【美食のバスク】オンダリビアのパラドールに滞在

ここ数日、6年ぶりに滞在してきたサンセバスチャンの記事をこっそり加筆修正していましたが、昨年のスペインバスク地方滞在では、そのサンセバスチャンの隣町オンダリビアにも行ってきました。

オンダリビアには世界一美味しいとANAの機内誌で紹介された魚介スープの店があることで有名ですが、フランスとスペインの国境付近にある港町です。

今回のオンダリビア滞在ではパラドール(旧跡を改装した国営ホテル)を利用してきたので、その滞在記を書いていこうと思います。

ホテルへのアクセス

今回の訪問はちょっとトリッキーですが、フランスのボルドーからの移動でした。高層鉄道に乗ってフランスサイドのGARE DE HENDAYE駅まで向かい、ローカル線に乗り換えて2駅先のIrun Colon駅まで電車移動し、そこからローカルバスで街中に向かうルートでした。駅前にあるバス停からE25のバスに乗り、Minasoroeta Kalea駅までおよそ10分、そこから徒歩5分程度の旅程です。

パラドール・デ・オンダリビアの外観

パラドールとなっている10世紀に建てられたという石積みの城跡は、湾を見張らせる丘陵の上、平地にあるバス停からは少し坂道を登った頂上にあります。

屋外エレベーター

マップのLift-Obsercation deckと表記のあるパラドールの東側の地点に屋外エレベーターがあるので、足に不安のある方、荷物の多い方は利用してもよいですね。

スペインの地方都市はGoogleマップの移動ルートが正確に機能しないことが多く、やはりちょっと苦労しました。特にローカルバスは壊滅的に情報がないので、現地の人たちも利用しているmoovitのようなアプリを利用するのがおすすめです。

スタンダードツインの部屋

天井にファンがついたこぢんまりした部屋です。バスク地方は夏場でもそこまで気温が上がらないので、冷房がなくてもこのファンでそこそこしのげそうです。見た目通りベッドは硬かったですね。

クローゼットが狭いので部屋に小さなスーツケース台がありますが、大きなスーツケースだとかなり手狭になってしまいそうな部屋です。内装は現代的なリノベーションがかかっていますが、ちょっと隣の音がうるさかったのであまり建て付けはよくなさそうです。

年季の入った風合いのテーブルも小さい上にミニバーがセットされているので作業するには向かないですね。クローゼットなども含め引き戸の中はきれいなデザイン紙がひかれています。4つ星ホテルクラスではめったにない丁寧な作業は好感が持てます。

そして面白いのはこちらの窓。1000年も前の建築ですから窓が小さいのは当然として、かなり奥行きのある壁と奥の鉄格子に、城に泊まっている雰囲気があります。窓の奥には後述するテラスの風景が見えました。

ガラス戸はミラーガラスになっているようで、窓を閉めていれば昼間はテラスから室内は見えません。夜は逆に中からは外が見えず、外から丸見えになりますが、日が沈む頃にはテラスへの出入り口は鍵がかけられます。

スペインのホテルで用意されているお茶はローカルブランドが採用されていることが多く、なかなか他の国のホテルではみないものばかりですが、やはりここもそうでした。

冷蔵庫の品揃えは質素め。

バスルームは部屋のサイズの割には広めかなと。シャワーもすぐにお湯が出て快適でした。

パラドールのアメニティは全土共通っぽいのですが、やはりここも定番のものがセットされています。4つ星クラスは歯ブラシとクシ、石鹸にシャワーキャップ、あとヴァニティセットがついているという感じでしょうか。

5つ星だともう少しあれこれついてきたりしますが。シャンプー類は固定タイプ。香りもまあまあ悪くないですかね。微妙にパラドールによって違う匂いのときがあるような気がしましたが、たぶん気のせいです。。

パラドール内部探索

入り口・カフェ

正面入り口から入ると左手に受付があり、宿泊客か観光客かを伝えます。入り口は若干の段差があったかな。逆サイド、この写真の奥手にはカフェスペースがありました。

城の側面入り口からもカフェにアクセスできます。

城内

場内は自由に歩き回れますが、小さな城なのでそれほど見どころはなさそうでした。いくつかある石造りの居室のテーブル風景は、昔の王族の生活が想像できてまあまあ楽しめます。

上の階の窓からは、オンダリビア風建築が並ぶ城前の広場を見ることができます。

ところどころに往時を偲ぶ物品も。

テラス

宿泊客が利用できるエクスクルーシブなテラスがあります。東向き、フランスが見える湾岸に面しています。段差を登った一段高いエリアは夕方でも城の影に隠れずにずっと日向ぼっこができます。

城壁の鉄格子の奥が部屋についていた窓ですね。テラスへのアクセスは夏場は日が沈む22時までだったので部屋の中が見えることはないのですが、こういう部屋設計は通常はないのでちょっと面白い体験でした。

湾をはさんで向こうはフランス。こういう距離感で国境を感じるのはなんだか不思議な気分になりますね。まあ、EU圏なので移動時も特に国境を感じることはないのですが。

朝食

朝食会場は中庭とそれに隣接する室内での提供です。中庭も天井部にガラスの屋根があるので多少の雨なら大丈夫そう?でした。他のパラドールもそうですが、朝食の時間はチェックイン時に事前指定することになると思います。

日本でも流行ったバスク風のパンケーキがずらっと並びます。

やはり他のパラドールと同様、簡素なビュッフェに加えて卵料理のオーダー式。まあ、調理のクオリティは期待しないのが吉です。

おまけ:港町オンダリビアの街中散策

パラドールの正面に観光案内所があるので、訪れてみると情報が得られます。

湾岸に沿って続く通り沿いの道はまっすぐでわかりやすく、歩行者天国もあります。ショップは通り沿いに集まっているのでそれほど遠出をしなくても徒歩圏内で楽しめます。大きなビーチへは歩けなくもないですが、バスを使うのが無難ですね。

冒頭にも書いた通り、世界一美味しいスープで有名なお店「La Hermandad de Pescadores」。僕が散策した時間帯は閉まっていました。スペインの夕食時間はかなり遅いので、日本の感覚で行っても準備中なので注意しましょう。20時頃から開店というケースが多いです。

カラフルなデザインの建物の様子は旅行誌などによく取り上げられますが、このデザインの建物が集まって見られるのはこの一角だけなので期待は禁物です。

湾岸の街らしき風景も目白押しなので海好きの人は楽しめると思います。案外磯臭い匂いがしなかったなという記憶があります。

まとめ

サンセバスチャンの隣町ということで、食に期待して行ったものの、ちょっと腹具合とレストランの開店時間が合わず、あまり食事を満喫しきれなかったというのが実情でした。が、この街にある有名な1つ星レストランAlamedaなどもパラドールから割と近く(が、タイミング悪く休業中でした)、街中には口コミ評価の高いレストランもいくつか見つかりますのでしっかり計画して行けば満喫できると思います。

街中も見どころがあるとはいえ、まあ、サンセバスチャンやビルバオと比べると優先度は落ちるのは否めませんが、パラドール滞在も楽しめるこの街はバスク巡りをするならば候補にはぜひ入れておきたい街のひとつです。ちなみにサンセバスチャンとの往来は路線バスで1時間弱の道のりですので参考までに。

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