長らく続く緊急事態宣言中に滞在してきたキンプトン新宿東京の宿泊記です。ここは昨年オープンした9つの東京の高級ホテルの一つです。ホテルの建築ラッシュが続く東京の中にあって、古いものばかりになってしまった新宿にようやくの新星登場です。多くの雑誌で特集が組まれていましたが、地上17階建の1棟丸々のホテルで総客室数は151室、高層階にはチャペルや宴会場などが入るようです。
キンプトンは、サンフランシスコ発のブティックホテルブランドで、キンプトンホテルズ&レストランツと名乗る通り、レストラン事業にも力を入れているIHGグループの中のハイブランドの一つです。このブランドの日本上陸は今回が初です。まあ、ここ数年日本初進出のホテルブランドはいくつもあるのでこの称号も珍しくないですが、マリオットで言えばアロフトとかACホテル、ハイアットでいえばリージェンシーやセントリックくらいの中堅やや上くらいのポジションのホテルに相当するかなと思います。
特筆すべきはここはペット同伴可能のホテルなので、愛犬、愛猫連れの方にとって数少ないホテル候補になるかと思います。
2020年オープンのホテルはこちらの記事にまとめていますので合わせてどうぞ > 【開業ラッシュ】2020年に新規オープンした東京の高級ホテル宿泊記まとめ
目次
ホテルへのアクセス
ホテルは西新宿ジャンクションに向かう街道沿いを新宿駅から真っ直ぐ歩いた先、およそ10分ほどの距離感です。パークハイアットの入る新宿パークタワーから道を挟んで一つ手前なので、3連棟の特徴的なビルを目標に歩くとわかりやすいと思います。というか大通りを真っ直ぐ歩けば着くので迷う方が難しいですね。※パークタワーは下に部屋からの写真載せています。
ホテルでは自転車の貸し出しをやっているようなので、借りて西新宿エリアを散策してみてもよいですね。
ホテル1階はレストランで、昼間は食事客で賑わっています。こちらの写真はチェックインエリアのソファと奥のブティックエリアです。いろいろグッズが取り揃えられて販売しています。
エレベーターホール前ですが、客室階の廊下も全体にこのような雰囲気。歩くと床が軋む音がしてビジネスホテルみたいだなと思いました。。
エグゼクティブキングの部屋
今回宿泊したのはエグゼクティブキングという部屋。ここはノーマルの部屋をプレミアムと呼んでいますが、それより一回り広い部屋タイプです。33.4〜36平米の広さがあるそうで、見取り図上はコーナーにある部屋ですが、窓があるのは1面だけでした。
ルームキーは都会のネオンをイメージした雰囲気のデザイン。このデザインは1階のエレベーターホール前のサイネージなどところどころで見かけました。
コロナ対策グッズはアルコールウェットティッシュと消毒スプレーでした。
リビングエリア
エグゼクティブというだけあって部屋にはリビングスペースがありますがデスクがなかったのが大減点です。。部屋にこもって作業するつもりでしたが、机は天面に突起がでていて使いづらいことこの上ないこの微妙なテーブルのみ。完全に当てが外れて途方に暮れました。これまで数えきれないほどのホテルに泊まってきましたが、デスクがなかったのはここが初めてです。。。
部屋からの眺望はちょっと残念。左側に大きくそびえ建つパークタワーで視界のほとんどが遮られてしまいます。このタワーを超えてもう少し西に行けば高層ビルがなくなるので見晴らしがいいはずなんですが、新宿駅からの距離感を考えるとホテルの立地としてはこの辺りが限界というのもわかりますのでやむなしですかね。
こちらサイドは大通りの裏側なので車通りは少なめですが、ちょっと防音性能は低めなのでわりと外の音は聞こえます。
パークタワーを見上げるとこんな感じ。これが上で目印にしましょうと言っていたビルですね。このタワーの高層階には5つ星のパークハイアットが入りますが、その宿泊記はこちら > 東京最高層47階のプールも再開、パークハイアット東京のデラックスルームに滞在
