パンデミック宣言以降、ホテル業界は厳冬の時期を迎えており、その運営スタイルも大きく様変わりしています。
6月の緊急事態宣言解除による外出自粛解除以降、このブログでも色々取り上げているようにすでに20を超える高級ホテルに宿泊してきました。その中でおよそ高級ホテルの感染予防対策や過ごし方などが分かってきたので、アフターコロナの7−9月頃の記録として一度まとめておきます。
10月からはついに東京でもGoToトラベルが解禁されるので旅行を検討している方も多いと思います。アフターコロナで変わった高級ホテルの様子について参考にしていただけると嬉しいです。
ちなみにコロナ前の高級ホテルの過ごし方はこちらの記事 =>【初心者向け】恥をかかない高級ホテルの過ごし方 にまとめていますので、合わせて読んでいただければ違いがわかるかと思います。
以下、記事内で変化点には黄色の下線を引きましたので、さっと読み進めたい方はそこだけ着目しつつ読み流してください。
目次
高級ホテルの稼働率は今
客数は激減
どこのホテルでも話を聞くと感染拡大が明確になった3月以降、従業員の方が客より多いのではというレベルで客数が減っていたようです。
かく言う自分も3月後半から6月前半にかけては自宅待機していたので、それだけで今年のホテル滞在数が50泊分以上減っています。(僕がどのくらいホテル滞在しているかはこちらの記事に書きました > 【年200泊する僕が徹底解説】得するホテル予約サイトの選び方(ノウハウ全部出し))
その時期は、マンダリンオリエンタル やアマンのように長期に渡り休業していたホテルも多く、7月以降、探り探りで感染対策を講じつつどう再開していこうかと模索している様子が伺えました。
特に都内でも最高級のアマン東京は、復帰当初、前の客がチェックアウトしてから同じ部屋には24時間以上次の客を入れないとうたっており、相当に部屋数を減らして運営している様子が伺い知れました。
コロナで客層は明らかに変わった
海外渡航禁止の影響
まず、何よりもインバウンド顧客がいなくなった影響が大きいと思います。とりわけグローバル展開しているホテルチェーンでは、ホテルフリークの会員層が世界各地からやって来ていましたが、この時期、そういった海外からの顧客層がほとんどいなくなりました。
GoToキャンペーンの影響
東京が解禁されていないとはいえ、GoToトラベルが一定の顧客層を取り込むことに成功していることは実体験から伺い知れます。日頃から使うホテルでは、普段はほとんど見かけることのない小学生くらいの子供連れが目立つようになりました。
上限の40000円をゆうに超える高級ホテルの滞在ですから、一人頭14000円浮く計算になるのでバカになりません。これは僕も恩恵を受けている身でもあるのですが、構造上壁が薄くなりがちな超高層ホテルで夜中に走り回られる物音はなかなかこたえます。
こういった客層の変化は特に休日や連休が顕著ですが、キャンペーンが続く限り継続するのでしょう。
チェックインから入室まで
まずホテルに入る際やチェックインの際に消毒や検温を求められるケースがほとんどになりました。デパートなども入館の際にはこれら必須のところが多いのでもはや慣れ親しんだ光景になりつつありますね。
また、室外での滞在中は原則としてマスクの着用も求められますが、それも含めて概ねアフターコロナでの外出時の過ごし方通りと思って良いかと思います。とはいえ、ソーシャルディスタンスを確保できる際にもマスクをつけ続けるというのはちょっとやり過ぎ感はありますが。。
エレベーターの乗り方
もともと、高級ホテルではエレベーターで窮屈さを感じるほど満員になることはほぼほぼないのですが、やはり三密を避けるように同乗人数を制限するメッセージのあるところがほとんどです。
マンダリンオリエンタル 東京などは、1組ずつの利用を案内されましたが、そこまでやる必要はないんじゃないかなとは思います。9月に開業したばかりのフォーシーズンズ東京大手町では、エレベーターの足元にうっすらと立ち位置が書かれていたのが印象的でした。
チェックインカウンター
チェックインカウンターはやはり飛沫ガードがつけられるようになりました。これとマスクのせいで接客の声が聞きづらく、案内を聞き直すケースが度々あります。。
ペニンシュラ東京では、チェックイン時に手荷物の消毒して部屋に持ってきてくれるというサービスがありましたが、これもちょっとやりすぎかなと思いました。
部屋への案内
ここはホテルによって対応が別れるところですね。キャピトル東京やパレスホテル東京などのように部屋まで案内してくれるところもあれば、ザ・リッツ・カールトンのように部屋への案内を省略しているところもあります。
セントレジス大阪 のバトラーサービスは、通常稼働していましたね。
ホテルの部屋での新しい生活様式
アフターコロナの高級ホテル新3種の神器
