村野藤吾による設計を継承し、昨年2020年7月にリビューあるしたばかりの佳水園にこの秋宿泊してきました。京都のホテルの中でも最も格式高いと言っても過言ではないこの宿泊施設はウェスティン京都の敷地内にあります。
ウェスティン京都の本館の滞在記は以前書きましたので下記記事を参照ください。

ホテルに到着すると、通常のフロントでのチェックインではなく佳水園専属のスタッフが敷地まで案内してくれます。
目次
佳水園にチェックイン

ウェスティン京都は高低差のある山の斜面に建築されており、7階相当の丘陵地に佳水園の建屋があります。こちらの古式ゆかしい軒先が正面入り口です。

こちらの屋根付きの裏通路を通ってウェスティン本館に向かうこともできます。こちらのルートは夜9時にホテルからの入り口にロックがかかるためアクセスするのにルームキーが必要になるとのことでした。

佳水園に到着するとこちらの応接フロアで抹茶とお茶菓子をいただきつつ、自慢の中庭を眺めながら優雅にチェックインです。


お茶菓子は末富さんの光悦という銘菓でした。

ひょうたん島と枯山水の庭。こちらは60年前に作られたものということでした。

正面口から入ってすぐに見えるこちらの岩山の造形は90年前に作られたものだということです。
雪の部屋

中庭の広さに相当する広い部屋。右の色が塗っていないエリアに後述するライブラリーがあり、①が正面口側の入り口、②が裏ルートの入り口です。ホテルに向かうには②からが近道でした。

半地下の部屋で、入り口の前に階段があります。

玄関に座席が用意されているぜいたくな空間の使い方です。

玄関から上がるとミニバーエリアと逆サイドにトイレ、奥に居室、書斎、ベッドルーム、バスルーム、ウォークスルークローゼットとぐるっと回って戻ってくることができるレイアウト。このように周回できる部屋は日本のホテルではあまり見かけません。広さを活かしたつくりとなっています。
居間
8畳ほどの広さの居間です。テレビは壁面の障子の中に隠されています。

居室の奥には縁側も。
エアコンのコントローラーも木箱で隠されています。夜中、意外とこのコントローラーの明かりがまぶしかったりするので助かります。
書斎

居室の奥には小さな書斎が隠れていました。
寝室

ベッドルームも広々です。こちらは畳ではなくフローリングでした。

ベッドサイドにはやはりウェスティン御用達のラベンダーパームが用意されています。手前の水色のパッケージはコロナグッズの消毒用ウェットティッシュですね。

初秋で紅葉にはやや早いタイミングでしたが、窓の外には緑豊かな庭園が広がっていました。

このようにベッドサイドからも外の緑を楽しめます。

居間と寝室の間にも書斎スペースがあり、そこそこの広さのデスクが用意されています。

便箋や特製の切手、絵葉書などに加えて、匂いのついたしおり、そしてガラスペンまで用意されていました。文豪気分で筆をしたためられますね。
ミニバー

酒どころ伏水のお水が瓶入りで用意されています。この水、すごくおいしく感じました。同じくマリオット系列で嵐山にある翠嵐でもペットボトルでこの水が用意されていましたが、特別おいしいと感じた記憶はないので不思議です。瓶入りだからですかね。。いやでも確かにおいしかった。。

冷蔵庫は近年流行の引き戸タイプです。
棚の中にひととおりのグラス、カップが揃います。お茶はJING ティーでした。ウェスティンの方はTWININNGでしたのでやはりここも差があります。ホテルのお茶に関しては下記の記事にまとめています。


パッケージ茶だけでなく、卓上にはオリジナルブレンドの茶葉が用意されていました。

こちらはマリオットの上級会員の特典(たぶんプラチナ以上)でサービスいただいた地酒と野菜チップ。
温泉付きの浴室

ウェスティン京都は共用の温泉施設が今年(21年)完成していますが、佳水園ではわざわざそちらまで出向かなくても部屋にいながらにして温泉を楽しむことができます。泉質はスパよりも粘度が高くとろみを帯びていました。水温は60度で出てくるようになっていますが、源泉は30度ほどのものを温めて出しているということでした。

風呂のアメニティはホテル内にスパもあるSOTHYSのものでした。
ちなみにウェスティンのすぐそばのふふ京都も部屋に温泉がついていておすすめです。


バスルームは床暖房がついていて快適なダブルシンク。




アメニティも豪華です。通常のウェスティンセットに加えてSOTYSのパッケージ。ドライヤーは高級ホテル御用達のレプロナイザー。そしてユニークだったのが高級髭剃りセット。こういうのは他では見たことがありません。
トイレ

トイレも広々ですね。
ウォークスルークローゼット


5つ星級のホテルでは珍しい消臭スプレーがありました。

部屋着はパジャマと浴衣が用意されています。

共用温泉に行くための浴衣とバッグも用意されています。
夜食

夜食としておいなりが提供されました。

また佳水園の利用者はクラブラウンジ(当時は閉鎖中でレストランでの提供)を利用できるため、夕方のカクテルタイムでは軽食とアルコールをいただくことができます。
ライブラリー

ラウンジ代わりに使えるスペースがこちら。そこそこ広い上に、半地下のエリアやデイベッド、書斎風の席などもあり思い思いに過ごせます。室内には村野藤吾の作品集をはじめ建築や京都にまつわる書籍が揃っていて、それらをのんびり眺めて過ごすのもぜいたくな時間の使い方だなと思いました。
何度か訪れましたが他のお客さんと出くわすことはありませんでした。

部屋と同じくネスプレッソやお茶などが大量に用意されています。リビングスペースのテーブルの上にはお茶菓子もありました。

中庭を眺めながら文筆作業に勤しむこともできますね。
朝食
朝食は通常のウェスティンのビュッフェ会場での提供でした。
朝食の様子はこちら
まとめ
リニューアルされたばかりで最新鋭の設備が整いつつも昔ながらの趣を残したとても良い施設でした。1泊15万円超と、京都とはいえなかなか別格のお値段でお気軽に訪問できる旅館ではありませんが、それに見合う滞在体験でした。また今度は特別なときにおこもりステイに訪れてみたいなと思います。