バスルームは流行りの日本式風呂場付きでビューバス風のガラス張り。トイレは右手入り口の右側の壁の中。いろいろと設計意図はわかるのだけど、もう一工夫できると思います。ベッドの硬さ加減、リネンの質感などは4つ星並ですね。枕は巨大ですが、ちゃんと沈み込むので寝心地良しでした。
この部屋サイズにしてはクローゼットはちょっと狭いですね。ハンガーはやたらとありますけど。浴衣はHIROCOLEDGEさんのもの。独創的な羽織デザインで、サイト(https://www.hirocoledge.jp/)に行くと円をモチーフにした魅力的なデザインがたくさん見つかるのですが、この部屋にあった浴衣のデザインはそれらと比べるとちょっと見劣りするような。。好みの問題ですがもっと派手目なカラーリングの方がよかったんじゃないですかね。クリップで挟まれているのは扇子と帯です。
ヨガマットが置いてあるのはこの部屋サイズにしては珍しいですね。浴衣とは別に白いパジャマもありました。
そして冷蔵庫がこんなところに。レイアウトに苦心してミニバーの上のスペースを活用した結果だと思いますが、これのせいでテレビが最新鋭のホテルにしては一回り小さくなってしまいました。下の棚スペースに余裕があるので冷蔵庫はそちらに回すべきでしたでしょうし、、そもそも根本的なレイアウトに失敗してるのでこういう小細工でいろいろ誤魔化さないといけなくなるんだよな。
ミニバーは、ネスプレッソにホテルオリジナルのお茶など、4つ星クラスの典型的な品揃えかなと思います。
ベッドサイドにサービスオーダー用のタブレット。インルームダイニングなども電話不要です。食後の片付けもボタンひとつと思いきや、ボタン押してみても一向に誰も来ないという(たぶん緊急事態宣言のせいで20時以降担当スタッフが帰っていたのだと思います)。。。せめてオーダーが通ったかどうかわかるUIに修正してください。ま、そういうときは電話しましょう。
スピーカーは定番のBOSEではなくデンマークのVifaのものが置いてありました。珍しいというかホテルで初めて見たような気がします。
バスルーム
狭いなりにもバスタブが広いのは好感が持てますね。水回りはドイツのグローエ社製のもの。例によってレインシャワーとハンドシャワーがどちらに回せば良いか理解不能なデザインなので利用の際はお気をつけください(半月の下が丸いのがレインです)。。
バスアメニティ類はボトル式で持ち帰れないタイプです。シャンプーは使っているとウーロンとシトラス、あと昆布茶のようななんともいえない匂いがしましたが、乾かすとBOTANISTみたいな香りになってちょっと不思議な感じがしました。ボディソープもマンダリンの香りただよう悪くない匂いです。あとシャンプーの下の小さなパッケージはバスソルトです。
風呂場にスペースを譲ったためかシンクエリアはやや手狭ですが、まあ、一人で使う分にはこのくらいでも十分ですね。
バスローブは肌触りがいいなと思ったらやはり安定のガルニエ・ティエボーのものでした。
アメニティ類はシンク台の中に整っています。一般的なものが一通り揃っていましたが、歯間ブラシがあるのは珍しいなと思いました。ビジネスホテルではたまに見ますが。バスアメニティではボディローションだけは持ち帰り用サイズが用意されています。
ドライヤーはサロンシェアNo1をうたうテスコム製のもの。5つ星ホテルでよく見るプロ用ハイブランドのNobbyではなく、家庭向けのioneというブランドですかね。ちなみにNobbyはこちらです > 高級ホテルのドライヤーまとめ|テスコム
トイレ
独立したトイレ。風呂のスペースと合わせられた結果、無駄に広いですね。。。便器は高級ホテルではあまり見ないINAXでした。
トイレットペーパーが三角折りでなくストレートにするのは流行りなんですかね。同じく昨年オープンの青山グランド、東京エディション虎ノ門もこのスタイルでした。
インルームダイニング
レストランに力を入れているブランドだけあって、オーダーしたハンバーガーも美味でした。右下のオレンジ色のはケチャップです。部屋にピンポンがないので、ノックと声かけでスタッフの方が来られるので聞こえるように気をつけましょう。
