観光中心部からやや外れるベネチアビエンナーレ会場は、これまで徒歩圏内には5つ星ホテルがないのが難点でしたが、ついに会場至近の立地に5つ星ホテルが登場しました。ということで、1年の延期を経て2022年に開催されたベネチア・ビエンナーレへの訪問に合わせて利用してきましたので、今回はそのホテル、カ ディ ディオの滞在記です。
客室数50室以下のラグジュアリーホテルが多く加盟するスモールラグジュアリーホテルズに参加しています。
ベネチアビエンナーレ定点観測2013〜2019目次
ホテルへのアクセス
ホテルは水上船(ヴァポレット)のアルセナーレ(Arsenale)駅のすぐ目の前。ベネチア海洋史博物館やビエンナーレのアルセナーレ会場まですぐという好立地です。観光客の往来が比較的少なく、閑静なエリアでもありますね。ビエンナーレのジャルディーニ会場も近いですが、少し歩くのでヴァポレットで1駅移動するのが楽ちんです。
※2022年現在、ヴァポレットの乗船はマスク着用義務があるためマスクを忘れずに。マスクを持っていなくて乗船拒否されている顧客を何組も見かけました。
1272年まで遡ることができるという古い建物をリノベーションしたそうで、ベネチアにしては大きくインパクトのある建物です。が、ホテル外観にはどこにもホテル名の表記がなく、ホテルだと知らなければ素通りしてしまいそうです。
ホテルの前まで行けばドアマンが出迎えてくれますが、ちょっとこれは分かりづらい。運河沿いに船着場が見えるので、水上タクシーで乗り付けることもできそうですが、新しいホテルなのでホテル名だけではわかってもらえない気もします。
アックア・アルタ対策でしょう、少し段差のある入り口を上がってホテルフロントはゴージャスなインテリアです。ソファに腰掛けながらのチェックイン。
ベネチア伝統の渦巻きガラスも全体が一体化したデザインでさすが最新鋭のホテルと思わせるモダンさです。
今回、予定が埋まっていて使わなかったのですが、25分のマッサージをサービスでいただきました。
フロントエリア横のライブラリースペースもおしゃれでちょっとここで歓談して過ごしたいと思うような空間でした。この感じなら部屋も期待ができそうです。
ジュニアスイート(ダブル)の部屋
アサインされたのは海岸とは逆サイドの裏町に面した最上階3階(日本の4階)の角部屋。部屋サイズはいずれも小さそうだったので、少し広めのジュニアスイートの部屋を選んでみました。
床のモザイクのデザインやベッドサイドランプのベネチアングラスなど、ベネチア風味を残しつつも、洗練されたおしゃれなインテリアが機能的に配置されています。しかしジュニアスイートの名をつけるにはちょっと狭いかな。
クローゼットは部屋の入り口からの廊下部分にあります。奥の鏡の部分ですね。
ミニバーに用意されていたのは、ラヴァザのエスプレッソマシンとPASCAL HAMOURというフランスの茶葉メーカー。高級そうなパッケージです。このブランドは初見だったので検索してみたら、公式ホームページが壊れていてアクセスできませんでした。大丈夫でしょうか。。
冷蔵庫内のソフトドリンクはフリードリンクです。移動時にこの炭酸水を1本カバンに入れていたら見事に缶が破れて水浸しになってました。アルミ缶がびっくりするほど薄いのでご注意を。。
部屋のデスクの上にはウェルカムスイーツとメッセージカードが。イタリアの伝統菓子でしょうか。和菓子にも似た素朴な味わい。
入り口前、部屋の横に配備されたクローゼットはやや手狭ですが、室内に十分スーツケースを広げられる広さがあるので特に問題ありません。
5つ星ホテルでもスリッパがないホテルが欧米では増えてきましたが、イタリアは基本的にありますね。ただし、歯ブラシはないので持参しましょう。
バスルームはちょっと狭いのでシングルシンクです。迫り出した天井が、昔の邸宅のリノベーションであることを感じさせます。窓の外は民家なのにカーテンがついてないのはどうかと思いますが、解放感はありますね。まあ、この部屋が他の建物よりも高い位置にあるのでよしとしましょう。
その眺望はこちら。まあ、見晴らしが最高というにはもう一つですが、これはこれでベネチアの裏路地風味を感じられて良いと思います。
バスアメニティはなんと全て120ml入りのボトル。ここまで大きいのサイズのものが用意されているのを見るのは初めてかもしれません(5つ星ホテルの主流は40mlです)。2週間は余裕で使えそうな分量。ちょっと香りは好みではなかったですが。。
ディナー
ホテル前に付随するレストランのテラス席が用意されています。往来が比較的少ないエリアなのでやはり客数も少ないです。中心部の人気の高級レストランでは予約なしでは入れない時間帯でもこの通り(誰もいない。。)
やはりお値段は少々高めです。
ヴァポレットの発着を見ながらの食事を楽しめます。すみません、食べかけな上に使い終わったアルコールシートが写真に写ってしまってました。笑
コロナの影響で、海外でもアルコール消毒液やおしぼりを用意しているレストランが少し増えたかなという2022年の旅でしたが、やはり基本的にはおしぼりはないのが普通なのでアルコールシートは持参しておくのがおすすめです。
ラグー豚のタリアテッレ(Tagliatelle)のパスタをいただきました。薄くてやや幅広い麺のタリアテッレは北イタリア発祥。
ついついデザートまで頼んでしまいました。アップルパイとバニラアイス。
朝食ビュッフェ
ホテルの建屋に囲われた広い中庭があります。ヴェーナルトのような昔のベネチア情緒を感じるような空間ではないですが、洗練されていて居心地のよいエクステリアで快適に過ごせます。
朝食は中庭か、中庭に隣接するレストランでいただきます。上の写真の中央の台や左のカウンターテーブルの上に料理が並びます。
ビュッフェのメニューは小規模ホテルとしては結構充実していたように思います。クオリティも高く満足度高かったですね。
まとめ
やはり最新鋭の設備が揃っていて、満足度の高い滞在となりました。サン・マルコ周辺の老舗の5つ星ホテルと比べても有力な選択肢になる穴場だと思います。ホテル周辺の人の往来が少ないのもいいですね。
立地は、ビエンナーレに行くなら最適ですが、一方で、アルセナーレ駅はヴァポレットの往来も多く、グランドカナル方面にも一足、さらにリド島方面に行くにも便利だったりもします。
が、いかんせん地図上は中心部から離れる上に値段設定がやや強気に見えるので、少しホテルの運営が大丈夫か気になるところです。今後、お値段設定がどのくらいに落ち着いていくのか、ウォッチしていきたいと思います。
ちなみに、ビエンナーレ会場近くの4つ星クラスのホテルは下記記事で紹介していますので併せてどうぞ。
ベネチアビエンナーレ会場至近、コスパ抜群の4つ星ホテルを2つ厳選しました