ベネチアの高級ホテルの選び方【5つ星ホテル完全網羅】

※23年12月追記 コロナ禍中に書いた当記事ですが、コロナ明けで大幅にベネチアのホテル事情は変化しています。リノベーションや新規開業が進んだため、現在閉業中のホテルや、ここに記載のない新鋭ホテルも多数ありますのでご注意ください。

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コロナ禍でなければ、今頃はベネチアビエンナーレ訪問のためにホテル選びを楽しんでいる頃なんですが、ビエンナーレが1年先送りになってしまい、ベネチア滞在も1年先延ばしです。そもそも海外渡航もかれこれ1年半できていませんが、しかし、ようやくヨーロッパ方面もワクチン接種が進み、日本はじめ域外からの観光客受け入れの準備も進んでいるようです。

この1年は海外の記事へのアクセスが壊滅的に減っていましたが、ここ最近はベネチアなどの主要記事へもアクセスが戻ってきているようで、旅行好きのみなさんもうずうずしだしてるのだなと感じます。ということで、今回は久々に日本から離れてベネチアの記事です。

ちなみに僕はライフワークの一環で2013年から2年に一度のペースでベネチアを訪問しています。何度行っても飽きない魅力があるベネチアですが、この1000年の古都にはその歴史的建造物を活用した魅力的なホテルが数多くあり、いつもホテル選びに悩まされます。そこで今回の記事では、個人的な備忘も兼ねてベネチアの5つ星ホテル情報をまとめてみたいと思います。

※2022.4 追記 今年のベネチアステイのホテル選びをしていたら新しい5つ星ホテルが登場していました。カ ボンファディーニに近い立地にラディソンブルホテルグループの高級ラインのラディソンコレクションパラッツォ ナニ。これまで高級ホテルがなかったドルソドゥロ地区(本島の左側の島)にエクセス ベニス ブティック ホテル & プライベート スパ。そして、これまで4つ星ホテルしかなかったビエンナーレ会場に近いエリア(メトロポールより東側)に登場したスモール ラグジュアリー ホテル カ ディ ディオです。

※2022.9 追記 今年のベネチア滞在では、この中からカ ディ ディオ、ラディソンコレクション、そしてバウアー、セントレジスにも滞在してきたので順番にレポートを書いていこうと思います!そのタイミングで上の地図や諸々この記事の構成も更新しようと思います。

立地で選ぶおすすめの高級ホテル6選

ホテル ダニエリ

Hotel Danieli, a Luxury Collection Hotel, Venice

まず最初にあげるべきはやはりここ。14世紀に建造された、名門貴族ダンドロ家の邸宅を利用したベネチアで最も有名な高級ホテルです。映画でも利用されたことがあり、マリオットの個性派ハイブランドのラグジュアリーコレクションに加盟するホテルでもあります。

立地的には観光客なら誰もが通る「ため息橋」のドゥカーレ宮の隣にあり、迷わずたどり着けますし、目の前に多方面に向かうヴァポレット乗り場があるので観光拠点としてベストです。上の写真に映る3つの建物はすべてダニエリの宿泊棟です。

ここは朝食会場の見晴らしが最高ですので、それを目当てに訪れる方も多いと思います。ただ、有名すぎるので日本人客が多くて若干興ざめしてしまうかもしれないのが玉にキズですかね。このテラスからは朝の時間帯はベネチアに次々と到着する巨大クルーズ船の往来を眺めることもできると思います。

ちなみにこの写真を撮った時にお隣に偶然居合わせた日本人ご夫妻は30年来通われているそうでした。僕もこのホテルはこの先何十年、何度もお世話になるだろうなと思っています。

※23年現在、ダニエリはマリオットブランドから脱退し、リノベーション中です。リノベーション後はフォーシーズンズ傘下で24年開業予定とのことです。

ロンドラパレス

Hotel Londra Palace

ダニエリからほんの少し東側のホテルです。写真中央左に写るインパクト大のイタリア初代国王の像を目印にできるのでわかりやすさという点ではダニエリに勝るかもしれません。ここも観光拠点としてはかなり優秀です。このホテルの目の前の通りは、日中、カーニバルの仮装をした大道芸人や土産物屋などが大勢繰り出しているので観光地らしい楽しげな雰囲気を味わえます。

また、この道は観光客の通り道で日中は大混雑しますが、早朝はほとんど人のいないとても静かで厳かな雰囲気になります。そんな時間帯にサン・マルコ周辺を歩き回れるのはこの立地ならではです。ただ、立地的にもグレード的にもほぼ同等のダニエリがすぐそばなので、マリオットのプラチナ以上の会員の方であればダニエリを選択するのが妥当ですかね。

