四季折々で異なる美景を楽しめる嵐山に昨年新たなホテルが登場しました。アラン・デュカス氏がプロデュースするレストランが併設された、部屋数わずか21室のスモールラグジュアリーなMUNI KYOTOにこの春、桜の満開時期に行ってきましたのでその宿泊記です。
目次
ホテルへのアクセス
ラグジュアリーコレクションの翠嵐の少し手前、桂川沿いに渡月橋からほんの1、2分の距離です。電車でアクセスするなら、嵐電の嵐山駅もしくは阪急の嵐山駅が最寄りになります。
渡月橋沿いに進んで、いつも行列のできている人気の珈琲店アラビカ京都嵐山があるこちらの写真の丁字路を右に曲がってください。
ここがホテルかと思いきや焼き菓子店とレストランのエントランスなのでもうちょっと進みましょう。(チェックイン後はここから出入りするのが便利です)
ちょっとわかりづらいのですが、桜の木の右下の入り口がホテルのエントランスですので、自信をもって中に入ってください。
ホテルに入ると、フロントの横手にかなり広い枯山水の内庭があります。部屋に行く際に渡り廊下から見えるだけの空間にこれは贅沢です。
しかもこのように渡り廊下には目隠しがあるのでここ移動しているときにはろくに見えないという。。
ともあれチェックインは部屋でということで早速部屋まで案内されます。
リバービューデラックスダブルの部屋
桂川に面した部屋が並びます。2階建の低層建築で今回は2階のお部屋。
ダブルと言いつつ、完全にキングサイズのベッドです。ベッドを挟んでのビューバスタイプで、小さなデスクも備わります。ほんのり木のいい香りが漂います。
テレビは流行りの動かせるタイプではなく、これまた流行りの壁固定式なので、奥のリビングスペースからだとちょっと見づらいですが、このホテルに泊まるからにはむしろ外を向いてリバービューを楽しみましょうということでしょう。そしてうまく写真が撮れなかったんですが、部屋の天井がかなり高いです。傾斜しているのがわかると思いますが、この効果で部屋がめちゃくちゃ広く感じます(そもそもかなり広い部屋ですが)。
長いテーブルの奥、この位置にコンセントを用意されているのもいいですね。夏場などテラスで過ごしたいので、携帯の充電などにも便利です。そして足元の柵状のところ、ここから空調が出ていました。窓はかなり防音性能が高くて、テラスの下は敷地内に水滝が流れていて結構音がするんですが、窓を閉めるとまったく外音が聞こえなくなりました。
ブラインドを閉めると無機的な雰囲気ですが、遮光性高いのでよいと思います。
テレビ台の中にレターセット。絵葉書は目の前の福田美術館の展示作品の絵でした。
デスク上にはガラスランプの音響。部屋が広いのですごくいい音が響きます。部屋の防音性能高いのでそこそこ音量上げても大丈夫だと思います(とはいえ夜中は控えめに)。右下のタブレットでは、加湿器などホテルが貸し出しできる各種グッズをオーダーできるようになっています。このクラスのホテルであれば常識的なものは大概お願いすると用意してもらえますが、とはいえ何が借りられるのかわかるのは便利ですね。
