんですかね。中のだだっ広い空間は一部写真撮影用に用意された場所を除いては立ち入り禁止のようです。こちら4万人収容できるという話だけあって、確かにとにかく広い。
綺麗すぎて逆に軽薄感が漂います。これ、昼も悪くないですが、夜のライトアップの方が綺麗だろうなと思いました。人がいないように見えますが、ルートが決まっていて、あちら側の回廊は人が通れなくなっていますが、こちらサイドは結構並びます。
世界最大のシャンデリアと世界最大の絨毯の間の前の部屋。ここのシャンデリアも十分大きいです。
そしてこれがお待ちかね。多分ツアーとかで中に入れるんですかね、少人数の集団が絨毯の間におりましたが、見比べるとこのシャンデリアのでかさが分かります。あの粒々一つが子供の頭くらいありそうです。
みんな夢中でした。
ライトアップのための設備もまたデカかった。夜にまた訪れてみたいかも。ただ、正直なところ、実際に訪れて見ると事前に期待していたほどの感動はなかったです。やはり歴史のある寺院や教会が纏っている言い知れぬ空気感(それはともすると風雨に晒されただけなのかもしれないですが)を全く感じられなかった。ただ目新しいテーマパークに来ただけのような。
UAEがこの先、狙い通り石油王国から観光立国に変貌をとげきるのか、はたまた一波乱あるのか。いずれにせよ、そんな歴史を経た先、数十年後に再訪してみたらまた違った見え方がするのかなと、そんなことを思いました。