メトロポールホテル

Hotel Metropole Venezia

ロンドラパレスよりもさらに東に進むともう1軒5つ星ホテルがあります。

ここは少しダニエリやロンドラよりもお値段控えめです。部屋の内装デザインはザ・貴族趣味なダニエリと比較的現代的なデザインのロンドラの間くらい。立地的にはほぼ遜色ないのでここも十分選択肢に入るホテルかなと思います。

セントレジス ベニス

The St. Regis Venice

こちらは旧ウェスティンから19年にリニューアルされたばかりの最新鋭のホテルです。外観を見る限り、建物の基本構造は変わっていないと思いますので、過去の滞在記が参考になると思います。上の写真はウェスティン時代のもの。。ここはテラス付きの部屋が断然おすすめです。初滞在であれば全力で迷路のような街中を探索したいところですが、少し落ち着く時間を取るならこのぜいたくすぎる眺望をぜひのんびりと味わっていただきたい。

ウェスティン時代に滞在した時には、正直サービスレベルの低さにがっかりしたところがありましたが、現在の運営ブランドはサービスのセントレジスですからきっと期待してよいと思います。このホテルも日本人や中国人、韓国人が非常に多かった印象です。

※追記 やはりセントレジスに変わり、完全に内装が最新鋭にリニューアルされており、サービスレベルも格段に向上していました。詳細は下記記事をどうぞ。

セントレジス・ベニスの最上階テラスルームに滞在

バウアー ホテル

Bauer Palazzo

ゴンドラ乗り場がある高級ブティック街の広場に建つちょっと近代的な外観で、周りの雰囲気とは少し異質な雰囲気を漂わせているホテルです。ベネチアのホテルにしては窓が広いですが、一日中観光客が通る道に面しているので、こちらサイドの部屋はカーテンを開けて過ごすのは難しいかもしれません。

初滞在だと若干立地がわかりずらいかもしれませんが、サン・マルコ広場の裏のブティック街をまっすぐ進めばすぐに着くのでそこまで難易度は高くないと思います。ホテルはグランカナルまで続く大きな建物で、年季はかなり入っています。滞在レポートは少々お待ちください。

※滞在記を書く前にここもリノベーションのために閉鎖されてしまいました。25年にローズウッドホテル傘下にて開業予定とのことです。

シーナ センチュリオン パレス

Sina Centurion Palace

このホテルはこの写真を撮ったセントレジスや後述するグリッティパレスの対岸、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の横に立つ5つ星ホテルです。写真の赤矢印の下がそうですね。建造は1892年と比較的新しいホテルですが、外観の装飾は見事です。ホテルの写真を見る限りベネチアの中では比較的モダンな印象の内装です。

お財布に優しくない最高級ホテル3選

ここで紹介するのは、ずれも軽く1泊10万円超えのホテルです。Forbesの格付けで4つ星以上の評価を獲得しているのはここで紹介する3つのホテルになります。(Forbesって何?という方はこちらへ > 【知っているようで知らない】5つ星ホテルとは何かを解説してみます

グリッティパレス

The Gritti Palace, a Luxury Collection Hotel, Venice

まずはこちらグリッティパレスです。ダニエリと同じくラグジュアリーコレクションに加盟するホテル。大運河側に見せる風貌は圧巻ですが、一方でホテル入り口付近の様子からはとても高級ホテルとは思えない佇まいというギャップも面白い超高級ホテル。ここはテラスのレストランも有名です。立地的にはほぼセントレジスと同等で、ここもグランドカナル沿いの景色は素晴らしいと思います。

アマン ベニス

Aman Venice

ちょうどベネチア本島の重心に当たりそうな位置に佇むアマンですが、こちらは2013年開業とベネチアではかなり新しいホテルですね。Hotels.comなどの大手ホテル検索サイトで探しても出てこないので見逃しがちですがもちろん宿泊可能です。写真でもわかる通りこのホテルはベネチアでは珍しい庭付きのホテルです。

公式サイトはこちら > Aman-Venice

ベルモンドホテル チプリアーニ

Cipriani, A Belmond Hotel, Venice

左はサンジョルジョマジョーレ島。右側のジュデッカ島の先端部分がチブリアーニです

ここは20−21版のForbesのホテル格付けでは、4つ星のグリッティパレス、アマンを差し置いてベネチアで唯一の5つ星を獲得しています。ジュデッカ島の先端部分にあり、観光の中心地へ行くには島を渡る必要があるのでやや観光向きではありません。ここに滞在するなら基本的にはホテル籠りになるでしょうね。

ジュデッカ島は本島の喧騒から離れ、独特なのんびりした空気感を持つ島です。こちらサイドは小舟が交錯するカナルグランデ(運河)とは違って巨大な船が行き交うのが見えますし、またここから外海側を見渡すとこの都市が海に浮かぶ都であることを思い起こさせてくれます。

