高級ホテルのクラブラウンジについて解説してみます

ホテルの宿泊予約の際、「ラウンジアクセス付き」とか「クラブルーム」といったネーミングの部屋を見かけることがあると思います。高級ホテルには、宿泊する部屋とは別に一部の顧客だけが滞在中にアクセス可能な共用施設、いわゆるクラブラウンジが用意されていることがあります。(ややこしいですが、ホテルフロント階などにある誰でも利用できるオープンラウンジのことではありません。)

当ブログでも無数のクラブルームの滞在記を書いてきましたが、この記事ではそんなクラブラウンジについて詳しく解説しておこうと思います。

ラウンジの予約方法

宿泊客用のサービスなので、基本的にクラブラウンジだけ利用するということはできません。

ラウンジを利用するためにはクラブラウンジへのアクセスがついている部屋を予約しましょう。僕の経験上は概ね通常の部屋に30%プラスするくらいの相場感ですが、ホテルの格やラウンジの広さ・サービス具合などでかなり違いがありますのであくまでも目安として。

ラウンジアクセスの部屋はホテルの中でも特別な専用フロアになっていることも多く、その場合は部屋のインテリア自体、同じタイプでもラウンジなしの部屋よりもグレードが高いということもよくあります。

また、クラブラウンジのあるホテルでは、スイートルームの利用者もクラブアクセスの対象になります。

【初心者向け】ホテルの部屋タイプの違いについてまとめて解説します

ホテルチェーンの上級会員になると、通常の部屋を予約していてもラウンジアクセスを付与してもらえるケースもあります。このため、マリオットやヒルトングループ傘下の比較的安価なクラスのホテルのラウンジは、カクテルタイムや朝食時間は順番待ちになるほど混雑していたりしますね。

なお、ホテルによってはラウンジアクセスに年齢制限が設けられていることもあるので、予約時にはご注意ください。と言いつつ、子連れで来られている方はよく見かけるので少数派ではあると思います。

以下、当ブログで取り上げたことのあるホテルのラウンジ写真をいくつかスライドショーで載せておきます。

クラブラウンジの配置場所

クラブラウンジはホテル内で最も眺望がよい場所にレイアウトされていることが多いです。部屋の方角指定はある程度融通は効くとはいえ、追加料金がかかったり、そもそも眺望ごとに値段設定が異なっていたりすることも多いので、特徴的なランドマークが見えるようなラウンジがあるホテルでは、あえて部屋は別の方角を選んでコストを抑えつつ、ラウンジ滞在で眺望を楽しむというのもありかもしれません。

逆にあまり眺望がよくないホテルの場合、コストカットのためか、低層だったり眺望がないエリアに配置されていることもあったりするので、ラウンジがホテル内のどこにあるのかに注目してみるのもマニアックですが面白い楽しみ方ですね。

クラブラウンジのサービス

ラウンジの付帯サービスはホテルによって異なりますが、早朝から夜(21時くらい)までオープンしていることが多いです。コロナ禍中はサービスを休止していたり、営業時間を短縮していたケースも散見されましたが、23年現在ではコロナ前の水準のサービスが戻ってきている印象です。

ラウンジのサービスは、基本的にはエクスクルーシブな環境で過ごせるというのが基本ですが、それに加えてスタッフによる人的なサービスの提供もあります。

チェックイン・チェックアウト

まず、ラウンジアクセスがついた部屋を予約していると、チェックインの際には通常のフロントではなく、ラウンジでウェルカムドリンクなどをいただきながら座ってチェックインできることが多いです。(ホテルによっては、このサービスがないこともあります)

チェックインタイミングによってはフロントに待ち行列ができていることがありますが、そんなときであっても列に並ばずにスタッフにクラブルーム滞在であることを伝えましょう。ラウンジに案内してもらえると思います。

もちろんフロントが空いている場合には、そのままフロントでチェックインしてしまうことも可能です。

実はクラブラウンジがついているようなホテルであれば、多くの場合チェックイン時刻よりも早く到着しても部屋に入れます。まれに準備が整っていないこともありますが、そういった場合であっても荷物を預けてラウンジで過ごすことができるので迷わずホテルに向かいましょう。

