冬の緊急事態宣言解除後の3月16日、大阪の御堂筋沿いにマリオット系列の新規ホテルW Osakaがオープンしました。このブランドは日本進出は今回が初めてです。このブログでも海外のWホテルは何度か取り上げていますが、ポップでありながらも凝ったデザインで高級感があり、親しみやすい雰囲気のあるホテルで料理も定評があり個人的には結構好きなブランドチェーンです。
そしてこのWホテル大阪は安藤忠雄監修による高層建築ということもありデザイン的に期待が持てますし、御堂筋沿いの希少立地であることも見逃せません。Wホテルはマリオット系列でラグジュアリーコレクションやリッツ・カールトン、セントレジス、エディションなどと並ぶハイクラスブランドなのでお値段設定もなかなか強気です。現時点ではすぐそばのセントレジス大阪よりもマリオットのカテゴリーこそ劣るものの、料金はそれ以上の大阪最高水準です。
滞在してみると客層がかなり若く20代らしき若者を結構見かける一方、このクラスのホテルにしては老年層がほとんどいないというちょっと特殊な客層でした。そんなこともあってかオープン直後はGoogleなどのクチコミでは酷評されてかなり低評価がついてしまっていましたが、開業から1月ほどがたち少しずつ評価が上がってきていますね。
さて、前置きはここまでにして、オープン直後の3月中に2度滞在してきたのでその滞在レポートを書いていきます。※その後、何度も利用しているので随時追記しています。
目次
ホテルへのアクセス
ホテルの立地は御堂筋沿いで、心斎橋と本町のちょうど中間地点、難波神社のお隣の区画という超希少エリアです。この辺りは個人経営の小さな飲食店が集積しているところでもあり、飲み食いにも困りません。ただ、大阪市内中心部の道路は一方通行が多く、ホテルの車付が御堂筋の裏にあり、おそらくまだ多くのタクシー運転手に知られていないホテルなのでタクシーでホテルに直接乗りつけるのは少々難易度が高めです。難波神社までと言って御堂筋を南に下ってもらい、難波神社を過ぎた道を右折してすぐ停めてもらってホテルまではそこから歩く(30秒ほど)のが一番無難かなと思います。
電車の場合は梅田方面からであれば本町、なんば方面からであれば心斎橋で下りましょう。晴れていればすぐに御堂筋に出て大阪のシャンゼリゼを歩けばいいですが、雨のときは御堂筋から東に一本入った心斎橋筋のアーケードを歩くと行程の大部分は雨を避けられると思います。
御堂筋側の正面入り口はコロナのため出口専用になっており、ここからは入れませんので裏に回りましょう。 ※21年7月現在、ここからも入れるようになっていました。
なお、この出口につながる道はこのようなフォトジェニックな空間になっていますので、ホテルから出る時はカメラの用意をお忘れなきよう。タイミングによってカラーが異なります。
さて、裏に回ってこちらがホテルの入り口。巨大なW文字のオブジェがあるのですぐにわかると思います。エントランス付近に大きなWのオブジェがあるのは万国のW共通仕様。各地デザインが異なりますが、ここのものは球体が集積しています。
ホテルに入るとやはりWのオブジェがいます。検温と消毒を促されますので素直に従ってフロント階行きのエレベーターに案内していただきましょう。5つ星クラスのホテルにしてはスタッフが全体的に若く、オープンしたてでもあってまだ接客もこなれてない感じでしたがそれもご愛嬌。(個人的には決して悪い印象はありませんでしたが、Google等のオープン直後の低評価のオンパレードはこのあたりが原因なのだろうなと思いました。)
Wフロア(3階)
インスタ映えしそうなライトを発するエレベーターを下りてフロント階でチェックイン。よくあるフロントの「F」階ではなく「W」階というWホテルの謎のこだわり。謎だなと思いきやWelcomeフロアってことのようですね。フロントはちょっと狭くてスペースがないのでタイミングによっては結構待たされるかもしれません。
受付の方がハキハキしゃべってくれるのは心地よいのですが、お隣の方とすごく距離が近くて個人情報筒抜けなのでもうちょっと控えて欲しいと思いました。。。リッツ・カールトンの受付の方たちがいつも聞き取りづらい声のトーンなのはそのあたりを気にしてるんじゃないかな、と逆に気付かされました。