ジュデッカ島のとある桟橋

ということでぜひ一度はこの島にも行ってみて欲しいですが、観光地的なものは一切ありませんのでそのつもりで。なお、島内には比較的評価の高いレストランも何軒かありますし、海辺で食事をしていると、おこぼれを期待した海鳥たちがやってくるのも見ていて楽しいですよ。

そんなのんびりした1日を計画に入れるのならこのホテルは絶好のポジションですね。ただしこのホテル、やはりお値段も別格です。僕はもうちょっと歳食ってからのお楽しみにもうしばしとっておきます。

本当は教えたくない隠れ家的5つ星ホテル4選

パラッツォ ヴェーナルト ラグジュアリーホテル

Palazzo Venart Luxury Hotel

ここは僕のお気に入りのスモールラグジュアリーホテルです。このホテルはとにかく庭が素晴らしい。ベネチアという土地は海の上に作られた島なだけに、こういった庭園は昔のベネチア人たちの憧れの形そのものなのですが、そんな庭園が島内中心部で見られる数少ないホテルです。朝食も中庭でいただけるのでベネチア貴族気分が味わえますよ。

そしてこの邸宅もダニエリやグリッティパレスと同じく、ベネチア貴族の旧邸宅の面影を色濃く残す建築です。木造の歪んだ柱の雰囲気や年季の入った調度品に中世風味を感じつつも、現代的なラグジュアリー感をしっかりまとう素晴らしい居室です。ぜひ2階の応接間なども探索してみてください。

さらにここはミシュラン星付きのレストランもあり、食事のクオリティも最高です。レストラン客も庭の鑑賞ができるので宿泊せずともぜひ少々おめかしして行ってみていただきたい。

カ ボンファディーニ ヒストリック エクスペリエンス 

Ca’ Bonfadini Historic Experience

このホテルはGoogleでのクチコミ評価はなんと4.9と滅多に見ない高評価をたたきだしています。サンタ・ルーチア駅のすぐ北東部にあり、鉄道でベネチアに来るのであれば有力候補になるホテルですね。しかし普通は観光客があまり足を向けないエリアだと思います。

観光の中心地サン・マルコ付近にはスーパーなどはなく、そういった生活のための施設はこの界隈にあったりするので長期滞在での便利さはあるかもしれません。ホテルのお値段自体も他のホテルに比べると控えめです。

※追記

が、このホテルは予約プロセスに大問題を抱えています。Hotels.comから予約していたのですが、宿泊日直前になって突然クレジットカードからの事前引き落としができないという謎の連絡が来て、そのまま予約がキャンセルされてしまいました。

意味がわからないので電話で問い合わせると、部屋を押さえておくので別のクレジットカードの情報を送れと言われてやりとりしていると、部屋が埋まったと別途メール連絡が。。

そもそも何千泊もホテル滞在をしてきてこんな経験はなく、クレジット情報をワードファイルで送れと言ってくるあたりが怪しさ満点だったので、ベネチア滞在時に直接ホテルに確認に行ってみました

すると、どうやらこのクレジット問題はよくあるらしく、詐欺ではなかったようです。。(ちなみに予約で使ったクレジットは、普通に他のホテルや海外利用で全く問題なく使えていたプラチナカードです)詐欺でないことには安心しましたが、おかげで直前の別ホテルへの予約取り直しで3万円超の損をさせられてしまいました。。。

ホテルの中に入った印象は悪くなかったですが、正直、この体験のおかげで僕からはまったくおすすめできないホテルという評価になってしまいました。。

カ サグレド ホテル

Ca’ Sagredo Hotel

この建物はダニエリと同じく14世紀に建立されたそうで、外観のデザインがとてもよく似ています。立地的には運河沿いなのでヴァポレット(水上バス)を利用すれば決して不便ではないですね。上記写真を見ての通り水上タクシーで直接ホテルに乗りつけることも可能です。徒歩でもリアルト橋なら5分強、サン・マルコ広場あたりまでは15分くらいじゃないでしょうか。ただ部屋サイズはここも小さめですね。

そしてこのホテルの見所は、ベネチアビエンナーレに合わせてアーティスティックなオブジェが飾られるところですね。2017年には巨大な手が建物を支えていました。実は上の写真でも巨大な球を振り回す女性のオブジェが飾られているのに気づいた方はいらっしゃるでしょうか?ということで、ここは泊まらなくてもヴァポレットで横切る時はオブジェを見逃さないようにご注目ください。

パラツィーナ グラッシ

Palazzina Grassi

グラッシ館の横の小さなブティックホテル。ここはずっと気になっているホテルなのですが、小さなホテルなので部屋がかなり狭いことが引っかかり手が出せずにいます。写真を見る限りは鏡を多用した部屋の雰囲気はいい感じなんですけどね。

