ベネチアの絶対的ホテル、ダニエリのスイートルームステイ

ベネチアのホテルと言えば、まずここの名前が上がるであろうダニエリです。自らも世界で最も有名なホテルの一つと豪語するこのホテルですから、僕ごときが何を今更という感じですが、やはりその名に相応しい美しい写真がいくつか撮れたので載せておこうと思います。

一応、場所を載せておきますが、ベネチア観光であれば誰もが必ず通る「ため息橋」のドゥカーレ宮と反対側、3つ連なった建物がそれです。すなわちベネチア観光において、立地的にこれ以上ない場所(ただし最も混雑するエリアの一つなので常に騒がしい)にあると言っても過言ではないでしょう。地図を見れば分かる通り、サン・ザッカリア駅のすぐ目の前がホテルですので移動にも便利です。

さて、どんどん写真を載せていきたいですが、まず、やはり何を差し置いても圧巻のこのロビーです。イタリアの歴史小説の大家である塩野七生曰く「一階は、柱廊が巡っており、その柱廊の奥に、客用の広間とか主人家族の為の居室や食堂などが、ぐるりとめぐっている。その上の階は家族の寝室だ。(中略)これが、大商人の住居の一般的な構造であった。この例を、現在、好きな時に見学時間も気にしないで見られる場所は、ヴェネツィア最高のホテル、ダニエリである。(『海の都の物語』より)」と。

流石に誰でも自由に見学することはできませんが(実際、ポーターさんに止められる観光客を見ました)、塩野さんの言葉通り、宿泊客であれば、おそらく大商人の中でもひときわ豪奢な部類に入るであろうこのヴェネツィアの元首を4人輩出した名門ダンドロ家(中でもエンリコ・ダンドロは第4次十字軍でコンスタンチノープルを破り、サンマルコ寺院に飾られる4頭の騎馬を持ち帰ったという実力者)のかつての居所を床を軋ませながらのんびりそぞろ歩きつつ堪能することができます。

ということで、館内の写真を貼っていきます。まずはロビー上の階段を上がった上から。ヨーロッパでよく見る天井から光を取り込むやつですね。この中庭をぐるりと回って部屋が配置されています。

特別なスイートがいくつかありますが、その前は広々とした応接の間が広がっています。ここで歴史を動かす会話がなされていたのかもしれません。

同上。

階段の踊り場だって並ではありません。窓のステンドグラスのデザインがまた美しい。

グランドフロア(日本で言う1階)に戻り、こちらは柱廊のロビー奥の様子。夜には生演奏が流れ、外の喧騒とは別世界のようなくつろぎの空間になります。

ひときわ目を引くいくつも並ぶベネチアングラスのシャンデリア。真下から撮ってみました。

別アングルからの昼の写真。昼間は外からの光が射し込みます。

さて、アサインされたのは別棟だったので、長い廊下を渡っていきますが、あちこちの壁に往年のベネチアの風景画が飾られています。ダニエリに限らず、ベネチアのホテルはどこに行っても昔のベネチアの絵が飾られていますね。なんなら他の国のホテルでも。笑

それだけ絵になる風景ということですね。しかしベネチアにいてそれらの風景画を見て、今の様子とそれほど変わらない様子に自分も歴史の中の一部という感覚を覚えます。

建物の間には運河を挟んだこんなガラスばりの通路が。ここはサンマルコ広場側から来てため息橋の次の橋で、かつ、この真下が映画で有名なダニエリの船着き場なので、世界中の観光客から写真撮られまくりまくります。きっとベネチアに来たことがあるあなたもこの廊下の写真を外から撮っていることでしょう。

で、窓から見下ろした船着き場がこちら。ここはゴンドラのルートでもあります。

廊下の先にはこういった広間がいくつもあります。本館と比べると比較的新しいですが、それでもそれなりの年季を感じます。

スイートルーム 244号室

さて、今回アサインされたのは別館の端にあるスイートルーム。サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂が正面に見えるポジションです。なお、ここは2階(日本の3階)でしたが、例によって数字の3桁目が階層を示している訳ではありませんので日本のホテルに慣れているとちょっと混乱するかもしれません。