Wというホテル名はWhatever/Wheneverからきているということで、コンシェルジュにもそのマークが。
そしてここにディスプレイされているこけしが気になるのですが、宮城で作られたものだそうです。この子たちは各部屋にもいるのでどの子がいるか楽しみにしてください。
こちらのスペースはLIVING ROOMというダイニング。アフタヌーンティータイム以降は結構混み合っていましたが、早朝の人がいないタイミングで徘徊できるのは宿泊者の特権。フォトジェニックスポットがたくさんあるので探索しましょう。※繁忙期はここもビュッフェエリアになることがあります。
お立ち台にDJスペースが気になりますが、天井にぶらさがるネオンも個性的。
いちばん奥にはこんなパーティールームも。コロナが終わったらイベントなんかでも使えそうです。
クリスマスツリーも個性的なライティングのオブジェが飾られていました。(全体を撮った写真がなかった・・・)
Wホテルは、各ホテルでオリジナルグッズを販売しているのを見るのも楽しいのですが、やはりここW大阪にもありました。このゴールデンゴリラも案外売れているようですね。
Oh.lala…というネオンの先はフレンチのメインダイニング。朝食もこちらでいただきます。ホテルの1階にはMYDO(まいど)という鉄板焼きのお店やUKIYOという日本料理、そしてMIXupというペストリーも入っています。
館内いたるところデザインに余念がありませんが、客室階のエレベータースペースの床面もこんな感じ。あちこちに円形(または球)が使われていることに気が付くと思います。
ホテルの客室タイプ一覧
- コージールーム(ツイン/キング) | 40平米 | 6−17階
- ワンダフルルーム(ツイン/キング) |40平米 | 18−27階
- スペクタキュラールーム(ツイン/キング) | 42平米 | 6階ー27階 角部屋 >滞在記
- ファンタスティックキングスイート | 60平米 | 7階ー12階
- マーベラスキングスイート | 80平米 | 6階ー27階 >滞在記
- WOWスイート | 120平米 | 不明
- エクストリームWOWペントハウススイート | 200平米 | 不明
W大阪のホテルの部屋タイプはこちらの7種類。僕はワンダフルルーム。スペキュタクラーキングルーム、マーベラスキングスイートに滞在経験があるので、部屋の様子はそれぞれ別途記事を書いています。(ワンダフルルームはお待ちを・・・)
このホテルを予約するときは、できれば御堂筋向きの部屋かつ15階以上のなるべく高層階での滞在をリクエストしていただきたい。どうしてもビルの密集地にあるので、頭ひとつ抜けている超高層建築ですが、御堂筋エリアの旧建築高さ制限までは周囲のビルがあるので低層階と高層階で眺望に関しては満足度が大きく変わると思います。
*御堂筋沿いの建築高さ制限は2013年に60mから140mまで緩和され、このホテルをはじめ高層建築の建築ラッシュが始まりました。今現在も何棟か建築中のビルがありますね。
マリオットのプラチナ・チタン・アンバサダー会員特典
マリオットボンヴォイのプラチナ以上の会員の方は、もちろんW大阪でも会員特典がついてきます。通常のレイトチェックアウト16時まで(ホテルの混雑状況による)や部屋のアップグレードなどは他のホテルと同様。他にポイントの加算やレストランの割引きなどですね。
選択式の特典は、1000ポイントの追加ポイントか無料朝食かW大阪オリジナルグッズから1つ。ここも朝食が美味しいので朝食が無難ですが、オリジナルグッズはWのロゴが入ったカードケースでした。普段使いできそうなデザインでしたし、コロナ明けにまた海外のWに行くときに持っていくと楽しいかもなんて思いつつ、結局毎度朝食を選んでいます。笑
アンバサダー特典かもしれませんが、いつもたい焼きやたこ焼きを模したスイーツがウェルカムスイーツとしてメッセージカードが添えられて用意されていますね。
他に、通常はプールエリアは追加料金(¥6,325)がかかるのですが、チタン以上またはスイートルーム利用の顧客はこちらも無料になります。トレーニングウェアの貸出しはプラチナ以上であれば無料になるようでした。
