世界遺産にも登録されている京都中心部に位置する二条城入り口のすぐ隣という素晴らしい立地に昨年11月に開業したばかりの三井系のラグジュアリーホテルです。旧来は、越前松平家の福井藩邸があった場所ですが、明治維新の廃藩置県、そして戦後の財閥解体を経ていくつものホテルブランドに変遷し、新しくマリオットのラグジュアリーコレクションに加盟するホテルとして誕生しました。
GoTo下の開業間も無く緊急事態宣言の発出となかなか波乱含みの開業でいろいろ大変そうでしたが、地下に温泉設備もあり、京都中心部で非常に優雅に過ごせるよいホテルでした。今回の滞在では、昨年海外に行けず余りに余っているスイートナイトの特典(マリオット系ホテルで年50泊などの節目でもらえるスイートルームへのアップグレードを申請できる権利。国内のホテルでは滅多に認可されない)を使ってみたところ、運良くアップグレードしてもらえたので今回はスイートルームの滞在記です。
目次
ホテルへのアクセス
迷いようのない立地です。このあたりは碁盤目に整備された京都らしい町家が並ぶので、二条城巡りのついでに周辺を散策してみても面白いと思います。
二条城側から見るとこのような佇まいです。こちらは北西側ですので、左に見える道を進んだ向こうの北東角には以前、リッツ・カールトン京都の滞在記で言及した鬼門封じがしっかりとあります。その先を右手に曲がるとホテルの入り口です。
チェックイン時にはウェルカムドリンクにほうじ茶と砂糖菓子。そしてコロナグッズのひのきの香りのする消毒スプレーが提供されました。
エレベーターのボタンが水平についています。これはユニークですね。初見だとちょっとボタンがどこにあるかわからない。この写真は最上階の4階のものなので下りボタンだけです。
廊下はこのような雰囲気。そこそこ長い廊下ですね。左手の窓からは後述する中庭が見えます。
エグゼクティブスイートの部屋
北向きの部屋でした。右側が東の二条城側ですね。てっきり二条城側にスイートが並んでるものと思っていましたが、案外そうではないようです。まあ、東側は道路ですから、静けさの面ではこちらサイドが上等なのかもしれません。後述する中庭が見える部屋も良さそうですけどね。
リビングルーム
部屋へは履物を脱いでスリッパに履き替えて過ごす和風スタイルです。座椅子が用意されているのはご年配の方への配慮ですね。普段気に留めないですが、こういうのがあるのを見るとちゃんと配慮されてるなと気づきます。
部屋に入るとまずはリビングです。
手書きのメッセージと共に、お茶菓子といちごなどが用意されていました。
別アングルから。ソファスペースに、デスクにと機能的にコンパクトにまとまっていて過ごしやすい空間です。
高層建築がNGの京都市内の街区ですから、最上階の4階とはいえ眺望は望めません。ということで常時レースを下げっぱなしでした。
最近、削減されがちなレターセットなどもしっかり用意されています。
ミニバー
すっかり手に入りづらくなった響を備えます。カクテルグッズがしっかり揃っているのも見逃せません。
作業用にテーブルが引き出せるようになっています。
冷蔵庫は引き出し式でがっつりいろいろと入っていました。スモークチーズまであるのは珍しい。
定番のネスプレッソと TWGですが、銘柄はちょっと他ではみないタイプのもので差別化されております。
ベッドルーム
リビングの隣に進むとベッドルーム。キングサイズのベッドが入ります。
スイートにしてはサイズの小さめな収納でした。ヨガマットがありますね。
左の扉を開けると引き戸はたくさんありました。もちろん油圧式でふわっと閉まる高級なやつです。
下の棚にはパジャマ。隣の引き出しにはホテルの紙バッグなど入っていたと思います。
ターンダウン時にフェイスマスクがベッドサイドに置かれていました。このサービスも他では経験ないですね。
バスルーム
ダブルシンクで広々した空間ですが、壁面に大きなガラスが貼られているのでなお一層広く感じます。あの位置に鏡があるのは意外と珍しいと思います。
アメニティ類はダブルシンクの間の箱に詰め合わされています。標準的なセットが一通り揃っています。そしてここのバスローブはめちゃくちゃ肌触りがよかったです。タオルもふかふか。
この写真だとあまり大きく見えませんが、バスタブはかなり広いです。写真には写っていませんが、天井にはもちろんレインシャワーがついています。