最近はカードキーを返却するだけのエクスプレスチェックアウトを導入しているホテルも多くなってきましたが、やはりチェックアウト時間はフロントが混雑することが多いので、比較的空いているラウンジでチェックアウト処理をしてもらえるのは便利だったりもします。

また、チェックアウト後もラウンジで過ごすことが可能なケースも多いです。時間制限があったりもしますが、出発日のアフタヌーンティーまで提供いただけるようなこともありますね。

コンシェルジュ

5つ星クラスのホテルでは、旅行案内やタクシー等の手配、レストランの予約等々、旅に関わるよろず相談を受けてくれるコンシェルジュがフロントの近くに常駐していることが多いですが、これと同等以上のサービスをラウンジでも受けることができます。

平日昼間はラウンジで仕事をされているビジネスパーソンをわりと見かけますが、郵便物の処理やデータの印刷、ちょっとした調べ物などの庶務をコンシェルジュに頼まれているのを目にすることもありますね。

通常はあまり使うことのないサービスではあると思いますが、まあ、滞在中になにかあれば気軽に相談してみるのはありだと思います。特にホテル周辺のレストラン情報などはネットで検索するよりも確実です。

フードプレゼンテーション

さて、ラウンジ滞在の醍醐味はなんといってもラウンジ飯こと、フードプレゼンテーションでしょう。ホテルによっては1泊中に5回、7回とこれでもかというほどの食事提供があったり、逆に簡素なスナックが用意されているだけのこともあり、そのサービスレベルは千差万別で一概には言えないのですが、ここでは標準的なサービスパターンを書いてみます。

軽食・ドリンク

コーヒー、紅茶、ソフトドリンクについてはラウンジアクセスが可能な時間帯ではいつでも好きなだけいただくことができます。まあ、ラウンジがあるようなホテルであれば部屋にもネスプレッソやティーセットが揃っているのでわざわざラウンジに足を運ばなくてもよいという説もありますが・・・

ただし、ホテルによっては部屋に揃えている銘柄とは別のブランドが用意されていたり、エスプレッソマシンも豆から挽くタイプだったりと違いがあることもありますし、部屋では楽しめないカプチーノやカフェラテなどのミルクレシピもあったりもしますね。

また、格式の高いホテルではセルフサービスではなくスタッフが提供してくれるというのも利点でしょうか。

高級ホテルで飲み比べてわかった美味しいお茶まとめ

アフタヌーンティー

チェックイン時間の15時を挟むタイミングでアフタヌーンティーのサービスが提供されるケースもよくあります。おおむね14時から17時くらいの間で2時間くらいのセッティングされている印象です。

都心のホテルのレストランは休日のこの時間帯はアフタヌーンティーを楽しむ女子会客の順番待ちで溢れかえっていますが、ラウンジではそんな混雑を避けて優雅にお茶菓子を楽しむことができます。

ビュッフェ形式、プレート式とホテルによってまちまちですが、ここで食べすぎると夕食に支障をきたすこと間違いなしなのでご注意ください。

カクテルタイム・シャンパンアワー

夕食前の腹ごなしという体で、17時から21時くらいのタイミングでこれまた2時間くらいの時間制限でフリーフロー(飲み放題)スタイルでのアルコール+食事の提供がありますね。

コロナ以前はビュッフェ台に食事とドリンクが並べられてセルフサービスがメジャーでしたが、コロナ以降は料理はプレート式でドリンクもスタッフが順番に用意するスタイルがスタンダードになりました。

朝食

朝食に関しては、ラウンジアクセス顧客は、通常のレストランまたはラウンジでのサービス提供のいずれかを選択することができます。一般客向けの朝食会場と同じく、ラウンジでもビュッフェスタイルで提供されることが多いです(コロナ禍中はビュッフェはほぼ停止していましたが)。

しかし、多くの場合、一般顧客向けの朝食レストランよりもメニュー数が少ないため、正直、ラウンジ朝食ではなく、通常のレストランに向かうのがよいと思います。

あえてラウンジを選ぶ利点は、空いているということだけなのですが、ラウンジアクセス権利を持った上級会員の滞在が多いホテル(特にヒルトンやシェラトン)では、順番待ちになるほど混雑したりするので、このメリットも享受できるとは限りません。