そして左のランプが曲者で、これランプ上の光ってるところがセンサーになっていて、このあたりに触れて点けたり消したりできるんですが、深夜に虫がここに当たってランプを点けるというファインプレーをやらかしてくれたおかげでとんでもない時間に目が覚めました。。。この光が原因だとすぐにわかったので消そうと思いきや電源のコンセントが隠れていて抜けず。。であればと光ってる部分をタオルとかで隠そうとするとセンサーが反応して光り、さらにケーブルが抜けないので移動させて隠すこともできないと… 結果、夜中に虫を退治するまで寝られないという散々な夜を過ごすことになりました。。立地的に虫が入ってくるのは避けられないと思うので、このランプは見直したほうがいいんじゃないかなーと思います。
部屋からの唯一無二の眺望
部屋からの景色はホテルの名の通り唯一無二の景観です。部屋から嵐山の代名詞、渡月橋と満開の桜が見えました。この景色を独り占めできる贅沢がたまりません。後述するLA TERRASSEのテラスと建屋も視界に入ります。
無償のドリンク類充実のミニバー
大きなレール式の扉の中にクローゼットとミニバーエリアが並びます。右下の扉が冷蔵庫で、左側にはカトラリー類が入っています。
ノンアルコールのドリンクはフリーで飲み放題ということでしたので冷蔵庫から全種類出してみました。それぞれ2本ずつ入っており、とても1泊では飲みきれない。もちろん無償のお水も棚上に並んでおります。
冷蔵庫は最近高級ホテルでよく見る引き出しタイプです。ブロガー的には写真を撮ったときに銘柄がわかりにくいので扉タイプの方がよいのですが、取り出しやすさや補充のしやすさという点ではこちらに分があるので主流になっていくでしょうね。
ウェルカムスイーツはマフィンなど。きっとホテルに併設されているフランス焼き菓子の専門店LA BOUTIQUEのものでしょうか。とても美味しかったです。
コーヒーはこだわりのオリジナル「MUNI KYOTO BLEND」。こちらはコーヒーハンター・ミカフェートさんによるブレンドコーヒーで、酸味が強めにもかかわらずしっかりと濃さがある芳醇な味わいでこれはインスタントにしては相当に美味しいです。ネスプレッソがなかったんでアラビカ(冒頭のコーヒー屋さん)に並んで調達するかと思いましたが、いやいやこれで大満足でした。
日本茶はこちらのオリジナル宇治茶です。煎茶とほうじ茶に加えて玄米茶があるのはちょっと珍しい。
さらに高級ホテルど定番のTWGの紅茶も3種揃います。どんだけ飲ませる気だ。笑
左上段の引き戸を開けるとワインとワイングラス。コーヒーカップなどが並びますが、この扉、中に入子状の扉が隠れています。
その中の引き戸を開くとこんな感じ。不便といえば不便ですが、こういう遊び心のあるデザインは好きです。
クローゼット
部屋の入り口横に広いスーツケース置き場があります。まあ、このレイアウトはよく見るパターンですが入ってすぐに荷物が置けるのは便利です。
さらにそのお隣、先程のミニバーとの間にあるのがクローゼット。この扉の開閉が特殊なからくりで、扉を開くとミニバー側の扉の上に収納されます。扉が二重になっているのがわかりますかね?これ、ミニバー側を開くときには、クローゼットの扉を閉めてさらにその上にミニバー側の扉を被せる形になります。先程の入子の引き戸と同じく両方同時に開けられないという不便さがありますが、他では見ないからくりで開け閉めするのがなんだか楽しいです。
シューシャインの布がプラスチックケース入りなのは初めて見ました。時代に逆行してますね。まあ、未使用だと一目でわかるのはいいことですが、そこはコストカットしてもよいところでは?