2階 District – Brasserie, Bar, Lounge (ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ)
レストランの雰囲気はいいですね。テラス席もあるかなり広いスペースでエリアによって雰囲気が少し変わります。が、それだけに緊急事態宣言中だからか他に客は一人もおらず、大丈夫かなと流石に心配になりました。他のホテルはそれなりに人は見かけるのですが・・・
朝食メニューは「ブランチ」を銘打っており、宿泊客でなくとも利用できるようです。単品のオーダーまたはメニューから2品選ぶ5500円のセットメニューがあります。セットメニューにすると、11時までドリンクが飲み放題になり、ピエール・エルメ・パリのクロワッサン、マカロンなどがついてきます。写真に写るのがそのマカロンにコールドブリューのコーヒーです。しかし、このクラスのホテルでこの値段設定はちょっと強気ですね。
パンはピエールエルメとのコラボのものだと思います。東京のニューオータニや京都のリッツ・カールトンなどでもピエールエルメは扱われていたと思いますが、世界一のクロワッサンとの評価はそうでもないとは思いますが、いずれのパンも確かに美味しいです。手前のバターは自家製だそうで、エシレバターのような風味でした。これも美味しかった。
昨年オープンしたホテルはどこもサラダがユニークだなと思います。これは「季節の国産野菜・醤油麹ドレッシング、低温調理した鶏胸肉」根菜多めで朝からパワーがでます。
メインに選んだエッグベネディクトはサーモンスタイル。卵の茹で加減がかなり緩めでした。オランデーソースにはうにが乗っています。タラバガニのオムレツやサーロイン(追加料金)など、他にも魅力的なメニューがありました。
レストランのメニューは、公式サイトの「メニュー」のところから見ることができますので気になる方は覗いてみてください。 > District
あと朝食の時間帯には、1階のThe Jones Cafe | Barでバリスタがコーヒーやほうじ茶ラテを宿泊客には無料で提供してくれるということでした。平日の朝8時から11時、土日の朝7時から11時まで。こちら2階のレストランでドリンク飲み放題だったので行きませんでしたが。。
ソーシャルアワー
毎日17時から18時の1時間の間、朝食会場と同じ2階のレストランでイブニングソーシャルアワーというイベントが開催されます。いわゆるクラブラウンジ付きのホテルのカクテルタイムと同様にフリードリンクと軽食のサービスが提供されるのですが、ソーシャルと言うだけあって、お客さん同士やスタッフと交流するというのがコンセプトのようです。が、もちろん交流などしなくてもドリンクはいただけるのでご安心ください。
本来はフリーフローのドリンクとピンチョスのサービスがあるそうですが、緊急事態宣言中ということでアルコールの提供はありません。代わりにノンアルコールのドリンクとちょっとしたおつまみがワンプレートで提供されています(追加オーダー可)。アルコールが飲めないのは物足りないですが、この赤いノンアルコールカクテルはかなり美味しかったです。
フィットネス 3階
フィットネスエリアは有酸素運動の機材中心ですがまあまあの規模感です。24時間営業で特に利用制限などありませんでした。
窓の外は大通りと2階のレストランDistrictのテラスが見えます。
まとめ
昨年の開業ラッシュの中、ホテル特集の雑誌で散々取り上げられていたキンプトンでしたが、正直、僕的にあまり魅力を感じなかったので相当に期待値が低い状態で行ってきましたが、その期待値でちょうどよかったと思います。
レストランのクオリティは高かったのですが、値段設定からすると妥当です。そしてホテルのお値段はやはりちょっと強気設定だなと思います。この値段だったら同じ新宿なら半額近いハイアットリージェンシーか、逆にもう少し追加してパークハイアットを選ぶかなと。ペット同伴とかソーシャルアワーの分のお値段が乗っかってしまっているのでしょうけど、うーん、希少な新宿の最新鋭ホテルだけにもうちょっとコンセプトを考えて欲しかったです。