僕は2013年からベネチアビエンナーレの開催年に合わせて現在まで(コロナで国境封鎖されていた1年を省いて)2年に1度のペースで夏場にベネチアを訪問して過ごしてきました。気が付けばベネチアとは10年以上の付き合いです。
もともとはアートきっかけで興味を持ったのが始まりでしたが、そこから歴史を学ぶにつれてさらに魅了され、これまで本島、離島はもちろんベネチア近郊の街まで、かなりディープなところまで歩き回ってきました。その結果、今では旅行者としてはかなり詳しくなったと自負しています。
当ブログでは、ベネチアを訪問してきた生の情報を様々な切り口で記事にまとめているのですが、ちょっと散らかってきたのでこの記事でガイドしておきたいと思います。ちなみに全記事まとめると20万字を超えているので分厚い本ができそうです。。
>>ということで、電子書籍を作ってみました。ブログには書いていない情報や厳選した絶景写真をふんだんに盛り込んでいるので、ベネチア旅行のお供にどうぞ。Kindle Unlimitedでも読めます。
ガイドブックに載っていない情報が満載だと思うので、ぜひベネチア旅行の予習や現地での滞在に役立ててください。
目次
ベネチアについて
ベネチアとベニスは何が違うの?にお答えしますなぜだか検索流入がすごく多い記事でした(が、生成AIの要約が検索トップに出るようになってから流入が激減しました…パクリ記事よりたちがくないですかあれ。。)。
ともあれ、結論、ベネチアもベニスもヴェネツィアも全部一緒です。知らないと混乱しますよね。なお、当ブログでは、「ヴェネツィア」ではなく「ベネチア」の記述を採用しています。
【旅する前に読んでおきたい】おすすめのベネチア本まとめベネチアの歴史や文化について学ぶことができるガイドブック以外の書籍を紹介しています。ベネチアだけを扱ったガイドブックは見たことがありませんが、イタリアのガイドブックにはローマ、ミラノ、フィレンツェあたりと合わせて掲載されていることが多いですね。
18世紀の風景画と見比べてわかるベネチア今昔当ブログで人気の「旅先で見たアートコレクション」系記事の一つとして書いたものですが、ちょっとベネチアの街並みの見方が変わるかもしれない渾身の一記事です。
ベネチア旅行に役立つリンクまとめ各種公式サイトのリンクをまとめておきました。詐欺サイトなどに引っかからないためにお役立てください。
ベネチアへのアクセスと交通手段
もう迷わないベネチア本島への入り方(陸路と空路を解説)ベネチアへのアクセスに関してはこの記事が決定版です。24年7月時点の情報まで更新済み。
ベネチア本島内での移動については別途記事化したいと思っていますが、基本的にACTVのヴァポレット(水上船)のチケットを滞在日数分だけ購入し、Google Mapを利用すれば行きたい場所へ船で移動できるので、本島に到着次第手配しましょう。ベネチアUNICAパスで予約もできますが、特にメリットがないので不要です。
ゴンドラは乗り場があちこちにあるので、好きなところで乗ればいいと思います。ゴンドラは30分で90€しますが、トラゲットという運河を横切るだけの渡し舟を使えば、わずか4ユーロでゴンドラ気分が味わえるのでおすすめです。
ベネチアの天気・気候・安全
地中海性気候の夏場は過ごしやすい
僕はベネチアには夏場にしか訪問したことがなく、それ以外の季節についてはコメントができないため個別記事は作っていません。
ご存じの通り、地中海性気候に属する土地柄、夏場はカラっとしていて基本的に晴天ばかりで雨はあまり降りません。何度か夕立にあった経験はありますが、夜に強い雨が降っていても翌日には晴れ上がっていることが多く、連日の雨というのは記憶にありません。やはり暑い日は30度を超え、陽射しもきついのですが、湿度が低いので日陰に入ると涼しく、日本よりもずっと過ごしやすい気候です。
緯度が高いので、夏至の頃は日没時間は9時を過ぎ、早朝3時くらいには朝日が昇ってきます。冬場はもちろん逆に日が短いでしょう。ヨーロッパの冬は厳しいですし、アックアアルタ(高潮で島が水に沈むことがあります)の可能性も考えるとあまり冬場に行きたい感じはしません。2月のカーニバルは見てみたい気もしなくはないですが、おそらく行くことはないかな。。
犯罪率は低いけれども最低限の警戒を
個人的にはこれまでベネチアで身の危険を感じたことはありません。
ベネチアの夜は星空が見えるので、つまりそのくらい街灯は暗いです。サンマルコ広場やリアルト橋周辺は深夜までそこそこ人がいるので危険な感じは全くありませんが、それ以外の場所は人がほとんどいなくなるので暗い裏路地なんかはちょっと怖いです。できれば夜、暗くなってからの移動は徒歩ではなくヴァポレットを利用して人通りの少ないところを一人で出歩くのは避けるようにした方がいいかなとは思います。
ミラノやローマなんかと比べると、いきなり声をかけてきたりする変な詐欺師みたいなのは極端に少ないので、その点では割と安心ですかね。場所によってはすごい人混みのところもあるので、持ち歩くものを最低限にしてスリに気をつけてさえいれば犯罪にあう可能性は低いと思います。その点でも旅行しやすい街ですね。そういえば夜中に酔っ払いが喧嘩してたり、誰かが叫んでたりするのを見た記憶もないですね。他の都市だとよく見る光景なのですが。
一応、数値データで見てみると、 世界の都市を比較しているNumbeoというサイトでは日中の安全性に関しては非常に高い数値(東京より高い)となっています。そして夜はやっぱりちょっと低いですね。
>https://www.numbeo.com/crime/in/Venice
ベネチアのホテル選び
