3年ほど使っていたXPERIA XZ SO-01Jから最新のXPERIA 1 Ⅲ SO-51Bに機種変更しました。
XZは流行りの複眼ではなく単眼カメラでしたが、夜間はともかく昼の明るい場面ではメインカメラはブログサイズならなんとか使えるレベルの性能でこのブログ記事にも撮影した写真をしばしば使ってきていました。
とはいえ、その後iPhone 11 Proを買い足してからは、もっぱらiPhoneの写真をメインに使うようになっていたので、今後、iPhoneと新調したXPERIAをどう使い分けていくか検討するために少し撮影テストをしてきました。この記事ではその結果を載せておきます。(注 当ブログは旅ブログです)
また、メインで使っているフルサイズ一眼のCanon 6D Mark2の画像も合わせて載せていきますので、XPERIA 1 Ⅲの購入や、本格一眼、あるいはiPhoneなど購入検討されている方の参考になれば幸いです。
目次
背面カメラの性能比較
XPERIA XZ | XPERIA 1 Ⅲ | iPhone 11 Pro | |
カメラ有効画素数 | 2300万 | 1220万 | 1200万 |
f値(標準) | 2.0 | 1.7 | 1.8 |
f値(広角) | なし | 2.2 | 2.4 |
f値(望遠) | なし | 2.3 / 2.8 | 2.0 |
有効画素数は必ずしも大きい方が良いわけではなく、最近は画素数を絞ってその分ピクセルあたりの情報量を高める方向に進化していますね。
f値はレンズの明るさ。小さいほどよいという理解でOKです。やはり新しいXPERIAの方がよいレンズですが、望遠レンズが焦点距離を切り替える駆動式になった分、少し厳しいですね。これは夜間撮影時に如実に表れる気がします。
ちなみに僕が普段使いしている一眼の可変レンズのf値MAXは2.8です。このレンズは新品で20万円以上しますから、いかに携帯のレンズが優れているかが分かると思います。
メインカメラ(標準レンズ)の画像比較
ブログ用にそれぞれ同条件でサイズは小さくしていますが、レタッチなどはせず撮って出しの状態の写真で比較していきます。
まずXPERIA XZ、3年前の機種の写真から。曇り空ですが、太陽のいる部分が白トビしてしまっています。そしてその明るさとの対比で他の部分が全体的にぼんやりと暗くなってしまいました。目で見た印象よりもどんよりしているので少し明るくレタッチしたくなる画面です。
次にXPERIA 1 Ⅲの写真がこちら。先ほど白トビしてしまっていた部分をちゃんとカバーできています。先ほど暗く写ってしまっていた手前の建物もはっきりと明るく、若干紫がかって見えますが、目で見た印象にかなり近く写っています。また赤坂離宮の緑の解像度も高いですね。
そして、iPhone11の写真がこちら。解像度はXPERIAの写真と比べるとずいぶん青っぽい画面になってしまっていますね。彩度が高く写真の出来栄えとしては悪く無いのですが、目で見た印象と違ってしまうのは旅ブロガーとしては気になるところです。
山の合間の空色が黄色くなっているとおり、夕焼け空が目の印象よりもずっと彩度高く出力されるのもiPhoneの特徴ですね。そういうわけで、いつもこのブログでiPhoneの写真を使う時は彩度を落としたり色合いを調整しないといけないケースが多かったのですが、新しいXPERIAを使えば、その辺の手間が省けそうだなというのが学びです。買ってよかった◎
さらに各写真を拡大して見比べてみましょう。
ちなみに同じ条件でフルサイズ一眼のCanon 6D Mark2で高性能レンズ(EF24-70 f/2.8L Ⅱ USM。大三元と呼ばれる最高峰のレンズの一つ)を使ってフルオート(P)で撮影したのが上の写真(ちなみにレンズとカメラ合わせて購入時50万円位したものです)。いかがでしょうか、フルサイズ一眼でも、設定をコントロールしないで手持ち撮影だともはや携帯のカメラ性能が勝るとも劣らないところまで来ていることがわかると思います。
もちろん本気で絵作りするなら断然一眼レフなんですが、手軽にスナップということであれば携帯性も考慮するともはや携帯のカメラに分がありますね。ましてや入門機や安いレンズだとこれよりも格段に解像度は落ちるわけですから。
そりゃ、キャノンも業績不審に陥るよなって感じ。。。(応援してます)
最後に一応、一眼の写真も貼っておきます。絞り込むとやはり森の解像感なんかは携帯では出せないレベルの表現力があります。まあ、その分、空は白トビさせちゃっているので、この辺はどういう絵作りをしたいかということだと思いますが。
ちなみにXPERIA Ⅲは、お任せモードだけではなく、細かく設定を変えてさながらコンデジのように撮影することも可能なので頑張れば相当作り込むこともできそうではあります。