靴磨きのサービスもありましたが、この観光地ではあまり使う方はいなさそうですね。
パジャマやタオル類はなんというか表現が難しいのですが、ほんのり理科室の匂いのような香りがただよいます。いや、それがかなりいい匂いなんですよ。
バスルーム
もちろんダブルシンクです。右手のスモークガラスの中がトイレで左手が風呂場。
バスアメニティはホテルオリジナルブランドのもの。これも匂いの表現が難しいのですが、なんか子供の頃に好きだった飴菓子っぽいなと感じたのと、入浴剤のバブとかにありそうな感じなんだけど、そこに高級感をまぶしたような匂いだなと思いました。はい、いつもながら表現が拙くてスミマセン。。
シャワールームに置いてある方は色が違っていました。
コロナグッズは定番の消臭スプレーとマスクですね。下の箱はアメニティセット。これが2セットシンクの両脇に置かれています。殊勝にも珍しく個包装を開いた写真を撮ってみたんですが、ボケボケなのはご愛嬌。笑 ドライヤーはダイソンでした。
バスルームはこちらのブラインドで隠れます。微妙に隠れていないのはブラインドの角度調整ミスです。
トイレはもちろんTOTOのウォシュレット。やはり自動開閉タイプです。トイレットペーパーより遠い位置に携帯などのモノ置きがあるのはよい設計だと思います。よくトイレットペーパー台の上に薄い板があるホテルがありますが、たぶん足の弱い方が手をついて割ってしまうリスクがあるので。その意味では、写真左側のコンクリの部分が手をかけられるようになっているのも計算されているのかな(たぶん違う)。手すりをつければいいんでしょうけど、あれがあると一気に安っぽい感じになるので、このクラスのホテルではそういうさりげない設計がすごく大事だと思うのです。
地下のフィットネス
地下に小さなジムエリアがあり24時間使えます。
カクテルタイム
夕方の17時から19時まで、朝食会場でもあるMUNI LA TERRASSEでフリードリンクがいただけるということでしたので行ってきました。この時間帯は宿泊客専用になりますので、タイミングがよければこの通りぜいたくに独り占めできます。
室内は桂川に面した長いカウンター席が特徴的な空間ですが、レストランの名前の通りテラス席もあります。ぼちぼちテラス席が気持ちいい季節になりますね。こちらの写真の通り、渡月橋も見えます。夕日が沈んだ後のマジックアワーの時間、ここで過ごすのはかなりおすすめです。
アルコールは、モエ・シャンドンのロゼやこちらの写真の宇治茶が入った白ワインが用意されていました。青汁のようなちょっと毒々しい色味ですが、かなり甘い味に調整されていて結構おいしかったです。
酒のあてにナッツやフィナンシェと甘くないシュー生地の焼き菓子。こちらも美味でした。
このホテルには、このレストランに加えて、アラン・デュカスの名を冠したMUNI ALAIN DUCASSEというコンテンポラリーフレンチのレストランもあります。伝説の3つ星シェフのプロデュースするレストランだけあってお値段もそれなりですが、公式サイトを見るとちょっと特別な時に使ってみたい雰囲気です。
MUNI LA TERRASSEの朝食
まずはフルーツジュースを選びます。いずれもカラフルなオリジナルドリンクで目移りします。
そしてコーヒーor紅茶。器が高級フレンチらしいちょっと可愛らしくも洗練されたデザインです。ところでジュースの量、ちょっと少なくないですかね。笑
前菜のサラダとフルーツ。やはり少なめのポーションで出てきます。朝日を浴びる渡月橋の姿が神々しいです。外には開店前からアラビカさんに並ぶ観光客がちらほら見えます。
パンのセットはアフタヌーンティーを彷彿させるゴージャスな姿でお披露目です。
エッグベネディクトはサーモンタイプ。そしてオランデーズソースは卵にはまずされていますがさらに自分でかけるスタイルです。パンもホットケーキ状で普通に想像するものとはずいぶん変わった姿ですね。
あ、朝食は前日にお時間を予約する必要があったと思います。
福田美術館の無料チケットがもらえます
ホテルの正面にある福田美術館のチケットがもらえるのでぜひ訪問してみてください。このタイミングでは竹内栖鳳(1864-1942)の展示中でした。4/11までですね。非常に洗練された無駄のない筆遣いの日本画でなかなかよかったです。館内は一部作品が写真NGなのでご注意。
まとめ
行くたびにまた何度でも訪れたくなる京都の嵐山ですが、ここは翠嵐を超える最強立地のホテルでした。お値段も同等なので今後どちらを選ぶか悩むところです。ここからは渡月橋はもちろん世界遺産の天龍寺、竹林の小径、トロッコ列車など見所満載なので1泊では物足りないと思いますので泊まり分けるのもよいですね。
滞在体験も非常に満足のいくものでしたので(夜中の虫によるライト点灯事件さえなければですが)、またここは季節を変えて訪れてみたいなと思います。