当ブログでは、5つ星ホテルを中心に滞在記を書いていますので、安宿をお探しの方は別サイトを当たってください。。
ベネチア本島内のホテルは世界有数の高価格設定なので、安く泊まるなら本土のメストレ駅周辺や、リド島などで探すといいだろうとは思います。ただし、24年から本島宿泊者以外は、繁忙期に入島税が取られるようになったのでその点はちょっと注意が必要です。
また、離島での滞在については後述する記事をご参照ください。
ベネチアの高級ホテルの選び方【5つ星ホテル完全網羅】ベネチアの5つ星ホテルはコロナ前は12軒くらいだったのに、コロナ後に20軒を超えるように急増しました。イタリアのホテルの星ランクは、一応、地方自治体がそれぞれ独自の基準で認定していて、認定されているホテルには鍵と星マークのロゴが掲示されています。
ベネチアビエンナーレ会場至近、コスパ抜群の4つ星ホテルを2つ厳選しました4つ星ホテルは、認定マークのない自称4つ星もあるので注意しましょう。他の都市なら2つ星並みだなというホテルが4つ星とされていたりもします。本島内のホテルは便利なので、立地分が上乗せされているという感じでしょうか。それにしても高いなとは思いますが。まあ、この辺の事情はローマやフィレンツェでも同じですね。
ベネチアのグルメ
ベネチア旅行で何を食べるか問題いくつかレストランの個別記事も書いていますが、こちらの記事で、諸々の食情報をまとめています。
ベネチアの観光情報
ベネチアには、VENAZIA UNICA PASSという都市周遊パスがありますが、観光のメインどころではこのパスが適用されない場所の方が多いので、少なくとも1週間以上の長期滞在でなければ不要だと思います。そもそもこのパスのルールや買い方がめちゃくちゃわかりづらい(というか正確な情報の記述がないし、現地の運用もイタリアらしく適当です)ので、無駄に時間ロスする可能性大です。調べる時間は他のことに使うことを強くおすすめします。
それでもご自身で検討してみたいという方は、公式サイトはこちら > https://www.veneziaunica.it/ ですので、変な仲介サイトに引っかからないようにご注意くださいませ。
ベネチア・アート巡り
アートの都で見るべきベネチアの美術館・博物館巡りまだいくつか回れていないところもあるのですが、メジャーどころは網羅できているので、こちらの記事を参考にしてもらえればまずは十分かと思います。この記事に掲載した場所を巡るだけでも1週間は過ごせますね。
【安藤忠雄設計】ベネチアの現代美術館「プンタ・デラ・ドガーナ」安藤忠雄建築で有名なプンタ・デッラ・ドガーナの個別記事も結構アクセスがあります。
ベネチア旅行の前に絶対学んでおくべきベネチア派の系譜ベネチア派を押さえておくかどうかでベネチアの美術館・教会巡りの満足度はまるで変ってくると思います。当然、絵の技術そのものは現代と比べれば格段に劣っているので、知らなければ素通りしてしまう作品が多いと思います。しかし、西洋絵画史においてベネチア派が果たした役割は非常に大きく、その歴史的な経緯を知っていれば、その作品の中に”感覚的な好き嫌い”とは違った価値を見出すことができるようになります。
遠近法が生まれる以前、そしてチューブ絵具もなかった時代にどう試行錯誤して画家やその工房は技術を追求していったのか、そして彼らのパトロンであった教会がどのような意図をもって彼らにその作品を発注したのか。あるいはその絵はどのような過去の作品に影響を受けて描かれたのか、どこに革新性があるのか、などなど考察しながら見ていくといくら時間があっても足りません。
そして、そんなベネチア派の重要作品は欧米の主要な美術館が所蔵していたりもするので、ベネチア派について知っていると、ベネチアのみならず世界中の美術館巡りが楽しくなると思います。
教会巡り
【厳選】ベネチアで行くべき教会 11選130以上もの立派な教会がわずかな空間にひしめくベネチアの教会の中でも、個人的におすすめの場所を厳選しました。他の都市なら主役級の教会にあちこちで出くわすので、いかにベネチアが裕福な国家であったかというのがわかるかと思います。ちなみにベネチアには斜塔がいっぱいあるので、探して歩いてみるのも面白いかもしれません。何本見つけられますかね?
ショッピング・お土産探し
ショッピングエリアを概観しようと思うので、しばしお待ちください。まあ、主要な観光地に向かう道すがらいろんな出店に出会えるので適当に歩いても大丈夫です。
離島巡り
ベネチアの離島巡り案内本島だけでもおなか一杯な見どころだらけのベネチアですが、ラグーンに散在する離島もまた違った魅力を持っています。ブラーノ島のカラフルな家の景観は、イタリア各地にある同様のカラフルな漁村と比べても特に映えるスポットですし、ベネチア史に興味がある方はその始まりの地とされるトルチェッロ島にも合わせて足を運んでみてほしいと思います。
エクスカーション(周辺都市巡り)
ベネチアの近郊都市周遊のすすめベネチアを含むベネト州には、ベネチアとの歴史的なつながりの強い都市が多数あります。ベネチア旅行は、ローマ、フィレンツェ、ミラノあたりと合わせて周遊するルートが一般的だとは思いますが、あえてベネチア周辺の都市を巡ってみるのも面白いと思います。ちょっと人とは違った体験を望まれる方はぜひチャレンジを。
まとめ
リンクだけ貼るつもりが、解説を加えるとこの記事もちょっと長くなってしまいました。。
それだけ背景情報が多いのがベネチアです。何も知らずに行っても十分に楽しめる水上都市ではありますが、いろいろと知識を深めてから行くとその滞在体験は格段に上がると思います。ぜひじっくりとベネチア観光を楽しんできてください!