ちなみにラウンジではありませんが、コロナ禍中の朝食メニューがどうなっていたかは下記記事でまとめています。ビュッフェ形式が失われていた当時はラウンジと同等という感じでしたかね。最近はようやくビュッフェも解禁されてきたので、長らく「東京 ホテル朝食」の検索1位をキープしていた下記記事もアクセス数が最盛期の1/10くらいに減ってしまいました。

とはいえ、ホテルによる朝食の違いの雰囲気を掴めると思うのでおすすめの記事です。

コロナ禍でも朝食がおいしかった東京都内の高級ホテル総まとめ(ビュッフェもあり)

ラウンジでのマナー

ドレスコードが設定されているというホテルは記憶にありませんが、スマートカジュアルが無難ではありますかね。もちろんTシャツ短パン姿でも特に追い出されるようなことはありません。というよりも特に朝食時はそういう格好の人が大半というのが実態です。

子連れのアクセスが禁じられているケースは少ないのですが、旅行客が多い週末と違って平日の昼間はラウンジで仕事をしているビジネスパーソンが結構いるので、グズリそうなときは子連れでのアクセスは控えたほうがよいかもしれません。

当然ですが、ラウンジの食事はラウンジ外に持ち出しはできません。そういえば緊急事態宣言下でのアルコール制限の時期には、ラウンジでもアルコール提供がなかったり時間制限が厳しかったりしましたが、そのかわりに部屋にシャンパンを届けてくれたり、ラウンジで利用できない代わりに部屋へのアルコールの持ち帰りが可能になっていたホテルもありました。

特別感のあるホテルラウンジ 3選

ザ・リッツ・カールトン東京

国内のクラブラウンジのクオリティはなんだかんだ言って、やはりリッツ・カールトンが最高峰ですね。マリオットグループ傘下にありながらも、国内のリッツ・カールトンはマリオットの上級会員でもラウンジアクセスの権利がつかないため、週末でも混雑することなく快適です。

特に東京のリッツ・カールトンは、六本木のミッドタウン高層階からの眺望も素晴らしいですし、ライブラリーのある個室風に仕切られたエクスクルーシブな空間も魅力です。

食事のクオリティ、量ともに申し分ないので、ぜひ一度は体験してみたいラウンジの一つかなと思います。

ザ・リッツ・カールトン東京のクラブラウンジステイ 【アフターコロナ】ザ・リッツ・カールトン大阪のクラブラウンジのフードプレゼンテーションを堪能する

メズム東京

コロナ禍初期に開業したメズム東京は、浜離宮とスカイツリーが見えるバルコニー付きのラウンジからの眺望が素晴らしいです。高層階で外に出ることができるホテルは都内広しといえど片手に収まるほどに限られているのですが、このホテルではそんな稀有な体験をラウンジでできてしまいます。食事のクオリティも高いのでここも体験する価値がありますね。

【20年4月開業】絶景と遊び心満載のメズム東京はおこもりステイが正解(コーナールームに滞在) メズム東京のバルコニールームで浜離宮を望む

アテネホテル・バンコク

海外のホテルからもひとつ取り上げるとすると、バンコクのアテネホテルでしょうか。東南アジアの5つ星ホテルのラウンジ飯はどこもめちゃくちゃ充実しているので甲乙つけ難いのですが、ここはコスパも良く、とりわけラウンジスタッフのホスピタリティが高いというのもおすすめしたいポイントです。

ザ アテネ ホテル ア ラグジュアリー コレクション ホテル バンコクのクラブルームに滞在

まとめ

コロナ禍でラウンジサービスもかなりクオリティを下げて運営せざるをえない状況が長らく続いていましたが、ここにきて旅行需要の急増や円安、旅行支援などの影響で高級ホテルの宿泊料は爆上がりしてしまいました。しかし、その分、復活しつつあるラウンジビュッフェなどで滞在体験もまた上昇していることと思います。

たまの休日には、ラウンジ利用のホテルごもりでデトックスしてみてはいかがでしょうか。

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