適当に言ってみましたが、旧3種の神器は何だろう。笑
「アメニティボックス」「オーディオ」「エスプレッソマシン」あたりでしょうか。いわゆる5つ星ホテルでは必ず見るのであながち間違ってない気がします。
ともあれ、アフターコロナの高級ホテルでは、それらに加えて「マスク」、「除菌ウェットティッシュ」、「消毒ジェル / 消毒スプレー」のいずれかまたは全てが部屋に準備、またはチェックイン時にサービスとして提供されるようになりました。ご参考にいくつか写真を載せてみます。
何となくホテルの格(ないしはお値段)とグッズが比例するように思いますね。このサービスはきっと当面続くでしょう。おかげさまで除菌グッズに関しては自分で購入する手間が省けております。流石にマスクは自前ですが。
紙類は削減傾向
高級ホテルでは、便箋、封筒、ポストカード、ペンなど文通セットが一通り揃っており、また高級志向の雑誌が置かれていることが多いのですが、これらを無くす動きがあります。
感染防止のためということで、アマンやインターコンチネンタルなどはフロントで手渡されるものを除き、ほぼ全ての紙類を廃止していますし、ホテルの案内が電子化されていたり、文通セットがないケースもちらほらとあります。
ブランドの色がでるこれらのグッズを見るのは一つの楽しみなのですが、これは意外とコストかかっていると思いますので、これを気に一気になくなる方向に進むかもしれません。
あとコロナとは関係ないですが、プラスチック削減をうたうホテルも増えつつありますね。ストローが紙に、歯ブラシが木製に、ペットボトルが缶になど、本当に環境に良いのかどうか怪しい変化がここ最近の世界的なトレンドです。
消毒が徹底されているらしい
こればかりは実際に消毒しているところを見ることはないので、各ホテルが宣言する内容を信じるしかありません。ただ、部屋の中のモノに消毒済みをアピールする様子を見ることが増えました。
ターンダウンサービス
ここはホテルによって色が出るところです。平常運転のところもあれば、サービスレベルを落としているケースや、サービスを停止していたパレスホテル東京のようなケースもあります。
ダイニングスタイルは様変わり
レストランでは、マスクを外した際にホテルの封筒や、ホテルブランドの専用のマスクケースを渡されたりして、マスクを収納する手段を提供いただけることが多いです。この辺りのサービスはちょっと高めのレストランと同等と思えば良いかなと思います。
朝食ビュッフェは絶滅危惧種(例外あり)
多くのホテルは現在、朝食ビュッフェは停止して、和洋食選択式のセットメニューでの提供になっています。ホテルによってはレストランでの提供はなく、後述するようにルームサービスでの提供というケースもあります。
ホテルの違いが際立つところなので、各ホテルのスタイルで楽しむのが吉です。
ビュッフェがなくなったとはいえ、そのクオリティはどこも高いので概ね満足できると思います。メニューも固定というよりは、色々とカスタムできるようになっていることが多いです。
下記記事のように一部ホテルではビュッフェが運営されています。
感染防止のためにマスク、手袋などの着用が必須だったり、一部のメニューだけセルフにしたり、従業員が取り分けるスタイルでビュッフェテイストを残す試みも見られます。ホテルの個性が強く出るところで良し悪しあり、特に悪いところが目につくホテルもありますが、朝から気分良く過ごすには、普段とは違うスタイルを楽しむ余裕を持ちたいですね。
寿司屋は消滅
高級ホテルには必ずと言っていいほどあるカウンターでサービスを行う寿司屋や鉄板焼きのお店は軒並み営業停止しています。9月ごろからは少しずつ復活の兆しは見えてきましたが、やはり多数はまだ閉まっている様子です。
バーなども営業時間を縮小していたりしますので、ダイニングを使う予定のある方はチェックイン時などに確認し、できれば席を予約しておくのが無難です。
アフタヌーンティーは変わらず盛況
宿泊者以外の一般客も交えてホテルの午後を賑わすアフタヌーンティーですが、これはどこのホテルも大勢で賑わっています。特に有名なパレスホテルなどは休日はあれだけ広いにも関わらず長蛇の列ができています。
インルームダイニング
宿泊予約サイトを見ているとビュッフェの代わりに部屋に朝食を用意するのがデフォルトのプランがよく見つかるようになりました。高級ホテルは部屋からの見晴らしもいいケースが多いので、それはそれで悪くない選択肢です。
レストランが営業縮小してしまっていることもあり、混み合う時間帯だと、電話をしてからおよそ1時間くらいかかるのでなるべく早めに予約しておくことをオススメします。
ちょっと気をつけたいのは夜のインルームダイニングの時間が早く終わるようになっている場合があるので、これまたなるべく早めにいつまで利用できるのか確認しておきましょう。
スパやフィットネスは使えるのか?
