今回は、2019年に旧ウェスティンからリブランドして、さらに内装を大幅リニューアルして復活したベネチアのセントレジスの滞在記です。前回、2019年のベネチア滞在時にはまだホテル予約ができませんでしたが、コロナ禍によるベネチアビエンナーレの1年延期に合わせて、今年2022年の夏に滞在してきました。
ウェスティン時代は上品ながらもやや古臭い印象は否めず、正直、サービスレベルも少々値段に釣り合っていませんでしたが、改装されて設備は最新鋭、サービス品質もセントレジスらしく丁寧で行き届くようになった印象です。
2017年のウェスティン時代の滞在記はこちら↓
世界遺産グランドカナルをテラスから眺める ウェスティン・ヨーロッパ&レッジーナ ベネチア目次
ホテルへのアクセス
ホテルは観光の中心部サン・マルコ広場に近く、ベネチア観光の最強立地の一つです。
水上船(ヴァポレット)で行くならサン・マルコ(S. Marco Vallaresso)駅またはジグリオ(S. Giglio)駅が最寄りになります。もちろん水上タクシーで直接ホテルに乗り付けることも可能です。
なお、2022年の夏の時点では街中で誰もマスクをつけていないイタリアですが、公共交通機関では一応マスク着用が義務化されています。電車移動では着用していなくても特に乗車拒否などありませんが、ヴァポレットの乗船時にはマスク着用義務が厳格に運用されていました。マスクをつけていないために乗船拒否されている顧客を何組も見かけましたので、必ず持参するようにしましょう(まあ、日本人には不要なアドバイスだと思いますが)。
もう迷わないベネチア本島への入り方(陸路と空路を解説)ホテルの外観はサルーテ駅の方から運河沿いの正面に見えます。テラスのある白い建物が美しいですが、ここに加えて見切れてしまっていますが、この写真右側の建物のかなり巨大な敷地です。屋根の上、奥の方に一段高い建屋が見えますが、あそこもホテルの一部で、今回の滞在では最上階のあの部分の部屋に宿泊してきました。
高級ブティック街を通ってアクセスするホテル入り口側の外観は、以前は旗が並んでいた屋根部分に草が茂っているくらいの違いで、ぱっと見以前と大きく変わったという印象はありません。
しかし、ホテルの内装は大きく変化しました。こちらはホテルのロビー横の歓談エリア。椅子がポツポツと並んでいてちょっと暗めの印象だったところから、ソファが多く配置され、ライティングも明るい過ごしたくなる空間に変わっていました。床は旧来のものがそのまま残っていますが、それ以外は一新されています。
今回、マリオットのポイント利用での宿泊でしたが、最上階のテラス付きの部屋にアップグレードしていただきました。前回泊まったカナル沿いの本館の最上階、6階まで登ってこちらの写真の明るい廊下を渡って別館へ。
この渡り廊下から見渡せる屋根瓦の景観も見応えあります。超高層建築がないベネチアでは、通常、屋根を見下ろす景色が見られる場所はサン・マルコの鐘楼くらいしかありませんので、この見晴らしは実はかなり希少です。
【早朝から深夜まで】ベネチアのサンマルコ広場観光案内最上階のテラスルーム
アサインされた部屋は3703号室。6階の通路を渡った別館のさらに1つ上の7階の部屋。(日本でいう8階です)
垢抜けた今風のデザインのインテリアに様変わりしています。ベッドサイドランプはもちろんベネチアングラス。部屋にはアートブックやベネチアのアート案内などが置いてあります。
部屋に到着すると、バトラーが挨拶に来てくれます。お茶やコーヒーを淹れてくれたり、スーツケースのパッキング、衣類2着までのアイロンがけなど頼めるサービスを受けられますが、ぶっちゃけあんまりこのバトラーサービス使ったことないんですよね。。
クローゼットには香り袋も仕込まれており、まだまだ新品同然。
マリオットのアンバサダー会員向けということで、ホテルの近くにあり、ヘミングウェイが通ったことでも有名なハリーズ・バーで生まれたカクテル、ベリーニのボトルにチョコレートの盛り合わせ、パンケーキがメッセージカードとともに用意されていました。
テラス
両隣の部屋のテラスと植木一つで遮られているだけですが、テーブル席、チェア席、ソファ席が並ぶ広い空間なので快適に過ごせます。ただ、植木に虫が飛んでくるのがちょっと難点でしたね。ミツバチがブンブンと。もちろん蚊もいるので要注意。夏場の日射しはやはり強烈でしたが、春秋の滞在は最高だろうなと思います。
テラスは周りの建物よりも一段高い位置にあり、やはり赤茶けた屋根瓦の景色を眺めることができます。グランドカナルの船が行き交う様子はちょっとここからだと見えないですが、これはこれで希少な景色で満足度高いです。
