ワシントンにある米国議会図書館は世界最大の図書館として知られています。世界最初の活版印刷によるグーテンベルク聖書や見事なインテリアの内部などの見学ができるため世界中からの観光客の足が絶えません。
この夏に訪問してきましたが、意外とネット上にコロナ禍での運営状況などの情報が見つからなかったので、記事にしてみたいと思います。
目次
図書館へのアクセス
アメリカ合衆国議会議事堂の東側、ナショナルモールの外れに位置しています。この周辺には姉妹館のジョン・アダムス・ビルディングをはじめ多くの図書館が並びます。
ダウンタウン方面からは、ちょうどこの上の地図の赤印のあたりに到着するバスがいくつか出ていると思います。図書館の見学入り口は西側、国会議事堂に面した方面にあるので、バスを降りて裏側から歩く感じになります。
こちらが図書館の正面。
入館時の行列は結構長くなります。セキュリティチェックがあるので結構時間がかかります。西側の回廊の下に入り口があり、そこから北側に向けて並びます。時間予約制になっているので、後述する予約サイトで必ず事前予約しておきましょう。
サイトから入館時間予約
コロナ前は直接ライブラリー前に行けば順番待ちで入れたようですが、現在は時間指定の予約が必要になっています。上の写真は現地に置いてある予約サイトのQRコードです。これを読み込むか、下記の公式サイトから予約することができます。
同行人数と連絡先を入力すればOKです。入場料金などはもちろん不要なので偽サイトなどに引っかからないようにご注意ください。
予約が完了すると、このようなメッセージが表示されます。登録したメールアドレスにバーコード付きのメッセージが届くので、入館時にスマホ等で提示して読み取ってもらいます。
注意事項
入館時間の10分前を目処にネプチューン噴水の裏側の入り口に並びましょう。時間を過ぎてしまった場合も、後続時間に空きがあれば入館できるということですが、当日の予約は結構埋まっていますね。
入館時にはセキュリティチェックがあります。サイズ制限もあるのでなるべく荷物は少なくしていくことをおすすめします。刃物などは持ち込むことができません。
マスクについては着用をおすすめしますが義務ではないという記述があり、実際、着用率は街中よりもやや多めくらい(3割程度)でしたかね。
図書館内探訪
ネプチューン噴水
この噴水裏の入り口から入館します。噴水上の階段やまわりのカフェテーブルなどで観光客が時間待ちをしていると思います。雨宿りできそうな場所が少ないので、訪問時の晴天を祈りましょう。
グレートホール |Great Hall
地下の入り口から階段を上がるとこの見事な装飾のホールに出ます。
ここを中心に展示ルームや見学用の閲覧室などがあります。天井や壁面にはいろんな絵画が描かれており、階段装飾なども趣向がこらされているので楽しめます。
円形閲覧室 |The Circular Reading Room
グレートホールの3階から円形ホールを見下ろすことができます。ここもやはり見事な装飾です。半球上の天窓から光を取り込んでいるので明るくて気持ちの良い空間です。
グレートホールの1階奥を進むと閲覧室に入ることができますが、中央のエリアだけしか開放されておらず完全に観光客向けのスペースでした。書架や勉強机などには近づくことができないようになっており、遠くから眺める感じです。
トーマス・ジェファーソン図書館 |Thomas Jefferson’s Library
アメリカ独立宣言の起草者の一人、アメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソンの名が冠された図書ルーム。ジェファーソンによって売却された書物が保管されています。
1812年からの米英戦争によって焼かれてしまった議会図書館に、その蔵書を復旧するためにジェファーソンは1814年に6487冊もの個人蔵書を売却したそうです(のちにその2/3は消失)。ジェファーソンの蔵書の種類が多岐に渡っていたため、この売却については批判を呼んだそうですが、それに対してジェファーソンは「議会議員が言及する機会がないような題材は、実はないのだ。私は本なしには生きられない(“There is in fact no subject to which a member of Congress may not have occasion to refer. I cannot live without books”)」との言葉を残しています。
天井画を見てみると、COURAGE(勇気) VALOR(武勇) FORTITUDE(不屈)ACHIEVEMENT(功績)という4つのワードとそれを象徴するような女神の姿。
グーテンベルグ聖書 |The Gutenberg Bible
写真を撮る人の流れが途絶えないグレートホールの一角に厳重に配置された1冊の書物。
別名、「四十二行聖書」とも呼ばれる、1455年に活版印刷の発明者であるドイツのグーテンベルクらによって制作された活版印刷の聖書。48部現存すると言われ、大英図書館をはじめ世界の著名な図書館に収蔵されており、日本では慶應義塾大学が保持しています。
展示室
グレートホールに隣接する展示室ではいくつかの企画展やアメリカの考古物などの展示が見られました。
お土産ショップ|Library Store
グレートホールから地下に進むと、出口付近にお土産ショップがあります。結構広いショップなのでいろいろ見つかりそうです。
隣接する国会議事堂に行ってみよう
図書館からも大きく見える国会議事堂は敷地内を訪問できます。ジョギングしている人や芝生エリアで日向ぼっこする人も大勢います。指定時間より早めに着いたら散策してみるのもおすすめです。
ナショナルギャラリーあたりまでも歩ける距離なので、ついでに歩いてみてもよいかもしれません。
まとめ
ワシントン観光といえばナショナルモールの東にあるワシントン記念塔やホワイトハウス、スミソニアン博物群巡りがメインになりそうですが、もう一歩足を伸ばしてこの米国議会図書館を見るのもおすすめです。歴史ある建築物の中でアメリカ史を感じてみてはいかがでしょうか。