W大阪にはクラブラウンジがありません。そもそもWホテルはラウンジはないのでいつも代わりにドリンク券をもらえるのですが、ここはそういうサービスはありません。
マリオット会員やSPGカードホルダー向けに書いておくと、現在このホテルはカテゴリー6なので無料特典やポイント利用がかなりお得です。来年以降、カテゴリーが上がる可能性が高いので今のうちに堪能しておくのが正解だと思います。 22年度以降、カテゴリー分類が廃止され、ホテルごとに個別のポイント設定となりました。Wホテルは22年度時点では少ないポイント設定になっているため、引き続きおすすめです。
ポイント利用または無料宿泊特典で国内のマリオット系ホテルの宿泊を考えている方にはこちらの記事も参考になると思うので貼っておきます。 > マリオットの無料宿泊特典のオススメの宿泊先
AWAY SPA – プール&フィットネス 4階
受付のディスプレイがしゃれています。これ毎日お手入れするのが大変そうですが、いつもきれいに花が咲いています。
デトックスウォーターとともに差し出されたコースターのデザインがかわいい。この大阪の街並みを書いたデザインは各部屋のクローゼットの壁紙にも使われているので必見です(カラーの部屋とモノクロの部屋があります)。コースターも確か4種類あるとか聞いたような気がします。
※開業後しばらくして、このコースターの提供はなくなったような気がします。
WETエリア(プール)
プールは全長20mということでそこそこの広さがあります。オープンしたてなのでホテル系ブロガーとかユーチューバーとかがいっぱいいそうだなと思っていましたが意外にも独占して泳げました。
スイート利用またはチタン会員未満は利用料がかかることもあり、繁忙期でもそれほど混雑することがありません。16歳以上の利用制限があり、子連れで騒がしいことがないのも個人的には嬉しい。
更衣室にある温浴施設にはドライサウナが併設されていますが水風呂はないので、サウナを出てプールでクールダウンするパターンですね。サウナの温度計は60度くらいを指してましたがあれ壊れてないですかね?体感的には80度台な感覚でした。いずれにせよやや低めの温度です。サウナ利用もたまに人がいますが、ほとんど一人で独占して使えますね。
プールの外、中庭にはバーエリア(WET BAR)があり、3月現在はまだ開店していませんでしたが夏場は外でお酒も飲めるようになるようです。>> 7月現在、開店しています。11時または14時開始のフリーフローのプランで事前予約が必要です。
公式サイトはこちら>https://www.tablecheck.com/ja/shops/w-osaka-wet-bar-deck/reserve
プールは片側が全部階段になっていてターンがしずらいのでガチ泳ぎ勢にはいまいちですね。仕方ないのでここはもうリゾート気分に振り切りましょう。
プール横の中庭エリアは季節ごとにイベントが開催されていて、夕方など、宿泊以外のカップル客で賑わっていることがあるのがちょっと微妙ではあります。
FITエリア(フィットネスジム)
ネオンが光る明るい空間です。機材はそこまで多い方ではないですが、サンドバッグなどもあり、キックボクシングのトレーナーの方もいて体験できるようです。
ストレッチスペースは角地に囲われています。低層ですが、ちょうど道の間から朝日が差し込むので非常に明るい空間です。
またランニングマシーンは御堂筋に面して配置されていて、車や人の流れを見下ろしながら走れます。昨年後半からちょいちょい見かけるようになったマシーン間のガラスボードがついていました。
置いてあるフルーツが定番のバナナではなくりんごでした。これかぶりついて食べてたらなかなかワイルドですな。用意されている水はエディション虎ノ門なんかと同じく紙パックでした。ここのところ高級ホテルが少しずつプラ廃止に舵を切っていくのが伺えます。
インルームダイニング
部屋に紙の案内などはないので、ダイニングメニューはテレビで確認しましょう。オーダーは電話機のwhatever/wheneverと書かれたボタンを押してインルームダイニングをオーダーしたいと伝えると受け付けてもらえます。
白いテーブルクロスがかかっていない台車を見たのは初めてです。部屋のカラーに合わせてピンクのクロスが載せられていますが、おそらく偶数階では青くなっているのだと思います。