基本的に使えます。ただし、時間短縮されていたり、多くのホテルでは同時に利用できる人数に制限をかけていて順番待ちになることもあるので、利用される方はホテルに運用を確認しましょう。
もちろんHP等に記載があるものの、マンダリンオリエンタル のようにサイトでは休止と記載しつつ、要望が多かったということで再開しているケースや、逆に事前予約制にしているキャピトルホテル東急のようなケース(これまでのところ予約制はここだけしかありませんでしたが)もありますので。
外出自粛解除直後はサービスを停止しているところも結構ありましたが、9月に入っても再開していないのは稀です。僕が行ってきた中では、大阪のリッツカールトンはフィットネス会員専用で宿泊者はまだ使えない状態だったのと、同じく大阪のインターナショナル阪急もフィットネスはクローズだったくらいです。色々なホテルを見ていてもそれ以外はほぼ復活している印象です。
通常であればバスアメニティや果物など色々と備品が用意されているホテルが多いですが、ペットボトルの水以外は取り除かれており、必要なものは係員に声かけして持ってきて貰うという運用になっているケースが多いです。
ただ、なぜかバナナだけは置いてあるところをいくつか見かけました。笑
まあ、皮は触っても口には入れませんから感染リスク低いってことなんでしょう。
バスタオルはもちろん、消毒スプレー、除菌ティッシュなどはどこも大量に置いてますが、それらは使った設備を拭くために平常時からあったと言えばありました。
温浴設備
サウナや大浴場などの温浴施設が付いているホテルも多くありますが、それらも概ね平常運転です。ただ、ソーシャルディスタンスを確保するために座れる場所や同時利用の人数制限がかかっているケースがあります。まあ、サウナはそれほど長時間は入っていられないのでそうそう待ち行列ができることはありません。
ジム
ジムに関しては、多くの場合有酸素運動器具が1台おきでしか使えなくなっています。飛沫が飛ぶリスクがあるからでしょうね。ただ、巷のスポーツジムと違ってそもそもそんなに人で溢れることはないので、いくつかのホテルではこの施策が取られていないところもありました。
ちなみにどこのホテルとは言いませんが、筋トレ設備も含めて一律で1つ飛ばしで使用禁止の紙が貼ってあって、使いたい器具が使えなかったことがあります。いやいや、なんなんだその頭を使わない杓子定規の対応は、、って思いました。
パーソナルトレーニングや集合アクティビティについては未だ休止しているところがほとんどですね。その分、トレーナーの方がしきりに除菌作業しているのを見かけることが多いです。
プール
プールは水着の貸し出しを停止しているところがあるようでしたので、自前のものを持っていくのが無難です。これまた事前に確認するのが良いと思います。水泳キャップはどこも無料で貸してもらえるので持参不要です。
あと上でも述べましたが、GoToキャンペーンの影響か、プールで子連れを見かけることが増えました。正直、ガキの頃からこんな贅沢を経験していたらろくな大人にならないと思いますが、(まあ、それは他人事なのでどうでもいいですが)横で泳いでるのでせめてレーンを飛び出してこないようにしつけだけはちゃんとして欲しいです。
総括
書き並べてみると、思った以上に変化点がありました。ですが、実際に滞在して見るとそれほど不便を感じることもなく過ごせているように思います。紙の撤廃やビュッフェスタイルの変化など、一部の様式はこのまま定着する可能性も感じますね。
また、GoToの影響で高級ホテルフリークが増えるかもしれないですね。高級ホテル滞在は趣味にするにはちょっと金がかかりすぎますので、流石に世界各地どこでも5つ星クラスのホテルの客層は老人中心です。ですが、若い世代がこのタイミングで多くホテルに訪れて、その価値を経験していることは将来の高級ホテル業界にとってポジティブな影響があるかもしれません。
コロナ禍以降のホテル滞在記の一覧はこちらからどうぞ。
ちなみに国内の高級ホテルを予約するなら、GoTo事業社でもある一休からが簡単でお得だと思います。僕もこの夏の滞在はほぼ一休にお世話になりっぱなしでした。高級ホテルを利用していればすぐにダイヤモンド会員に到達できると思うので、ぜひこの機会に狙ってみてはいかがでしょうか。