最近、4つ星クラスのホテルでよく見かけるボタン式の水栓ですね。水量の調節はできません。ボタンなので一目瞭然でレインシャワーとハンドシャワーを間違えないかと思いきや、意外と間違えて押してしまい、一気に大量の水にかかるというのをやらかしがちなので(体験済)、普通のレバー式の方がいいかなと思ったり。
シャワーの固定位置は、こちらのプッシュボタンを押すと動かせます。これ結構ポイントが高いと思いました。高級ホテルでも水回りのデザインはイケてないホテルが多いんですが、特に困るのがデザイン重視でシャワーの固定位置が硬くて動かせなくなってしまっているケースで、ほとんどのホテルでイライラするんですが、ここのはすんなりとストレスなく上下させられました。
バスアメニティはラグジュアリーコレクションブランド公式のバイレードではなく、このホテルオリジナルでした。これ、プラスチックでなく、油絵の具のような金属チューブに入っているんですが、写真で質感の違いわかりますかね?こんなのは初めて見ました。面白い。
石鹸はダンディズム感じる香りで、一方、シャンプー類はフルーティなかなりいい香りに感じましたが、パルファンサトリという香水ブランドが採用されているようです。こちらのブランドは東京のペニンシュラでも昨年採用が決まったみたいですね。以前宿泊したときは違うブランドだったのでまた今度行ってこようと思います。
バスタブには固いヘチマスポンジと桜色のバスソルトが小鉢に入って置かれています。
トイレはもちろんTOTOの自動開閉タイプですね。トイレ入り口の扉が結構重めです。そういえば昨年開業したラグジュアリーホテルはトイレの扉が重いところが多かった気がします。最近のトレンドなんですかね。
ホテルの施設探訪 見所たくさん
旧跡
京都洛中にはあちこちに史跡を示す石碑が立っているのが見つかるのですが、このホテルの敷地には旧福井藩邸の石碑とこちらの橋下左内が居住していたことを記す石碑があります。この立て札は冒頭のホテル外観の写真で左下に見えていたものです。
ライブラリー
ロビー横の和書が並ぶライブラリー。北三井家やホテル入り口の梶井宮(かじいみや)門に関する展示などがこのスペースの右手にあります。
中庭
日除けがかかっているガラス戸の奥がチェックインロビーですが、そこから水庭を挟んで庭園が広がります。写真右手の建屋にはイタリアンレストランが入ります。
庭園はこのような雰囲気。枯れ木でやや殺風景ですが、奥に見える1本の梅の花が5分咲きというところでした。ここは絶対秋に訪れたいですね。奥に見える平屋は総檜造りの四季の間という建屋で、お祝いの席やレストランとして利用できるそうです。
茶居
予約が必要ですが、こちらのスペースで抹茶をいただくことができます。
サーマルスプリング
地下にサーマルスプリング、すなわち温泉施設があります。水着を着用して入るスタイル。現在は、さらにマスクの着用も義務付けられていました。マスクは入る際に提供いただけます。マスクして温泉に入るのは初めての体験でしたが、めちゃくちゃ不快です。流石にやりすぎ。。会話禁止とか言っとけば、このクラスのホテルの宿泊客ならみなさん守ってくれると思うのだけど。
電子機器の持ち込みはNGということだったので写真はありませんが、こちらのテレビ画面の映像通りの空間でした。僕が利用したタイミングは運良く誰もいなかったので、めちゃくちゃぜいたくな体験でした。写真の真ん中あたりに白いレースのカーテンのように見えるところがありますが、時折このように水が降ってきます。プールで泳げないのは微妙だなと思いつつ行ってみましたが、いやいやこれはなかなかよかったです。
レストラン会場やこのサーマルスプリングは混雑状況がこのテレビ画面でわかるようになっています。時間帯によっては混雑している状態になっていましたね。
ダイニング
かなり記事が長くなってしまったので、お食事の情報は別記事にまとめますので少々お待ちください。。
> 書きました。>> ホテル・ザ・ミツイ京都のイタリアンダイニングFORNI
まとめ
この滞在時はちょっと天気もよくなかったのでお隣の二条城にも行かずにおこもりステイでしたが、設備もアメニティもクオリティが高く、非常に満足のいく滞在になりました。少々お高いですが、ここは京都滞在リストに入れておきたいと思います。次は秋に中庭の紅葉を見に訪れようと思います。
このホテルはマリオットのカテゴリー7でスタートしていますが、すぐにリッツ・カールトンや翠嵐と同じ最高ランクのカテゴリー8に更新されるだろうと思います。すでにホテルの価格自体はリッツ・カールトン並ですから、マリオット会員でポイントを持て余している方はぜひとも今のうちに利用して滞在されることをオススメします。