部屋の場所は、この正面白い建物の右端上から3つ目のベランダ付きの窓のところです。ホテル入り口は左手のオレンジの建物。

部屋に入るとすぐに化粧代が置かれた広々した空間があり、リビング、ベッドルーム、バスルームを区分けしております。黒いのがかかっている扉が玄関です。

で、その黒いやつがお邪魔しないでタグ(だと思う)で、取っ手ではなく、部屋の外側にも同じようにかけるところがあって、そこに掛けます。他の部屋もかかっているのを見たので多分あってるはず。きっとベネチアンレザーなのでこんななりをして高級なんだと思います。

踊り場を抜けてリビングに入るとこのような貴族趣味の空間です。個人的にはホテルの居室は新しければ新しいほど良いと思っているので、こういった部屋はあんまり好みではないのですが、壁のテキスタイルといい、ゴージャスな調度品といい女性が大好物なタイプですね。見ての通り2面に3つ窓がありますが、あまり開放感はない感じです。

別アングルから。クッションがないのが残念でした。この部屋にいると基本的に背筋を伸ばして座っていないといけない。まあ、むしろこれらの調度品の設計はそういう引き締まった生活を強いる役割もあるのでしょう。疲れますが、ずっとここにいるとなんだか背筋が伸びた貴族気分になってきます。

ちなみに貴族という言葉の響きは僕たちの常識ではちょっとお高くとまった嫌なやつというイメージがつきまといますが、ベネチアの貴族の子弟というのは皆商人でもあり船乗りでもあり、しかも厳格に運営された共和国家の政治の責任者ということでむしろそんなイメージとは程遠い人種だったようです。

正面にはサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂が見えます。シックな部屋から窓を開けてベランダに出ると、止まることのない観光客の波でまるで違う世界かのようです。

テラス右手を見ると本館、そしてサンマルコ広場に繋がる運河沿いの道が見渡せます。時間帯によってはこの数倍の人出になります。

夜景も素晴らしい。真夜中にはリド島で花火があがっていました。昼間はせわしなく入れ替わるゴンドラたちも夜は停泊されてただただ波に揺られます。夜中までやっているサンマルコ広場のカフェの生演奏を聴きながらぼんやりするのもいいですが、この夜景もなかなか捨てがたい。常に船が行き交うのでいつまででも見ていられます。

テレビの横の棚の中に冷蔵庫が入っています。ビールがモレッティとかではなくハイネケンなんですね。

ウェルカムドリンクの赤ワインとクッキーが用意されていました。

ベッドルームはこのような感じです。部屋の見取り図を見ると他のワンルームの部屋がちょうどこの部屋と同じサイズ感に見えますが、基本的に観光に繰り出すと思うのでこのくらいでも十分な広さですね。スーツケースを広げる余裕があります。

押入れはこんな感じでやや小さめ。

枕はふかふかで、シーツも素晴らしく滑らかでした。その辺はさすがのクオリティです。窓の外に道があり、昼間に売店を出していた人たちが夕方には荷物を転がして帰っていくので、ゴロゴロする音が聞こえます。そして夜中まで観光客はいるので結構騒がしい。まあ、この立地で古い建物に泊まるのであれば音を気にしてもしょうがないでしょう。むしろガヤガヤもよしと外の喧騒も楽しむ余裕が必要です。

ベッドサイドに電源も。無駄にでかかった。逆サイドにもワイヤレスの電話が置いてありました。

部屋のエアコンの設定機器もアナログ。えらく低い設定温度ですが、設定通りの室温にはなりませぬのであしからず。

バスルームは広々。とても清潔に掃除されており言うことなしですが、いかんせん古さは否めないかな。バスタオルはかなりふかふかでした。この写真の左側、鏡の正面にシャワールームもあります。