写真右手にそびえるサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会はあいにく改修中でしたが、その右奥にはレデントーレ教会、左奥にはツィテッレ、写真には写っていないですが左側にはサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会とパッラーディオによる3つの重要建築が一望できるという超希少な眺望です。
そしてこの3つの教会はサンマルコ広場にファサードを向けて建てられているという記述をどこかの文献で読んだことがあるのですが、めっちゃ嘘だなと思いました。この見た目だとフェニーチェ劇場あたりを向いているように見えますね。
それにしても、サルーテ教会のようにベネチアでは今夏あちこちの主要な教会や旧跡が改修工事を進めていたのでしばらくいい景色は見れないかもしれません。
ミニバー
部屋の隅に用意されたミニバー台がこちら。定番のネスプレッソだけで、お酒などは用意されていませんでした。
で、ネスプレッソのカプセルがイリー製のものでした。互換カプセルが使われているのはたまに見かけますが、イリーのものは初めて。で、期待どおり味わい深くてすごく美味しかったです。ネスレもこのカプセル正規で取り扱ってくれないかな。。
用意されているグラスはもちろんベネチアングラス。薄手で綺麗なデザインです。お土産屋に並んでいる武骨な感じのものとは一味違いますね。
引き戸の冷蔵庫もソフトドリンクやアルコールはなく、普通の水と泡入りの水が冷やされていました。
バスルーム
バスルームももちろん新しく現代的なデザインになっています。バスタブがありませんでしたが、シャワールームは広々としていて悪くありません。
トイレはやはりイタリア式で便器とビデがついています。配置的にここしかないというレイアウトですが、シンクの真後ろにあるのはちょっと珍しいですかね。
アメニティはフェイスケア用品が大量に用意されていました。これだけいろんな種類が揃ってるのは珍しいですね。コットンや綿棒、石鹸、裁縫セットなども揃い踏み。
シャンプー類のアメニティは日本でもデパートではおなじみのアクアディパルマ。このブランドはお隣のグリッティパレスでも採用されていましたが、ポマード系の匂いのグリッティのものよりもこちらの柑橘系の香りにうっすらと甘みを感じる爽やかな香りの方が日本人好みでしょうね。
【厳選16ブランド】高級ホテルをバスアメニティで選んでみるドライヤーはイギリスの美容ブランドghdの小ぶりのものが採用されていました。イギリスブランドの家電はめちゃくちゃ珍しいですね。
高級ホテルで採用されている安心高品質のヘアドライヤーまとめレストラン GIO’S
ウェスティン時代も見晴らしのよいテラスのレストランでしたが、湾沿いがガラス張りになってより開放感のあるスペースになっていました。調度品もやはりおしゃれな雰囲気のものに一新されています。
アミューズは葉っぱのデザインに仕立てられたスパイスの効いたトマトのパスタ(と聞いたけどスパイシーではなかったかな)とチーズの入ったフライ。
ワタリガニのパスタをいただきました。まあ、コスパが良いとはとても言えないお値段ですが、料理のお味は上々です(これだけで1万円くらい)。ベネチアの人気店は予約なしだとなかなか入れないので、このグランドカナルの絶景を眺めつつのディナーに舌鼓というのはそこそこ悪くない選択肢だとは思います。ただし、カナルサイドの席はやはり予約が必要そうです。
夏場は蚊がいるので虫除けスプレーなどは持参することをおすすめします。
朝食ビュッフェ
朝食会場もGIO’Sです。テラスからプンタ・デラ・ドガーナを眺めつつの食事ですが、ウェスティンのときの記事にも書いた通り朝の時間帯はゴミ処理船が行き交うのがちょっと残念ではあります。
朝食ビュッフェの品揃えはまあまあ充実しています。朝からスパークリングワインもあるので、テラスでのんびり過ごす休日にしてしまうのも悪くないですね。サラダバーのドレッシングは、塩やオリーブオイルで自分でドレッシング風に作るイタリア風ですが、キッコーマンのしょうゆがありました。今回の旅で結構、醤油を見かけたんですよね。日本の味もかなり浸透してきたということでしょうか。
まとめ
ベネチアにあるマリオット系の最高クラスのホテルとしてはグリッティパレス、ダニエリと並ぶ第三の選択肢となったセントレジスですが、正直、滞在満足度はここが一番です。今後のベネチア滞在でも積極的に利用していこうと思いました。
ベネチアの高級ホテルは下記の記事にまとめています。コロナ前の情報がメインなのでこれから書き直していくつもりですが、概ね現在のホテル選びでも参考になると思います。
ベネチアの高級ホテルの選び方【5つ星ホテル完全網羅】