場所はリアルト橋とサン・マルコを結ぶ運河ルートの半ばにあり、運河に面しているわけでもなく他の5つ星ホテルと違って眺望が期待できないのはマイナスポイントでしょうか。決して主要エリアからは遠くはないですが、とはいえ上記ホテル群と比べると初滞在での優先度は落ちると思います。ただ、このエリアは穴場のレストランがあったりもするのでそのうち使ってみようとは思っています。

立地がやや微妙だけどリーズナブルな5つ星ホテル2選

本島に位置する5つ星ホテルは残り2つ。いずれも観光の中心部からやや離れるので、初滞在での優先度はかなり下がると思います。僕も基本的に選択肢から外しているホテルではありますが、その分、比較的コストは低めですので、体力や土地勘を掴むのに自信のある方はどうぞ。ただ、行き止まりだらけのベネチアの路地をマスターするのはかなり難易度が高いので基本的にはおすすめしません。

ヒルトン モリノ スタッキー ベニス

Hilton Molino Stucky Venice

ヒルトン会員の方には選択肢になるでしょうけど、ここはジュデッカ島の外れの方なのでやはり中心部のホテルと比べると観光には少々不便だと思います。上の写真はサン・マルコの鐘楼から撮った写真を拡大したものですが、奥の方にかすむ尖塔のある巨大な建物がそれです。

このホテルは屋上にプールがあるのでリゾート気分が味わえそうなところはいいですね。あとは目の前を客船が通り抜けて行くと思いますが、それ狙いならダニエリかロンドラパレスをおすすめします。ホテルの内装は貴族趣味が圧倒的多数のベネチアにおいて、かなり現代的なデザインですので、そこは好みが別れるだろうなと思います。

NHコレクション グランド ホテル パラッツォ デイ ドージ

NH Collection Grand Hotel Palazzo Dei Dogi

グランド ホテル デイ ドージ ザ デェディカ アンソロジー オートグラフ コレクションですが、マリオット傘下からNHグループに変わったようです。しかし、2021年6月現在、Googleマップ含め未だネット上は旧名の情報から書き変わっておらず、和名もブレがあるのでご注意ください。。

このホテルのあるエリアは基本的に観光客が行かないゾーンです。僕も本島内は大体歩き回りましたが、まだこのあたりだけは未開拓です。そういう意味では観光地然としていないベネチアの姿が見られるかもしれませんが、しかしいかんせんここからサン・マルコ広場までとなるとかなり歩くかヴァポレット(船)でぐるりと回らないといけないのでかなり時間ロスしてしまうと思います。

ただし、その分このホテルは5つ星の中ではお安いのはメリットですね。中央駅からアクセスし、ムラーノ島、ブラーノ島など離島に向かうつもりならそこそこ便利かもしれません。

観光地を離れてリゾート気分、離島の5つ星ホテル2選

ベネチアは本島だけでなく、離島巡りも楽しいのですが、残り2つのホテルはなんと離島を丸々リゾートホテルにしてしまっているという超エクスクルーシブなホテルです。ただ、これらのホテルを選ぶのはベネチア観光を捨てるに等しいので、まあ、観光拠点としての選択肢からは外れますかね。

水飛沫をあげて走る水上バス

JWマリオット ベニス

JW Marriott Venice Resort & Spa

ここは前回の滞在で行くかどうか迷ったんですが、クチコミを見ていると部屋の清掃が行き届いてなかったという類のコメントをいくつか見かけてしまったので敬遠してしまいました。まあ、そのうち行ってみようとは思っています。ここもプールがあるのがいいですね。

一応、公式サイトを貼っておきます。> JWマリオット・ベニス・リゾート&スパ

サン クレメンテ パレス ケンピンスキー ベニス

San Clemente Palace Kempinski Venice

こちらはラグジュアリーホテルが加盟するリーディングホテルズの一つですね。JWマリオットよりも一回り小さい島にあります。距離的には若干こちらの方が本島に近いですが、まあ、どうせ船移動なのでそれほど差はないと思います。部屋を見ていると、なかなか広い部屋のないベネチア本島と比べて広い部屋がたくさんあるのが魅力的。もちろんこちらのホテルにもプールなどおこもりステイのための施設は揃っていそうです。

こちらも公式を貼っておきます > サンクレメンテパレスケンピンスキー ベニス

まとめ

今回はベネチアの5つ星ホテルをまとめてみました。来年以降、また1年おきのベネチア滞在を続けていくつもりなので、まだ行ってないホテルを順番に制覇していこうと思います。ということでこの記事は10年くらいかけて更新していきます。

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