夜間撮影もかなり良くなってきましたが、やはり光量が少ないとまだ目で見た印象を捉えるレベルには達していないですね。それでも雰囲気は伝わりますし、手持ちでこれだけブレ無く撮影できるというのはすごいと思います。
メインカメラ(広角レンズ)の画像比較
次に広角レンズの比較です。ここからは単眼のXPERIA XZは登場しません。
まずXPERIAですが、広角でありながらも周辺部の変形も少なく、解像度も高くて非常によい仕上がりです。
iPhoneの方は超広角と謳うとおり、魚眼レンズ一歩手前の画角で、画面に収まる情報量が圧倒的に多いです。フルサイズで16mmくらいに匹敵するんじゃないかと。ただ、周辺部のゆがみとボケが気になるレベルなのが弱点です。このレンズ、ホテルの部屋の写真など撮る際にすごく重宝するのですが、一方でf値が大きいので光量が少ないと周辺部がかなり暗くボケてしまうのは悩みどころでした。
この出来上がりの差を見るとやはり広角域でもXPERIAの方が出番は増えそうですね。ただ、iPhoneのこの広角の広さは強力で、まだまだシーンによっては使い所が多くありそうです。
旅行先に超広角レンズを持っていくのは重いのでなるべく標準レンズ1本で済ませたいところなので、この領域の進化は今後も期待していきたいところです。
iPhone11 Pro XPERIA 1 Ⅲ
なお、まだ現時点では広角域は夜間撮影については実用レベルにはもう一歩です。ただ、こちらもやはり手持ちでほぼブレ無く撮れるという点は一眼レフにも勝りますね。椿山荘で蛍の光もiPhoneは捉えられていましたし。
メインカメラ(望遠レンズ)の画像比較
そして望遠レンズです。iPhone11 Proは2倍、XPERIA 1 Ⅲは同じレンズで2.9倍と4.4倍の可変です。
望遠レンズはf値も小さく、赤坂御苑も一眼に近づく解像度で出来上がります。周辺域のボケや歪みもなく常用として十分な品質。やはり色味は青方向に振れます。
こちらはiPhoneよりも拡大率が高く、空側がメインに写ってしまったのが主要因だと思いますが、しかしf値が若干iPhoneより大きいので森が暗くなってしまいました。とはいえ肉眼では標準レンズを純粋に拡大した具合で特に問題は感じません。
さらに可変の光学最大倍率にしてみたのがこちら。標準レンズのおよそ4.5倍と、肉眼で見るよりもずっと細かく見ることができます。国立競技場上に仕込まれた花火の着火装置らしきものや柱の構造も拡大すると確認することができます。やはり若干レンズは暗いですが、このレベルならブログ用の写真としては全く困りません。これがあれば一眼の望遠レンズを旅のバッグから省いても大丈夫と思えるので、かなり荷物の重量を減らせまそうです。
Galaxyの最新機種のカメラが1億画素で超拡大できるというので迷いましたが、実用的にはこれだけ拡大できれば十分です。結果、いい買い物をしたなと思いました。
夜間撮影に関しても、望遠側はこのくらいの光量があればなんとかモノになりますね。やはり一眼+三脚は欲しくなりますが、とはいえこれだけブレ無く撮れるのはやはり驚きです。
おまけ:オリンピック閉会式の花火写真
今回の記事で使った写真は僕もこれまで何度もお世話になっているザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町で撮影してきました。
何を隠そうこのホテルの西向きの部屋からは国立競技場が見えるので、オリンピック閉会式の花火を撮影することができました。というか、それ目的で行ってきました。もちろんこの写真は一眼レフで撮ったものですので悪しからず。
同じ場面をiPhoneのタイムラプスで撮っていた画像から切り抜いたのがこちらの2枚です。
花火が打ち上がった後、競技場上から硝煙が立ち上って消えていく様子は、フライパンの上で蒸し焼きした料理の蓋を開けたかのような印象でした。空に映る赤い点は上空から競技場を映すテレビのヘリの軌道ですね。7台くらいぐるぐると近づいたり遠ざかったりしながら飛び回っていました。
まとめ
以上、XPERIAとiPhoneおよびフルサイズ一眼の画像比較でした。年々携帯価格が高騰していく中、ついに15万円を超えるびっくり価格のXPERIA 1 Ⅲです。それだけに写真性能もそれなりを期待したいところでしたが、十分に期待値は満たしていたなと思いました。同額程度のデジタル一眼の入門機を購入するよりもずっといい写真が撮れるという結論になると思います。
一世代前のiPhoneも含め、このレベルなら日中の撮影やブログ記事に使うくらいの用途なら、携帯性も加味するとフルサイズ一眼+高級レンズをも凌駕しうるという恐ろしい性能ですね。。
ということで、当ブログの記事も今後、XPERIAの写真が多用されていくと思います。
ちなみにXPERIA1Ⅲは下記記事に書いた欠点がありますので購入前にご確認ください。