こちらは神戸ビーフ100%のハンバーガー。見ての通り結構肉厚です。これまた厚めの玉ねぎに目玉焼きやアボカドなども入ってました。バンズもピンク色ですが、さすがに青の部屋で頼んでも青いのは出てこないですよね・・・。
Oh.lala…で朝食
他のエリアと同様に天井からぶら下がった丸い証明が特徴的。円形のソファ席が並んでいるインテリアはアムステルダムのWを思い出します。あそこの料理は絶品でした。
窓際席は早起きの特権。御堂筋を真横に見る特等席です。コロナ禍で朝食の時間予約が必要なホテルが多い中、W大阪は早い者勝ちスタイルですのでみなさんぜひゴールデンタイムの8時よりも前に行きましょう。
なお、開業当初、ビュッフェではなくプレート式朝食で運用されていましたが、22年の年末にはビュッフェが始まっていましたので、それぞれの様子をレポートしていきます。
コロナ禍中のプレート式朝食
コーヒーまたは紅茶を選びますが、紅茶はちょっとフルーティー風味のブレンドティーです。ホテルオリジナルのブレンドということでしたが、アートオブティーとのコラボとかじゃないかな。フレッシュジュースはいろんな種類を持ってきてくれるので好きなものを好きなだけいただきましょう。
パンの盛り合わせをスタッフの方が持ってきてくれます。多くのホテルでは2、3種類の制限があることが多い中、好きなだけ選んでOKと太っ腹です。とはいえかなりハイカロリーな品揃えで食べすぎると胃がもたれそう。
もちろん食パンスライスなどはトーストしてもらえます。
前菜の盛り合わせ。オーソドックスにハム系のオードブルにサラダとフルーツとヨーグルト。ヨーグルトはいくつか種類が選べたと思います。写真のものはレモンですかね。
そしてメインは卵料理やパン料理、また和食も選べたかと思いますが、こちらがスタッフ一押しのエッグベネディクト。カラフルなブロッコリーにアボカドソースとなんだかヘルシーな雰囲気です。少々エスニックな味付けでもちろん美味。勧められるがままに選んでください。
こちらはフレンチトースト。黒蜜をかけていただきます。結構重たいのでこちらをオーダーする際はパンは控えめにどうぞ。シンプルにオムレツなどでもいいですね。
和朝食を選ぶとオーソドックスに焼き魚と付け合わせのお膳で、やはり5つ星のクオリティです。
お料理はこちらの厨房で。フロアの逆サイドにもまた違った雰囲気のビュッフェボードがあるのでビュッフェスタイルに切り替わったときにはお料理を取りに結構歩きそうです。
アフターコロナのビュッフェ始動
コロナ禍中、キッチンエリアの前の客席だったエリアがビュッフェ台に変身しています。和洋の料理が並び、品揃えはそこそこ。昨今のインフレ事情を反映してか若干物足りなさは感じますが、朝食としては十二分な分量です。
パン類は反対側に並んでいます。客席エリアの両サイドに分かれるのでちょっと歩きます。
ビュッフェ以外にやはり卵料理を選べます。エッグベネディクトはプレート式のときよりもシンプルでやや小ぶりになっていますね。
年明けの訪問で日本のホテルでは珍しくシャンパンも見かけました。年末の訪問時には見かけなかったので特別対応だったのかもしれませんが。
繁忙期は上述したLiving Roomも朝食ビュフェエリアとして使われていました。バーカウンターにぐるっとメニューが並び使い勝手は良かったものの、座席はカフェテーブルなのでちょっと食事はしづらかったです。
最近の訪問時には持ち帰り用のコーヒーと紅茶が用意されるようになっていました。
まとめ
ポップ路線という意味では昨年銀座にオープンしたアロフト銀座や各地に増えつつあるモクシーと同系統ですが、やはり高級感と特別感ではそれらのブランドとは一線を画します。
これまでこの界隈のホテルといえばセントレジス一択でしたが、ここも候補に入れておきたいと思います。実は3月の滞在では1泊だけする予定だったのですが、すごく快適だったので思わず予定変更して別日にもまた泊まってしまいました。そのくらい魅力的なホテルでしたのでおすすめです。ただし、オープンしたてでまだサービスレベルは追いついていないと思うので寛容な心で行くのがよいと思います。
ということで長い記事になってしまったので、部屋の記事は次に書きます。