スペインのパラドール(国営ホテル)を続けます。今回は、日本人で聞いたことがある人は少ないであろうスペイン南西部の世界遺産の町メリダです。街中には後述するローマ時代の遺跡がしっかりと残って保存されており、結構見どころがある街でした。
が、スペイン南西部は猛暑地帯として有名で、とりわけ22年の夏はヨーロッパを襲った熱波の影響で、僕が滞在したタイミングでは天気予報で最高気温46度という驚異的な数値(ヨーロッパの過去最高記録は48度らしいです)が表示されていて、もはや暑さよりも痛さを感じる日射の中で命懸けの観光でした。
そんなメリダで過ごした4つ星パラドールについて書いていきます。
目次
ホテルへのアクセス
メリダへのアクセスはマドリードから、もしくはアンダルシア地方観光から足を伸ばしてセビーリャからのルートになります。長距離バス、もしくは高速鉄道が利用できますが、断然おすすめは鉄道ですね。
と言いつつ僕はポルトガルのエボラから長距離バス移動で到着というトリッキーな移動をしましたが、長距離バスはホテル西部を流れる川の対岸側に停まるので、夏場は炎天下の中、そこそこの距離を歩くことになります。長距離バスの専用発着場のような場所も見当たらなかったので、メリダから移動する場合も予約したはいいがバス停がわからないという事態にもなりかねないなという感じでした。
それから日本と違って、音に無頓着な人が多いので、電車やバス中でもイヤホンをつけずに爆音で音楽をかけるような人が結構いるので、長距離バスは運が悪ければめちゃくちゃ不快な旅になります。(爆音系の連中は注意してもほとんど無視されます。スペイン地方都市は英語も通じない。。)
主要道路のアルメンホラルド通り側の入り口からも出入りは可能ですが、基本的に地下駐車場に向かう車用の入り口なので、徒歩で到着の場合は裏のコンスティトゥシオン広場側の正面入り口に行きましょう。入ってすぐのところにフロントがあります。
ホテル内部は古いとはいえきれいに清掃が行き届いているいんしょうでした。
スタンダードツインの部屋
中庭に面したフロントから一番遠い部屋へのアサイン。結構入り組んだレイアウトなので、見取り図を頭に入れていないとちょっと迷いそうでした。
ルームキーはヨーロッパの古いホテルでありがちなゴツい金属製。
部屋の雰囲気はやはり木製の調度品が並ぶ昔ながらの素朴なスペインを感じられる空間です。ツインルームの予約でしたが、いわゆるハリウッドツインスタイルのシングルが二つくっついて並ぶベッドメイクでした。
【初心者向け】ホテルの部屋タイプの違いについてまとめて解説します扉の木目、それから天井にかかるアーチが特徴的ですね。ホテル全体で見られる様式でした。ベッドは見ての通り硬いです。
室内の冷蔵庫の中はコーラがメイン。
バスルームは使いづらいガラスの仕切り式のバスタブ付きシャワー。このタイプ、床を濡らさずに使えたことがありません。。
アメニティ類はやはりパラドール共通のものです。が、ボディソープがトイレの芳香剤のような香りでちょっとイマイチだったのと、トイレがちょっと小便くさかったですね。
バスローブやスリッパなどがなかったのですが、他のパラドールでは共通のものがセットされているので、ひょっとして清掃ミス疑惑も。。
ギミックが面白い窓を開けて部屋から見た中庭の様子。猛暑の中でも整備されている様子が好印象。夕方(といっても21時くらいでしたが)、弾き語りイベントのようなものがおこなわれていました。
ホテル内探訪
ホテル内部はそこそこ広いので、歩き回るといろいろと古めかしい設備が見つかります。
ローマ時代の遺跡の展示室もありました。
きれいにセッティングされたレストランがありましたが、ディナータイムの利用は予約が必要そうでした。カフェ&バーの方でも食事可能ですが、夕食メニューの提供は20時とスペイン時間なのでご注意。外が酷暑なので、カフェで涼んでいる人が割といましたね。鉄道の本数も少ないので、僕もチェックアウト後、かなりこちらのカフェでのんびり過ごしました。
ジムやサウナは閉鎖中でした。
中庭には小さなプールがあり、こちらは利用可能でした。数名利用している方を見かけましたね。
朝食
朝食はやはりチェックイン時に時間予約が必要です。繁忙の9時台は早々に埋まってしまうので、チェックインはなるべく早めが吉です。
ビュッフェ形式の朝食はやはり野菜がなくパンばかりでした。
オーダーメニューには『migas del pastor』という初見のものがあったので頼んでみましたが、ニンニク、スパイス、あとパンくずが混ぜられた残飯のようなものでした。うん、まったく美味しいものではなかったです。笑
おまけ:メリダの世界遺産めぐり
街中を歩いていると、そこかしこにローマ時代の遺跡群を見つけることができます。いくつか街歩きで見つけた遺跡の写真をアップしていきましょう。
明るい昼間ですが商店街でほとんど人を見かけません。40度をゆうに超える酷暑に、シエスタが生まれた理由が体感としてわかった気がします。ときどき店の前から流れてくる冷気がめちゃくちゃ気持ちよかった。
住宅街の中でしれっと発掘現場に出くわしたりします。こちらのダイアナ宮殿はローマ植民地の最古の建造物のひとつだそうで、これ一つだけでも世界遺産に登録されそうなレベルの建造物です。
円形闘技場や観劇場がある巨大エリアは入場料が必要です。
12ユーロとそこそこのお値段でしたが、まあ払う価値はあります。まったく人を見かけなかった街中とは違って、ここは両手で数えるくらいの観光客がいましたね。ただ、日射を避けられる場所が少ないので訪問タイミングはなるべく早朝がよさそうです。
こちらはロマノ劇場というメリダ観光のメインディッシュ。観光写真で使われていたりする見事な観劇場です。ここでイベントが開催されたりもするみたいですね。
観劇場の裏には公園のように整備されたスペース。カフェなどもありましたが営業はしていませんでした。
石造りの円形闘技場も探検できます。崩れている部分と往時の姿を残している部分とが絶妙にバランスが取れていて、歴史を感じることができます。
「Casa Romana del Anfiteatro」ローマ時代の住宅跡地のようです。こちらも結構大きな敷地でしたが、ちょっと体力的に余裕がなかったのでパス。外から見えた感じでは、住宅跡の土地を歩き回って、それぞれ説明書きがあるというような様子でした。
そして、こちらも観光のメインのひとつ、ローマ水道橋へ向かいます。パラドールからは観劇場とは逆サイドの北側です。支流の川の水はほぼ枯れ果ててしまっていました。酷暑ぶりが伝わるでしょうか。
広々とした芝生のエリアに見事に残る石造りの水道橋跡。その名も「奇跡の水道橋」
完全体が残るセゴビアとは違って崩れている部分も多く、デザインも大きく異なりますが、往時の姿を十分にイメージできるレベルで残っています。
【世界遺産】セゴビアのローマ水道橋と子豚の丸焼きまとめ
この地方は夏場に行くところじゃないなと思いましたが、ベストシーズンの3月ごろであれば、街中散策でかなり楽しめると思います。パラドール自体はサンチャゴやグラナダのようにそれ自体が目的地になるようなものではありませんが、各遺跡へのアクセスも悪くなく宿泊地としては十分選択肢に入るかなと思います。