シャンプーなどはオリジナルパッケージ。なお、ここはイタリアですからホテルに歯ブラシはございませんので持参しましょう。

広い空間にポツンと便器があります。

便器前にちょこんと色々まとめられていました。

屋上テラスで朝食を

朝食は僕が泊まった建屋とは反対の、サンマルコ広場側の建物の屋上にあります。この写真のようなゴージャスな雰囲気の屋内を抜けて、テラスでの朝食です。

こちらはテラスの端からサンマルコ広場側を撮った写真です。写真中央あたりの赤茶けた屋根に囲われた陽の射す白壁の区画分かりますかね?ここはため息橋の後ろ、ドゥカーレ宮の見学に行くと入ることのできる牢屋がある場所なんですが、家宅から牢屋が見えてしまうというこの立地はなかなかです。過去様々な画家が描い的た煌びやかなベネチアの象徴的な建物の裏に広がるこの赤煉瓦のボロ屋群を見て、朝から感じるものがありました。

こちらは逆にドゥカーレ宮殿からダニエリのテラスを望む眺望です。元首官邸とその元首の家を結ぶ間に牢屋があるという。ここには政治犯を収容したという話ですから、何とも人間的な悪意を感じてしまいます。

そしてその区画の中がこちら。なんとも重々しい雰囲気です。すぐ外には豪奢な環境があるというのに。ここに来る際に渡る橋がため息橋であれば、ここに並ぶ窓は何と名付ければよいのでしょうか。落胆、憤怒、屈辱、、様々な負の感情が溢れ出てくるようです。なお、ここはドゥカーレ宮殿の見学で訪問することができますのでぜひ行ってみてください。ため息橋も渡ることができます。

さて、話を戻して。ベネチアの数あるホテルの中でも最もベネチアの空気を感じられる朝のテラスでの食事です。これを体験するためにこのホテルを指名する方もおられるでしょう。

おそらくツアーに組み込まれているのでしょうが、早めの時間に行くとあちらこちらから日本語が飛び交って朝から興醒めだったので、翌日は遅めの時間に行ってみると今度は外人さんたちで混雑するという。なかなかタイミングが難しい。結局、運河沿いの席は滞在中一度も座れませんでした。まあ、いいですけど。席が空くまで屋内の席でしばし待つという手ももちろんありますのでこだわる方はウェイターさんたちに相談しましょう。高級ホテルでは遠慮は無用です。あ、ただし夏場の陽射しは朝から結構強いので日向席はあまりオススメできません。

料理の質はというと、それほど種類があるわけでもなく、かといって物足りないかというとそう言う訳でもないのですが、このクラスのホテルとしてはややクオリティは低めかなと。

日本でイタリアンドレッシングというと、市販のオイリーなものをイメージしてしまいますが、本場イタリアでは、この写真の右上に並ぶオリーブオイルや各種調味料を自分で好きなように調合して楽しみます。

朝、夕に何隻も客船が通りますが、この日は9時頃のタイミングの船に出会いました。みんなデッキから見てますね。この客船たちを見るたびにいつかあれに乗ってみたいと思います。

テラスレストランへの途上、この写真の左手にビストロダニエリという名のレストランがあり、高評価なので行ってみたかったのですが、予約の電話をかけてもつながらず、コンシェルジュに聞いたら残念ながらお休み期間とのことでした。また次の機会にチャレンジしてみようと思います。

そして、見ての通りここにATMがありますので、もし現金が足りなくなった時はこちらで下せますのでご安心ください。

以上、ベネチアのホテルダニエリでした。もちろん現代の最新ホテルと比べるとどうしても足りない部分が目につきますが、それでもベネチアを代表するホテルだけあって十分満足できるクオリティです。何より、ベネチア本島において、どこに行くにも最強立地なので、今後もこのホテルにはお世話になることだろうと思います。